2024.06.05
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【ChatGPT特集】ChatGPT-4oとは?業務活用事例特集!海の向こうから国内まで

#ChatGPT-4o #コスト削減 #省人化

はじめに

生成AI(Generative AI)は、自然言語処理や画像生成などの分野で活用され、独自のコンテンツを生成する技術です。ディープラーニングアルゴリズムを用いて、テキストや画像、音声など多様な形式のデータを生成する能力があります。この技術は、コンテンツ作成の自動化、カスタマーサービスの効率化、デザインの自動生成など、さまざまなビジネス領域で革新をもたらしています。

特に注目されるのが、テキスト生成AIの一種であるChatGPTです。今回は、ChatGPTの開発と進化、ChatGPT-4oの特徴、そして企業での具体的な活用事例について詳しく解説していきます。

生成AIとは

(上イラスト:ChatGPT DALLEで作成)

生成AI(Generative AI)は、自然言語処理や画像生成などの分野で活用され、独自のコンテンツを生成する技術です。ディープラーニングアルゴリズムを用いて、テキストや画像、音声など多様な形式のデータを生成する能力があります。この技術は、コンテンツ作成の自動化、カスタマーサービスの効率化、デザインの自動生成など、さまざまなビジネス領域で革新をもたらしています。

生成AIツール

生成AIツールは、テキスト、画像、音声、ビデオなど、さまざまな形式のコンテンツを生成するために使用されます。主流の生成AIツールには以下のものがあります。

テキスト生成

OpenAI GPTシリーズ: GPT-3、ChatGPT、ChatGPT-4など。自然な会話や文書生成に優れており、カスタマーサービス、コンテンツ作成、コーディング支援など幅広い用途で利用されています。

Google BERT: 自然言語理解と生成に強みがあり、検索エンジンの最適化や自動翻訳に使用されます。

画像生成

DALL-E: OpenAIが開発した画像生成モデルで、テキストの説明に基づいて画像を生成します。

Stable Diffusion: 高解像度の画像を生成するために使用される生成モデルです。

音声生成

Google WaveNet: 高品質な音声合成を実現し、ナビゲーションシステムやバーチャルアシスタントに利用されます。

Amazon Polly: テキストをリアルな音声に変換するサービスです。

ビデオ生成

DeepArt: スタイル転送を使用して、既存のビデオにアートスタイルを適用します。

RunwayML: 機械学習を活用してビデオの編集や効果の生成を行います。

これらの生成AIツールは、それぞれの強みを活かして、さまざまな業界での業務効率化や新しいサービスの創出に貢献しています。

事例紹介

続いて、実際の事例を用いて、ChatGPTが企業でどのように取り入れられているかをみていきましょう。今回は、4社の事例を用いております。

Salesforceの事例:Einstein GPT

Salesforceの「Einstein GPT」は、営業、サービス、マーケティング、コマース、IT全体にわたりAI生成コンテンツを提供します。AIおよび機械学習担当シニアバイスプレジデントのジェイエシュ・ゴヴィンダラージャン氏は、Einstein GPTが効率、最適化、商機を生み出すことを目指した生成AIであると述べています。Einstein GPTは、Salesforce独自のAIモデルとSalesforce Data Cloudの信頼性の高いデータを、OpenAIをはじめとするパートナーエコシステムの生成AI技術と組み合わせることにより、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスをリアルタイムに提供します。

例えば、営業担当者には顧客に送るパーソナライズされたメールを、カスタマーサービス担当者には顧客からの問い合わせに迅速に対応するための回答を、マーケターにはキャンペーンの反応率を上げるためのターゲットを絞ったコンテンツを、そして開発者には自動生成されたコードなど、Einstein GPTでさまざまなコンテンツを生成することが可能になります。

1. 職場に特化した生成AI

ビジネスにおける潜在的な用途は無限にあり、職場で利用する場合は特定分野に絞られることが優位性となります。

2. Salesforce製品との統合

公開されているデータとCRMのデータを合わせて使うことで、生成AIが生み出すエクスペリエンスが強化されます。さらに、数百万人のSalesforceユーザーがEinstein GPTを使うことで、モデルは学習を深め、精度が向上します。

3.  専門知識と経験

SalesforceはAIシステムを大規模に、かつユーザーの同意と信頼を得て開発してきた実績があり、これまでの経験を基に次のステップに進むことが自然な流れです。

参考文献:日経

Duolingoの事例

Duolingoという言語学習アプリでは、GPT-4を活用して新しい学習体験を提供する「Duolingo Max」を導入しました。Duolingo Maxは、「Explain My Answer」と「Roleplay」という2つの新機能を特徴としています。GPT-4の導入により、ユーザーはロールプレイ機能を通じて仮想キャラクターと会話を練習でき、実践的な言語スキルを向上させます。また、学習者が質問に対して得た答えの理由を詳細に説明する機能も搭載され、理解を深めるサポートが強化されています。さらに、Duolingoは新しいコースコンテンツの生成を計画しており、GPT-4はその効率を大幅に向上させると期待されています。

参考:Duolingo公式

Octopus Energyの事例

Octopus Energyは、AI技術を活用して顧客サービスの効率と品質を大幅に向上させています。CEOのグレッグ・ジャクソン氏によると、AIは250人分の業務を担い、顧客満足度が80%に達しています。AIは主に顧客のメール対応を行い、人間の従業員がより重要な業務に集中できるよう支援しています。この技術の導入により、Octopus Energyは効率的で高品質なサービスを提供し続けることが可能となり、業務全体の生産性を向上させています。

参考:A Company Has Used ChatGPT To Replace 250 Employees“, CHATGPT FOR SEARCH ENGINES

Comdesk Lead アウトバウンドコールシステム(CTI)の事例

アウトバウンドコールシステム(CTI)を提供するComdesk Leadは、電話商談の自動要約機能を提供するためにChatGPTを導入しました。この機能は、IP回線や携帯回線の通話を自動で文字起こしし、要約するものです。ユーザーは、「文章形式」か「箇条書き形式」を選択して要約を確認できます。この要約機能により、管理工数が削減され、客観的に顧客との会話内容を把握できるようになります。また、報告書やメールの作成にかかる時間も短縮されます。Comdesk Lead アウトバウンドコールシステム(CTI)は、AI技術を活用して業務効率を向上させる取り組みを進めています。

ChatGPTの開発遍歴

事例を見て、ChatGPTの活用への理解が深まったところで、本セクションでは、OpenAIのChatGPT開発の歴史を順に見ていきます。

GPT-1 (2018年6月):

オープンAIの最初のモデルで、文脈を理解し、次の単語を予測するタスクに重点を置きました。この時期は主に研究機関や大学での利用が中心でした。

GPT-2 (2019年2月):

大規模なデータセットでトレーニングされ、文書生成能力が向上しました。当初は商業利用が制限されていましたが、後に解禁され、企業がプロトタイプや社内ツールでの実験を開始しました。

GPT-3 (2020年6月):

1750億のパラメータを持つ大規模モデルとして登場し、対話型AIの基盤として広く利用されました。企業はこれを活用して、カスタマーサポート、コンテンツ生成、データ分析などの幅広い分野で試験導入を始めました。

ChatGPT (2021年11月):

GPT-3を基にした対話特化型モデルとしてリリースされ、様々な業務に応用されるようになりました。多くの企業がカスタマーサポートチャットボットや自動応答システムとして導入しました。

ChatGPT-4 (2023年3月):

GPT-3.5の改良版で、さらなる精度と多言語対応を実現しました。大企業や多国籍企業が国際市場向けに導入し、グローバルな顧客対応を強化しました。

ChatGPT-4 Turbo (2023年11月):

GPT-4の高速版として登場し、リアルタイムの応答とデータ分析に優れています。金融業界や医療業界など、即時性が求められる業務での利用が進んでいます。

ChatGPT-4o (2024年):

業務特化型モデルで、セキュリティ強化と業界固有のデータ対応が特徴です。特に金融、法務、医療分野での高度な業務自動化に役立っています。

このように、ChatGPTは各バージョンごとに性能や用途が拡張され、様々な業務分野での利用が進んでいます。企業や民間では、各バージョンの特性に応じて様々な応用が試みられ、業務効率化やコスト削減、顧客満足度の向上を実現しています。

ChatGPT-4 vs. ChatGPT-4o

ChatGPT-4oとChatGPT-4の違いをもう少し深掘りしてみていきましょう。
今回は、10項目を用いて比較してみました。

下図:ChatGPT-4oで作成

機能・特徴ChatGPT-4ChatGPT-4o
用途高度な汎用対話型AI特定業務向けに最適化された対話型AI
カスタマイズ限定的業務ニーズに合わせた高度なカスタマイズ可能
セキュリティ基本的なセキュリティ機能強化されたセキュリティ機能
応答精度高精度業界固有のデータを学習し、さらに高精度
多言語対応ありあり
統合性基本的な統合機能既存システムとのシームレスな統合が容易
データ分析リアルタイム分析対応リアルタイム分析と予測分析に優れる
予測分析限定的AIを用いた高度な予測分析が可能
自動化一部対応データ分析やレポート作成の自動化対応
ユーザーインサイト一般的なインサイト提供個々の担当者や部門に最適化されたインサイト提供
ChatGPT-4oとChatGPT-4の比較表

ChatGPT-4oは、現在無料版でも限定的に使用することができます。ぜひ、活用してみてください!

ChatGPTを業務に取り入れるメリット

ChatGPTを業務に取り入れるメリットを紹介します。メリットは主に3点あります。

  • 業務効率化
  • コスト削減
  • 顧客満足度の向上

1. 業務効率化

ChatGPTは、ルーティン作業の自動化を通じて業務効率を大幅に向上させます。例えば、顧客サポートの問い合わせ対応やデータ入力のプロセスを迅速に処理し、従業員がより戦略的な業務に集中できるようにします。また、自然言語処理技術を活用して、メールの応答やレポート作成を自動化することで、時間とリソースの節約を実現します。さらに、24時間体制のカスタマーサポートが可能になり、夜間や休日でも顧客対応がスムーズに行われます。

2. コスト削減

ChatGPTの自動化機能により、人件費や運用コストが大幅に削減されます。例えば、従来は多くの人手を必要としたカスタマーサポート業務が、AIの導入により効率化され、追加の人員を必要としなくなります。また、業務プロセスの効率化により、無駄なコストを削減し、資源を最適に配分することができます。これにより、企業全体の経費削減が実現され、収益性が向上します。

3. 顧客満足度の向上

ChatGPTは、迅速かつ正確な対応を可能にし、顧客満足度を向上させます。パーソナライズされたサービスを提供することで、顧客のニーズに即応し、信頼関係を強化します。例えば、顧客の過去の購入履歴や問い合わせ履歴を基に、最適な商品やサービスを提案することができます。さらに、24時間体制のサポートにより、顧客がいつでも問題を解決できる環境を提供し、リピート顧客の増加を促進します。

次に、具体的にChatGPTをどのように業務で使用できるかみていきましょう。

ビジネスシーンにおけるChatGPTの使い方

  • カスタマーサービス:企業はGPTを使って顧客からの問い合わせに迅速に対応し、効率的に顧客データを追跡しています。これにより、顧客満足度を向上させるとともに、サポートスタッフの負担を軽減しています。
  • 外部コミュニケーション:GPTを利用してソーシャルメディア投稿、ブログ記事、マーケティングメールなどのコンテンツを生成します。これにより、小規模企業でも質の高いマーケティング素材を迅速に作成でき、ブランドのオンラインプレゼンスを強化しています。
  • コーディングサポート:プログラミングにおけるロジックの修正や異なる言語間でのコード変換を支援します。開発者はプロジェクトでの行き詰まりを解消し、効率的にコーディングを進めることができます。
  • 事務作業の自動化:GPTを活用してデータ入力やメール管理などのルーチンワークを自動化します。これにより、従業員はより重要な業務に集中でき、全体の業務効率が向上します。
  • メール作成:カスタマイズされたメールの作成を支援します。これにより、営業担当者はターゲットに合わせた効果的なコミュニケーションを迅速に行うことができます。
  • コピーライティング:SEOに最適化されたコピーを作成するためにGPTを使用します。これにより、コンテンツ制作の時間を30-40%削減しながら、検索エンジンでの露出を高めます。
  • プレゼンテーション作成:GPTを利用して高品質なプレゼンテーション資料を迅速に作成します。これにより、マーケティングや顧客対応のための資料作成が効率化されます。
  • キーワードリサーチ:SEO活動やコンテンツ最適化のためにキーワードリサーチを行います。GPTを使用することで、効果的なキーワード戦略を迅速に策定できます。
  • ミーティング管理:ミーティングの要約を行い、リモートワーカーに情報を提供します。これにより、チーム全体が最新情報を共有しやすくなり、業務効率が向上します。

ChatGPTの導入手順

  1. ニーズの分析 (1〜2週間):

目的や業務ニーズを明確にする。部門ごとのヒアリングを実施し、具体的な要件を洗い出します。

  1. ソリューションの選定 (2〜3週間):

市場調査を行い、最適なソリューションを選定。ベンダーとの打ち合わせやデモンストレーションを実施。

  1. 内部承認 (2〜4週間):

経営層や関係部署の承認を得るための資料作成とプレゼンテーションを実施し、決裁プロセスを経て導入を正式に決定します。

  1. カスタマイズと設定 (3〜4週間):

業務フローに合わせたカスタマイズを実施。必要なAPI連携やデータインポートを行います。

  1. トレーニングとテスト (2〜3週間):

従業員へのトレーニングを実施し、システムの動作確認とテストを行います。不具合の修正や最終調整を行います。

  1. 本番稼働 (1週間):

最終確認後、システムを本番環境で稼働。導入後も継続的なサポートとメンテナンスを行います。

導入に当たっての注意点

ChatGpt導入にあたっての注意点があるため、紹介します。注意すべき点は主に4点あります。

  • セキュリティとプライバシー
  • 従業員のスキル向上
  • 継続的なモニタリングと評価
  • カスタマイズとアップデート

1. セキュリティとプライバシー

顧客データや企業情報のセキュリティを確保するため、適切なデータ保護対策を講じます。データの取り扱いには、プライバシーポリシーに基づいた対応が必要です。

2. 従業員のスキル向上

新しいシステムに対応するため、従業員に対する適切なトレーニングを提供します。ChatGPTの機能を最大限に活用するためには、従業員のスキル向上が不可欠です。

3. 継続的なモニタリングと評価

ChatGPTのパフォーマンスを定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行います。定期的な評価を通じて、システムの改善点を見つけ出し、最適化を図ります。

4. カスタマイズとアップデート

企業のニーズや市場の変化に対応するため、ChatGPTのカスタマイズやアップデートを継続的に行います。最新の技術を取り入れることで、常に最適なパフォーマンスを維持します。

最後に

ChatGPTを含む生成AIはこれからも進化し続けると期待されています。将来のバージョンでは、さらに高度な自然言語理解能力や多言語対応が強化され、より精度の高い業務支援が可能となるでしょう。また、AI倫理とセキュリティの分野での進展により、信頼性と安全性が向上し、企業におけるAIの採用がますます拡大すると考えられます。業界固有のデータに基づく高度な分析や予測機能の強化も進むと予想され、ビジネスインサイトの提供が一層充実するでしょう。

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この記事を書いた著者 Kaede

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