2023.12.15
CTI インサイドセールス 営業代行・コールセンター

CTIとは?メリットや仕組み、機能をわかりやすく解説

#CRM連携 #IP電話 #PBX #コスト削減 #教育・新人育成

コールセンター(受電・架電問わず)やカスタマーサービスを展開している企業では、電話の管理及びコールシステムの設備を整える必要があります。

その際に必要になるシステムがCTIです。

CTIを活用することで、パソコンから電話をかけたり、通話内容をクラウド上に録音・記録することができます。

今回は、CTIがどのようなシステムなのかをわかりやすく紹介し、導入してできることや特徴などを紹介します。導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

目次

CTIとは?わかりやすく解説

CTIとは、電話やFAXとPC(コンピューター)を統合する技術、またはその技術を使用したシステムのことです。

着信や発信、通話内容の録音情報などを、コンピューターと連携させることで、業務内容の効率化や対応品質の向上により顧客満足度向上にもつながります。

具体的な機能については後述しますが、CTIでは以下のようなことが可能です。

  • 着信番号や顧客情報の表示
  • 通話内容の録音及び再生
  • 自動音声対応
  • リストの管理

そのため、CTIは主にコールセンターやカスタマーサービス、電話営業などのシーンで活用されています。

CTIとPBXの違い

CTIとPBXは密接な関係にあり、いずれも同じ”システム”ですがそれぞれ異なる役割があります。

CTIとPBXの違いを表でまとめると、以下のとおりです。

システムCTIPBX
主な役割電話やFAXとコンピュータの機能を統合する電話の接続や制御をする
主な機能・受発信機能
・オートコール
・全通話自動録音
・ポップアップ機能
・通話のモニタリング
・IVR(自動音声応答)
・着信履歴の確認
・電話制御機能
・IP回線と携帯回線の併用(コムデスク(Comdesk Lead)
・リスト管理
・外線と内線の接続/制御
・通話の転送
etc.
利用するシーンコールセンター、カスタマーサービス、営業代行電話営業など企業の電話システムなどに使用されている

CTIはPBX、CRM、SFAなどの機能を連携させ、PBXはCTIにおける電話機能の部分を担います。

クラウドPBXの存在について

近年、ネット回線でも使用できるクラウドPBXが普及しつつあります。

ネット回線を通じて、PBXシステムを利用できることから、以下のメリットがあります。

【クラウドPBXを利用するメリット】

  • コストが安い
    →クラウドサービスとしてPBXを利用できるため、構内交換機(PBX)を購入し、自社サーバーを設置する必要がない
    →初期費用を抑えることにもつながる
  • 導入・運用が容易
    →ネット回線と電話の受発信に必要なパソコンやスマートフォンを用意するだけで利用できる
  • 拡張性が高く使いやすい
    →クラウドサービスのためオフィスの規模や使用する場所によって簡単に拡張できる

クラウドPBXは、コストを抑えるだけではなく、社内業務の効率化にもつながります。

詳しく解説:CTIとPBXの違いは?CTIのタイプと導入するメリットも合わせて紹介

CTIの主な種類

CTIと一言で言っても、様々な種類があります。例えば、CTIは以下2つの切り口で分類ができます。

  • オンプレミス型・クラウド型
  • インバウンド・アウトバウンド型

オンプレミス型・クラウド型

まずは、オンプレミス型・クラウド型について解説します。

オンプレミス型CTI:

  • 特徴:企業が独自のサーバーにCTIを設置し、自由にカスタマイズできる。データが企業内で完結するため、情報漏洩のリスクが低減する。セキュリティ要件が厳格な企業にとって好まれる。
  • デメリット: 初期費用が高額。サーバーの設置・構築に時間がかかり、運用コストも高い。即座に利用を開始することが難しい。

クラウド型CTI:

  • 特徴:クラウド上のサーバーからサービスが提供され、オンプレミス型CTIに比べて安価に導入が可能。導入までのスピードが速く、機器導入や環境構築が不要。
  • デメリット: インターネット経由で利用されるため、セキュリティリスクが高まる。クラウド上で共有されるため、企業独自のカスタマイズが制限される可能性がある。既存のデータベースやCRMとの連携が難しい場合がある。

オンプレミス型とクラウド型の比較:

  • コスト:オンプレミス型は初期コストが高いが、クラウド型は安価に導入可能。
  • 導入スピード:オンプレミス型は設置・構築に時間がかかるが、クラウド型は迅速に導入できる。
  • セキュリティ:オンプレミス型はデータが企業内で完結し、セキュリティレベルが高い。一方、クラウド型はインターネットを経由するためセキュリティリスクが高まる。
  • カスタマイズ:オンプレミス型は企業が自由にカスタマイズ可能。クラウド型は共有されるため、制限がある。
  • 連携:オンプレミス型は既存のデータベースやCRMとの連携が比較的容易。クラウド型は制約がある場合がある。

インバウンド・アウトバウンド型

インバウンド型CTIは主に顧客からの電話対応に特化し、CRMとの連携によりスムーズな対応が可能。一方、アウトバウンド型CTIは企業が顧客に電話をかける業務に特化し、架電業務の効率化を叶えたり、発信前に顧客情報の確認ができるため、効果的な営業活動が期待できる。

インバウンド型CTI:

  • 特徴:顧客からの電話受付業務に特化。着信と同時にパソコンに顧客情報が表示される。CRMシステムとの連携により、相手の過去の情報を把握した状態で電話対応可能。またコールセンターの稼働状況が一目で分かるシートマップ機能を搭載しているCTIも多い。

アウトバウンド型CTI:

  • 特徴:企業が顧客に電話をかける電話発信業務に特化。顧客リストを案件ごとに管理する機能や活動履歴や事前に顧客情報の管理・過去情報の確認ができるため、効率的な業務が可能。オートコールやプレディクティブ発信で架電数を担保しやすい機能が搭載されている。

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CTIの主な機能を紹介

CTIを使用すると、さまざまな機能が利用できるようになります。

具体的には、以下のとおりです。

【CTIの主な機能について】

  • パソコンとの連携
  • 自動録音機能
  • 電話の制御機能
  • モニタリング
  • オートコール機能
  • 一斉着信

まずは、CTIシステムがどのようなものかを理解しておきましょう。

導入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

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リストX トークX数

パソコンとの連携

CTIは、電話とパソコンを連携することで、電話の発着信や録音などの作業がすべてパソコンでおこなえるようになります。

また、CTIをパソコンと連携することで、以下のようなことができるようになります。

【パソコンとの連携でできるようになること】

  • 顧客情報の確認と表示
    →事前にパソコン上で管理している顧客情報データと電話番号を紐づけておくことでパソコン上に顧客情報を表示できる
    結果として、顧客の情報を確認しながら電話対応が可能になる
  • 電話の発着信
    →パソコンから発着信ができるため電話機を操作する必要がなくなる
  • 通話履歴の記録と管理
    →通話履歴をパソコン上で自動的に記録して管理できる
     履歴を紐づけて残していくことで過去のやり取りや電話対応の振り返りが可能になる
  • 通話録音の保存
    →通話の録音をパソコン内に保存できる

このように、パソコンと連携するだけでもできるようになることが増えます。

また、コムデスク(Comdesk Lead)ではビジネスフォンだけでなく、スマートフォンとの連携も可能です。

自動録音機能

CTIは、自動録音機能が備わっています。パソコンと連携すると、音声内容を自動的に保存するため、後から確認や再生ができます。また、CTIによっては録音データのダウンロードも可能です。

自動録音を活用すると、以下のようなことができます。

【自動録音でできること】

  • 言った言わない問題の解消
    →コンタクトセンターでは記録が残っていない場合、口頭での確認や伝え漏れによってトラブルになることがあります。自動録音により、トラブル時に事実を確認することができます。
  • トラブルの防止と発生時に迅速な対応ができる
    →クレーム対応を録音・管理することで、マニュアルや改善案の作成が可能。
    そのマニュアルをもとにトラブル発生時の迅速な対応や、トラブル防止につながる。
  • 社内教育や研修での活用
    →電話対応を録音することで、社内教育や研修などで活用できる。
    基本的な電話対応のやり方からクレーム対応など、現場でしかわからないことを教育できるため、新人のスキルアップにつながる。
  • サービスの品質向上
    →顧客の声を録音することで、商品やサービスの品質向上につながる。

そのほかにも、コムデスク(Comdesk Lead)では自動文字起こしやChatGPTとの連携による自動要約が利用できます。

電話の制御機能

コールセンターでは、多くの着信に対応できるようにオペレーターが配属されています。しかし、タイミングによっては一人のオペレーターに電話が集中することも珍しくありません。

その際に活用したい機能が、CTIの電話制御機能です。

CTIでは、電話の発着信を自動的にコンピューターで制御できます。

具体的には、以下のような機能が挙げられます。

【CTIの電話制御機能について】

  • 着信の自動振り分け
    →オペレーターの情報に基づき、着信を自動的に適切なオペレーターに振り分けられます。
    (例:空き状況・対応スキル・顧客の属性など)
  • あふれ呼ガイダンスの設定
    →すべてのオペレーターが対応してしまっている場合、応答ができない着信をあふれ呼と呼びます。このあふれ呼に対して音声アナウンスを流す設定ができます。

電話制御機能を活用することで、業務効率化や顧客満足度の向上につながります。

モニタリング

コールセンターのマネージャーやSVなどの管理者が、オペレーターと顧客の会話をリアルタイムで監視できる機能です。

【モニタリング機能でできること】

  • トラブルが発生したときに別のオペレーターが迅速に対応できる
  • 稼働状況を詳細に把握することができるため、オペレーターの適切な配置などができる

オートコール機能

CTIには、オートコール機能も備わっています。

オートコール機能とは、事前に用意した顧客リストに対して、自動的に電話をかける機能です。1件ずつ手動で発信するのではなく、リストに沿って自動で電話を発信するため、架電効率が向上します。オートコールは、主に新規顧客への営業や既存顧客へ満足度向上などで使われます。

自動でリストに対して発信し、顧客が出た電話にだけ対応する方法や、つながった顧客に対して準備しておいた音声アナウンスで誘導する方法などがあります。

また、自動音声応答(IVR)を活用すると、アンケート調査にも活用できるため、インバウンドにおいても活用することができ、顧客の声から業務改善やサービス向上もできます。

一斉着信

CTIでは、一斉着信機能も利用可能です。

一斉着信機能とは、電話を着信した際に、すべてのオペレーターに着信できるようにする機能です。

通常、電話を着信した場合、着信をした電話機のみが稼働します。

この場合、オペレーターが不在だった場合、電話に出られません。

しかし、一斉着信機能を利用すると、すべてのオペレーターの電話機が挙動するため、室内にだれかオペレーターがいれば対応できます。

一斉着信を導入することで、顧客をストレスなくオペレーターに案内できることから、顧客満足度の向上にもつながります。

関連リンク:WidsleyのCTIツール・コムデスク(Comdesk Lead)とは?

CTIを導入する6つのメリット

ここからはCTIの導入のメリットについてお話ししていきます。主に以下の6つがあります。

  • 業務効率化
  • コスト削減
  • 顧客満足度の向上
  • 社内教育の効率化
  • オペレーターの稼働状況を把握できる
  • 通話内容を分析してマニュアルを作成できる

コールセンターや営業電話を行う企業がCTIを導入することで、どのような効果が見込めるかを理解することは適切なシステム選択に繋がります。

業務効率化

ワンクリックで発信ができたり、オートコールで自動発信することで架電効率を大幅に削減するだけでなく、入力ミスを削減することでの業務効率の改善も見込むことができます。

また自動的な顧客データ検索により、電話ごとに手動でのデータ検索や、過去の情報を再確認して入力する手続きが不要となります。

これにより、各通話にかかる対応時間が短縮され、顧客対応の効率向上と人件費の削減が期待できます。

コスト削減

オンプレミスのCTIでは、サーバーを一から作ることで稼働させる前に多額の初期投資が必要になることもあります。

クラウド型のCTIを選択することで、専用サーバー構築の必要がなくなり、工事費や初期導入コスト、運用コストを大幅に削減できます。

またクラウド型のCTIを利用することで、コールセンターの規模に合わせたコストで運用をすることが可能になり、適切なコスト管理もしやすくなります。

顧客満足度の向上

CTIのメリットの一つは、顧客満足度の向上が期待できることです。

CTIは、CRM(顧客関係管理)と連携し、過去の対応履歴などを瞬時に把握できるため、顧客がオペレーターが変わるたびに同じ話を繰り返す必要がなくなります。

また、情報確認のために顧客が待たされる時間も短縮されます。

CTIを利用することでオペレーターは一人一人の顧客に適切でパーソナライズされた対応を行うことができ、顧客体験を向上させることができます。

社内教育の効率化

コールセンターや営業代行運営の成功には、効率化と教育環境の整備が極めて重要です。

特に、自社でコールセンターを運営する際には、人員の入れ替わりがつきものであり、「新人オペレーター」への丁寧な教育が不可欠です。

新人の研修を迅速かつ効果的に行い、早期に戦力としての成長を促すために、CTIの録音機能やAIでの音声認識機能などが活用できます。

録音機能(自身の振り返りのために)

録音機能は、各オペレーターの通話内容を自動的に録音し、保存することができる機能です。

人はそれぞれ話し方に特徴があります。コールセンターでは応対品質を均一化し、どのオペレーターが対応しても同じ水準の満足度を確保することが重要です。しかし、オペレーターが自らの話し方の特徴や言い間違いに気づいておらず、それを改善することが難しい場合もあります。

このような状況に対処するために、CTIの録音機能を活用して通話内容を録音し、再生することで、オペレーターは自身の話し方の特徴や言葉づかいの間違いに気付くことができます。

このように活用することで早い段階で話し方を直すことが可能となり、即戦力としてのオペレーターを効果的に育成できます。

録音機能(お手本を参考にするために)

CTIの録音機能には、「お手本を参考にする」というもう一つの重要な利用方法が存在します。

スキルを向上していく上での、学びの基本原則には「優れたお手本を模倣する」という考え方があり、実際の顧客対応のやりとりの中で、優れた応対例があれば、それは会社の貴重な教材となります。

自社のコールセンターに経験豊富なオペレーターがいる場合、その応対内容を録音し、保存して繰り返し再生可能にしておくと良いでしょう。

そうすることでテレアポ研修の教材として活用でき、新人の育成をより効果的に進めることができます。

CTIの録音機能は、「復習用」と「お手本用」の2つの側面で活用でき、これらを上手く利用することでテレアポ研修を円滑かつ効果的に進めることができます。ぜひ積極的に導入し、その機能を最大限に引き出してください。

オペレーターの稼働状況を把握できる

CTIの電話制御機能はオペレーターだけでなく、管理者にもメリットがあります。

オペレーターの稼働状況を数値で可視化することにより、着信を適切に振り分けて負荷を分散でき、人員配置が効果的に行えることに加え、効果的な施策やオペレーターの業務評価が容易になります。

稼働状況の把握により、自動的に着信を配分し最適化をはかることで業務効率が向上し、モチベーション向上にも寄与します。

CTI導入による管理者のメリットは以下の3つ:

1. 業務効率化による人件費削減:

  • CTIは通話やデータの統合を可能にし、オペレーターが作業する際に生じる手作業の時間を短縮できます。例えば、顧客情報が自動的に表示されたり、問題が自動的に分類されたりすることで、オペレーターはより迅速かつ正確に業務を遂行できます。これにより、同じ業務量を処理するために必要な人員が削減され、結果として人件費の削減が期待できます。

2. 対応中のオペレーターへのサポート可能:

  • CTIはオペレーターの通話中にリアルタイムで情報を提供する機能を持っています。例えば、顧客の過去の取引履歴や問い合わせ内容が画面に表示されることで、オペレーターが的確な情報を手に入れ、スムーズな対応ができます。またモニタリング機能などを活用し、リアルタイムで通話内容を把握することで適切なオペレーターへのサポートを行いやすくします。

3. オペレーターの稼働状況の把握:

  • CTIはオペレーターの通話数や通話時間、休憩時間などのデータを記録し、可視化することができます。これにより、管理者はオペレーターの稼働状況を把握しやすくなります。オペレーターの業務量や忙しさを的確に把握することで、適切な人員配置が可能になり、効率的な業務運営ができます。また、これらのデータをもとにトレーニングや業績評価を行うことで、オペレーターのスキル向上やモチベーション向上に寄与します。

通話内容を分析してマニュアルを作成できる

通話内容を録音し音声データとして保存する機能は、コールセンターでよく利用され、「言った・言わない」のトラブルを回避するのに有効です。

この機能のメリットには、オペレーターの聞き逃しや聞き間違いがなくなり、心理的負担が減少すること、トーク内容の分析を通じてオペレーターのスキル向上やトラブル防止が可能なこと、成果を上げているオペレーターの会話内容を文書化してマニュアルや教材作成ができることが含まれます。

この機能には以下の詳細なメリットがあります:

1.聞き逃しや「言った・言わない」の回避:

  • 通話内容を録音することで、音声データを後から参照できるため、聞き逃した部分の確認はもちろんのこと、「言った・言わない」での、曖昧さからくるトラブルを防ぐことができます。通話データの分析を通じて、トラブルやクレームの原因を特定し、再発防止策を講じることができます。

2.トーク内容の分析によるスキル向上:

  • 録音された通話データを分析することで、オペレーターのトークの質やコミュニケーションスキルの向上を期待できます。フィードバックやトレーニングの際に具体的な事例を挙げながら行うことができ、事実に基づいた教育でオペレーターのスキル向上に寄与します。

3.成果を上げているオペレーターの会話内容をもとにトークスクリプトを作成する:

  • 成果を上げているオペレーターの優れた会話内容は録音され、文書として保存できます。これにより、ベストプラクティスや成功事例をまとめ、他のオペレーターや新人へのトレーニングや教材作成に活用できます。

CTIを導入する2つのデメリット

CTIの導入は必ずしもメリットばかりではありません。CTI導入における良い面だけではなく導入のリスクについても考慮することが費用対効果を最大化する上では重要です。主なデメリットは2点あります。

  • 成果に対してコストが高すぎてしまうケースがある
  • CTIの操作慣れに時間を要するケースもある

成果に対してコストが高すぎてしまうケースがある

CTIシステムの導入には、初期費用や月額費用がかかります。具体的には、システムの導入に必要なハードウェアやソフトウェアの購入費用、インストールや設定にかかる人件費、さらにシステムの維持管理やサポートにかかる月額費用などが発生します。

料金設定はシステムによって様々であるため、初期費用や月額費用を比較し費用対効果の高いシステムを選ぶと良いです。クラウドベースのCTIシステムは、比較的初期費用が低く、スケーラブルであるため、導入しやすいといえます。

関連記事:CTIシステムの料金・費用・相場はどのくらい?

CTIの操作慣れに時間を要するケースもある

CTIシステムは高度な機能を持つため、その操作に慣れるまでに時間がかかることがあります。新しいシステムを導入する際には、従業員に対するトレーニングが必要となり、これが業務の効率に一時的なネガティブな影響を与えることがあります。

そのため、直感的で使いやすいインターフェースを持つシステムを選ぶことで、従業員のトレーニング時間を短縮できます。デモやトライアル期間を利用して、実際に操作感を確認すると良いかもしれません。

CTIはどういうときに使用する?

顧客対応や業務プロセスの効率向上を図るために、CTIが有用です。以下は、具体的なシナリオでのCTIの活用ポイントです。

  • コールセンターの業務効率化がしたいとき
  • Eコマースサイトの規模拡大
  • BtoCでリピーターを増やしたい業種

コールセンターの業務効率化がしたいとき

CTIの機能、例えば着信の自動振り分けや自動音声案内などは、顧客の問い合わせに素早くかつ適切に対応でき、受電内容に応じて異なるスキルや知識を持つオペレータに的確に接続できます。これにより、顧客と管理者の両方にとって極めて効率的です。

さらに、自動発信機能はオペレータがより多く架電することができ、生産性向上に寄与します。事前に顧客情報を確認できるため、より戦略的なアプローチが可能です。

CTIを利用しない場合、適切な知識を持たないオペレータにつながったり、通話できる数に制限が生じたりするなど、業務上のリスクや無駄が増える可能性があります。

CTIによる電話業務の自動化により、手動作業にかかる時間と手間を大幅に削減できます。

Eコマースサイトの規模拡大

CTIはEコマースサイトの規模拡大において、カスタマーサポートの向上、自動応答と振り分け、オムニチャネル対応、データ分析と改善などの様々な点で貢献し、カスタマーエクスペリエンスの向上や業務プロセスの最適化を促進します。

カスタマーサポートの向上

顧客が電話で問い合わせた際、CTIは顧客の情報や過去の履歴を自動的に表示し、オペレーターが迅速かつパーソナライズされた対応が可能となります。

録音機能を使用してトラブルの振り返りや改善策を講じることで、コールセンター全体の対応品質向上にも寄与します。これは顧客の満足度向上に繋がり、快適なショッピング体験を提供できます。

自動応答と自動振り分け

CTIは自動応答や自動振り分けの機能を提供します。これにより、大量の電話に効率的に対応でき、特に忙しい時期やキャンペーン時においても適切なオペレーションで対応できます。

これはスケーラビリティの向上に寄与し、顧客サポート体制を拡充するのに役立ちます。

オムニチャネル対応

CTIはオムニチャネルコミュニケーションを可能にし、電話だけでなく、チャット、メール、ソーシャルメディアなどの異なるチャネルを統合的に管理できます。これにより、顧客は自分の選好に合わせてコンタクトでき、柔軟な対応が可能です。

データ分析と改善

CTIは通話データや顧客とのインタラクションを記録し、これらのデータを分析することが可能です。この情報をもとに、Eコマースサイトの運営やカスタマーサポートのプロセスを改善し、効果的な戦略を策定することができます。

BtoCでリピーターを増やしたい業種

リピーターを獲得したい業種においてもCTIシステムは有効です。顧客管理機能(CRM)が備わったCTIを使用すれば、リピーターは着信時に顧客情報がポップアップ表示され、新規顧客かリピーターかが即座に分かります。

この情報を活用して、新規顧客にはサービスの丁寧な説明を行い、リピーターには親近感のある対応をするなど、個々に適した電話対応を行うことで顧客満足度の向上が期待できます。

さらに、営業時間外の電話にも自動音声応答(IVR)で自動対応することで対応の幅を広げることができます。

CTI導入時の選び方【目的別】

ビジネス環境の変化に伴い、CTIの導入は企業にとって重要な戦略の一環となりつつあります。しかし、数多くのCTIが市場に存在し、それぞれ異なる特長を持っています。

この膨大な選択肢の中から最適なCTIを選ぶには、企業の具体的な目的を明確に把握し、その目的に適したシステムを選定することが不可欠です。

この記事では、目的に応じたCTIの導入時に留意すべきポイントを紹介します。

  • 問い合わせ業務を改善したい
  • 架電業務を改善したい
  • コールセンターの立ち上げで社内教育もしたい
  • パソコンだけではなく携帯でも導入したい

問い合わせ対応の業務効率を改善したい

問い合わせ業務が煩雑になる主な要因は、顧客情報の効果的な管理が行き届いていないことです。CTIを導入することで、顧客情報を手軽に整理・管理し、業務の効率化やサービス品質の向上が見込まれます。

見るべきポイントは、「即座な顧客情報アクセスができるか、既存システムとの連携が可能か」が重要です。問い合わせ対応にて発生する、顧客情報の確認、問い合わせ内容のログ連携を効率よく行えるかどうかが業務を改善するポイントになります。

架電業務を改善したい

アウトバウンドを積極的に行っている組織では、いかに効率よく架電し、質を高めていくかが重要になります。架電行為以外の通話内容の入力などに時間が取られてしまうと、本来注力すべき架電数が担保できなくなります。

見るべきポイントは、「リストを適切に管理できるか、入力工数を削減する機能が付いているか」が重要です。

架電時において電話をかけるためのリストは何よりも重要です。複数人でかける場合に一つのリストをどのように配分できるのか、や複数の案件を行う際にそれぞれのリストをどのように管理できるかで架電効率は格段に変わります。

また通話した内容を正確に記録として残すための入力工数を削減できるとさらに架電業務を改善できます。

コールセンターの立ち上げで社内教育もしたい

CTIの活用は、コールセンターの社内教育や人材育成にも大いに寄与します。

社内教育・人材教育のためにCTIを活用する場合、「録音機能、モニタリングやウィスパリングなどのリアルタイムでオペレーターをサポートする機能が備わっているか」どうかが重要です。

録音機能があると優れた対応(ベストプラクティス)の共有が簡易にできるようになります。

また録音や結果の分析結果をもとにマニュアルやトークスクリプトなどのトレーニングプログラムの改善も行うことができます。

SVやマネージャーなどの感覚での教育やフィードバックではなく、事実をもとに実行することができ、オペレーターの満足度も向上します。

パソコンだけではなく携帯でも導入したい

人材の確保が難しくなっている昨今、テレワークや在宅ワークでのコールセンター機能を立ち上げたいという組織において、スマートフォン・携帯電話対応のCTIはとても有用です。スマートフォン版アプリのCTIを導入することで、時間や場所に制約されずにシステムを利用できます。

営業担当者が外回りの際にも、スマートフォンでCTIを使用することで、隙間時間を有効活用し電話営業を行い、外出時の顧客とのやりとりのログも残せるようになり、ブラックボックスになりがちな外出時の営業も管理することができます。

また、090/080などの携帯番号が使用できるCTIであれば携帯回線を使用することができ、ネットワーク環境に捉われず安定した通話品質を実現できます。

録音機能や音声解析で必要な通話データも品質の高いデータを取得することが出来、分析や管理業務においても品質を向上することが出来ます。

CTIを導入する際の注意点

CTI導入時には目的などに合わせて慎重な検討が必要です。以下は、検討時に留意すべき4つの重要なポイントです。

  • 自社の規模や業務形態の適合性
  • 既存機能との連携
  • セキュリティ対策の確認
  • サポート体制の評価

自社の規模や業務形態の適合性:

CTIは自社の規模や業務形態に合わせて選定する必要があります。扱う案件・商材においてオンプレミスでないといけないものや、オペレーターの人数によって適切に運用できるか、などの検討も。初期費用やランニングコスト、アウトバウンド型かインバウンド型かなど、様々な観点からシステムを選ぶことが重要です。

既存機能との連携:

導入前に既存のシステムとの連携がスムーズに行えるか確認が必要です。CRMやSFAなど他のシステムとの連携ができれば、業務の効率が向上します。オンプレミス型とクラウド型で連携の柔軟性に違いがあるため、選択肢を検討しましょう。

セキュリティ対策の確認:

顧客情報や通話データは機密性が高いため、CTIシステムのセキュリティ対策が重要です。通信の暗号化やアクセス制限など、外部からの侵入を防ぐ対策が万全であるか確認しましょう。

サポート体制の評価:

利用方法で戸惑った場合や、トラブルが発生した際に頼りになるサポート体制が整っているか確認が必要です。サポート対応時間、無償・有償のサポート内容、導入前後の研修などを考慮して、適切なサポートを選択しましょう。

これらの注意点を踏まえ、自社の課題や目標に合わせて最適なCTIシステムを導入することで、コールセンター業務の円滑な運用と業績向上に寄与します。

まとめ

CTIにはオンプレミス型やクラウド型などの構築の特徴や、インバウンドとアウトバウンドなどの用途、機能とそれぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

だからこそ、どのCTIを導入するかを検討する際には目的や、導入することで期待する効果を組織の中で整理することが重要です。

現在の自社の業務フローの中でCTI導入によって改善したいことを明確にし、その上でコストや運用方法の相談をするといいでしょう。

  • 問い合わせ業務を改善したい
  • 架電業務を改善したい
  • コールセンターの立ち上げで社内教育もしたい
  • CTIをパソコンだけではなく携帯でも導入したい

このような悩みや改善したいことがある場合は、ぜひCTIの導入を検討してみてください。

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この記事を書いた著者 髙橋 弘考

同志社大学在学中に豪州にて起業。卒業後Webマーケ企業の社長室に配属、経営企画に携わる。翌年タイ法人の立ち上げ、現地CEOに就任し、コールセンターやオフショア開発拠点の立ち上げ。2013年より当社設立。初期プロダクト開発責任者。

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