はじめに
近年、人工知能(AI)の進化は目覚ましく、さまざまな分野で革新的な変化をもたらしています。特にクリエイティブ業界においては、AIの導入によって新たな表現方法や制作プロセスが生まれ、これまでにないクリエイティブな可能性が広がっています。本記事では、動画生成AIや音源生成AI、画像生成AI、テキスト生成AIなど、最新のクリエイティブ関連のAIツールを取り上げ、その機能や特徴、実際の利用事例について詳しく解説します。
動画生成AI
Kling
Kling(クリング)は、中国の快手科技有限公司(クアイショウ)が開発した動画生成AIで、テキストプロンプトから高品質な動画を生成します。
3つの特徴
- Soraの2倍の生成時間:最大2分間の30fps、1080pの動画が作成可能
- 他のAIモデルとは異なる技術的アプローチ:独自の大規模言語モデル「Large Vision Language Model (LVLM)」をベースにし、3D時空間アテンションシステムと拡散トランスフォーマーを組み合わせている
- 細かな物理法則の再現:独自の3D時空間アテンションシステムにより、複雑な動きや物の相互作用をより正確に再現。
料金体系
Klingの料金体系はまだ不明です。利用をするには、中国の携帯番号を所有していることが条件となります。番号取得後に、快手アプリをダウンロードし、利用申請をすることができます。
活用例
Runway
3つの特徴
- Multi Motion Brush機能:画面内の特定の箇所をブラシでこするように塗りつぶすことで、その範囲だけに動き(Motion)をつけることができる機能
- 高品質のリップシンク:遠方の人物の口元だけを正確に動かしたり、横顔の状態にある人物の口元を動かすことが可能
- エンタメやメディア向けのカスタムバージョン
料金体系
活用例
Multi Motion Brushの凄さがわかる動画:
Luma Dream Machine
3つの特徴
Dream Machineは2024年6月12日にリリースされており、高品質な動画生成をするAIです。出力される動画は、120フレーム(24fps x 5秒)であり、Klingに比べると短めではあります。
- アクセシビリティ:誰でも無料でスマホから利用可能
- Text-to-video, image-to-videoが可能
- キーフレーム機能:動画の始点と終点の2枚の画像をアップロードし、その間をAIが補完して動画を生成する機能
料金体系
活用例
キーフレーム機能を活用した動画はこちら:
ミュージックビデオにも使用されるほどのクオリティです。
音源生成AI
SunoAI
SunoAIはプロンプト一つで音楽を生成してくれるAIです。本格的な音楽が生成でき、日本語を含めた多様な言語の音楽の生成も可能となっております。
3つの特徴
- ビデオ形式での出力:Spotifyのような歌詞を表示しているビデオをダウンロードすることができる
- 月10曲まで無料で生成可能
- 高品質な作詞作曲:AIによって生成された音楽であることを疑うレベルのクオリティ
料金体系
活用例
私が実際に作曲したものはこちら:
https://suno.com/song/70363cad-d15f-4a32-b7cb-4aed9f5cde7e
こちらの指定したメロディに合わせて作曲も可能。
高速ラップもお手のもの
Udio
UdioもSunoAIと同様、音楽生成AIであり、多くのAIアーティストからの支持を受けております。
3つの特徴
- 無料プランで商用利用可能
- 最大15分までの長尺音楽を作れる
- 日本語のプロンプトに沿った高品質な音楽を生成できる
料金体系
活用例
https://www.udio.com/songs/6HWe4WEhjJzDSe1tvmKjjA
https://www.udio.com/songs/1guiJstbJk3SFzYJRP6AuG
https://www.udio.com/songs/aGiQSY3mpkgKLKqRYAwiwL
最後に:クリエイティブ分野におけるAIの未来
AIがクリエイティブプロセスに与える影響
AIはクリエイティブプロセスにおいて大きな変革をもたらしています。従来の手作業による編集や制作の時間を大幅に短縮し、効率化を実現します。また、AIは膨大なデータを解析し、新しいインスピレーションやアイデアを提供することで、クリエイターの創造力をサポートします。これにより、クリエイターはより多くの時間を発想や戦略に費やすことが可能になります。
クリエイティブ業界でのAIの役割と可能性
クリエイティブ業界において、AIの役割は日増しに重要性を増しています。動画生成、音楽制作、画像編集、テキスト生成など、さまざまな分野でAIが活用されており、効率化と品質向上が図られています。AIはまた、個別のニーズに応じたパーソナライズドコンテンツの生成にも適しており、マーケティングや広告分野での新たな可能性を広げています。将来的には、AIはより高度なクリエイティブ作業を担い、私たち人間と協力しながら創造的なプロジェクトを実現することが期待されています。
クリエイティブAIの倫理的課題と考慮すべき点
クリエイティブAIの普及に伴い、倫理的な課題も浮上しています。著作権やプライバシーの問題はその一例です。AIが生成したコンテンツの所有権や、他の作品からの模倣の問題は解決すべき重要な課題です。また、AIによる偏見や差別のリスクも考慮する必要があります。公平性と透明性を確保するために、AIの開発と運用には厳格なガイドラインと規制が求められます。さらに、人間のクリエイティブな仕事がAIによって奪われる懸念もあり、AIと共存する新たな働き方の模索が必要です。
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