
電話対応の現場では、「知っている人だけが分かる情報」や「経験者の勘」に頼った業務が増えていきがちです。
その結果、引き継ぎに時間がかかったり、対応品質にばらつきが出たりすることも少なくありません。
こうした属人化の課題を解消する考え方として注目されているのが、CTIを活用するナレッジフローです。
本記事では、ナレッジフローの基本的な考え方とともに、CTIがどのように情報共有と業務効率化を実現するのか解説します。
目次
ナレッジフローとは?
ナレッジフローとは、個人が持っている知識・経験・ノウハウが組織の中で滞ることなく流れ、共有・活用されていく状態を指します。
たとえば、顧客対応の履歴や成功した対応方法が記録として残り、別の担当者が同じケースに直面したときにすぐ参照できる状態であれば、ナレッジフローを活用できているといえます。
「この対応はあの人しか分からない」「前回どう対応したか記録が残っていない」という状況からの脱却を目指すことがポイントです。
知識が生まれ、蓄積され、必要な場面で使われ、また更新されるサイクルを構築していきましょう。
CTIがナレッジフローを改善できる理由

CTIがナレッジフローの改善に強い理由は、「人が意識しなくてもナレッジが残ること」「共有される仕組みがあること」にあります。
CTIを導入すると、誰が・いつ・誰と・どんな内容で通話したのかが自動的に記録されます。
通話録音・文字起こし・対応履歴が蓄積され、後から誰でも確認できる状態になるのがポイントです。「分かる人に聞く」という属人的なやり方から、「見れば分かる」という組織的な情報共有へと変わっていきます。
CTIを活用したナレッジフローの具体例

ナレッジフローの重要性を理解していても、「実際の現場ではどう回っているのか」がイメージできなければ、導入後の姿は描きにくいものです。
ここでは、コールセンター・インサイドセールス・カスタマーサポートなどの現場別に、CTIを活用することでナレッジがどのように蓄積されていくのか具体的に紹介します。
コールセンターでの活用例
コールセンターでは、オペレーターの通話内容をすべて録音・履歴として蓄積します。
問い合わせ内容や対応結果が自動的に残るため、「どんな質問が多いのか」「どの説明で顧客が納得しているのか」が後から見えるようになります。これにより、よくある問い合わせやクレーム対応のパターンを整理し、ナレッジとして共有できることがメリットです。
また、対応がうまくいった通話をピックアップし、トーク例として共有することも可能です。
新人オペレーターは実際の通話を聞きながら学べるため、マニュアルだけでは身につきにくい言い回しや対応の柔軟さを学ぶきっかけとして活用してもよいでしょう。
「【人材紹介業のテレアポ】アウトバウンドノウハウを紹介」では、具体的な活用法について解説しています。
インサイドセールスでの活用例
インサイドセールスでは、会話の中での小さな反応や言葉が成果を左右します。
たとえば、架電や受電の内容がすべて記録されることにより、「どんな切り口で話すとアポイントにつながりやすいのか」「どのタイミングで課題提起をすると反応が良いのか」を分析しやすくなります。
例えば、投資用マンションの電話営業にCTIを活用し、録音した会話のログを新人教育に活用しています。
結果につながった電話や、うまくアポイントにつなげられた電話の録音を分析し、トークスクリプトとして残すなど、フレキシブルに活用するようになりました。
成果の出ている通話を徹底的に分析・共有することで、個人の経験がチームの共通ナレッジへと変わっていくのです。
出典:導入事例07 – Comdesk Lead (公式) – Comdesk(コムデスク)Comdesk Leadは、IP回線と携帯回線を併用できるアウトバウンドコールシステム(CTI)です。
また、CTIとCRMを連携させれば、通話内容と顧客情報がひもづいて管理されます。
別の担当者が対応する際も、これまでのやり取りや温度感を把握したうえで会話を始められるため、無駄な確認や説明を減らせます。
カスタマーサポートでの活用例
カスタマーサポートでは、顧客一人ひとりの状況や過去のやり取りを正確に把握することが満足度を左右します。
CTIを活用すると、問い合わせの通話内容や対応結果が自動的に記録され、顧客情報とひもづいて管理されます。別の担当者が対応する場合でも過去の経緯をすぐに把握でき、「何度も同じ説明をさせてしまう」といったストレスを減らせるのです。
実際に、CTIを通話のブラッシュアップに活用している事例があります。
新しいスタッフに理想的な通話のやり方を指導するために録音を使ったり、マネジメントの一貫として通話内容をチェックしたりすることで、ノウハウやナレッジを引き継いでいます。
架電数も約2倍になり、ナレッジの共有を確かな実績として昇華させている事例です。
参考:CASE STUDY 「090」発番により、初回架電の通電率が16%から23%へ大幅アップ
CTIでナレッジフローを構築する際のポイント

CTIはナレッジフローに便利なツールですが、「導入すれば自動的にナレッジフローが完成する」というわけではありません。
大切なのは、CTIを「記録するためのツール」で終わらせず、日々の業務の中でナレッジが自然に使われるように設計することです。
ここでは、CTIを活用してナレッジフローをうまく回すために押さえておきたいポイントを解説します。
ナレッジの入力ルールを統一する
CTIでナレッジフローを構築するうえで、まず重要なのがナレッジの入力ルールを統一することです。
どれだけ多くの通話データが蓄積されても、記録の仕方が人によってバラバラでは、後から活用しにくくなるので注意しましょう。
問い合わせ種別・対応結果・次のアクションなどは、あらかじめ選択式や共通フォーマットで入力するようにすると、ナレッジが整理されやすくなります。
また、入力ルールは細かく決めすぎないこともポイントです。
現場の負担が大きくなると、入力が形骸化するリスクがあるので注意しましょう。
「最低限ここだけは必ず残す」という項目を決め、短時間で入力できる設計にすることで、日常業務の中で無理なくナレッジが蓄積されていきます。
ナレッジの質は、記録の量よりも「使いやすさ」で決まります。
入力ルールを統一することで、CTIに蓄積された情報は単なる履歴ではなく、誰でも活用できるナレッジへと変わっていきます。
CRM・SFAとの連携を前提に考える
CTIでナレッジフローを構築する際は、CRMやSFAとの連携を前提に設計しておきましょう。
電話対応の情報だけをCTIの中に閉じてしまうと、ナレッジは一部の業務にしか活かされず、流れが途中で止まってしまいます。
CTIとCRM・SFAを連携させることで、通話履歴や対応内容が顧客情報や案件情報とひもづきます。
「どの顧客が、どんな経緯で、今どの状態にあるのか」を一目で把握できるようになり、対応履歴が点ではなく、時系列のストーリーとして見えるようになります。
また、部門間の情報共有もスムーズになります。
カスタマーサポートで得た顧客の要望や不満を営業が把握したり、営業活動の履歴をサポート担当が確認したりと、部署をまたいだナレッジの循環が生まれるのがメリットです。
部門間連携ツールとしても活用できる便利さが、顧客理解や営業活動まで自然につながる流れになっていきます。
現場が「使いたくなる」設計にする
ナレッジフローを機能させるために欠かせないのが、現場が自然に使いたくなる設計にすることです。
どれだけ優れた仕組みでも、「入力が面倒」「使いどころが分からない」と感じられてしまうと、CTI自体が次第に使われなくなってしまいます。
ポイントは、CTIを「追加の作業」にしないことです。
通話後に特別な操作を求めるのではなく、通話の流れの中で必要な情報が自動的に残り、最小限の入力で完結する設計を意識しましょう。
たとえば、通話終了と同時に履歴が自動作成され、数項目を選択するだけで記録が完了する形であれば現場の負担は大きく増えません。
また、「使うと自分が楽になる」と実感できる仕組みも重要です。
過去の対応履歴をすぐ確認できたり、似たケースの対応例を参照できたりすることで、CTIは単なる管理ツールではなく、現場を助ける道具として認識されるようになります。
ナレッジフローは、仕組みだけでは回りません。現場が前向きに使い続けられる設計こそが、CTIを定着させ、ナレッジを循環させる最大のポイントです。
よくある質問

ここでは、CTIとナレッジフローに関するよくある質問を3つ紹介します。
CTIを導入するとナレッジフローはどのように改善されますか?
CTIを導入すると、「人の頭の中に留まっていた知識が、組織の中を自然に流れ始める状態」へと変わります。
これまで電話対応で得られた気づきは担当者の経験として個人的に蓄積するのに留まっていましたが、CTIによって通話内容や対応履歴が自動的に記録されることで、ナレッジが意識せずとも残るようになります。
結果として、属人化が解消され、対応品質と業務効率の両方が底上げされる。それが、CTI導入によってナレッジフローが改善される本質的な変化です。
ナレッジフロー改善にCTIは必須ですか?
ナレッジフローを改善する手法は数多く存在しますが、電話対応が多い企業・部署であればCTIの活用がおすすめです。
CTIが強いのは、ナレッジフローを「仕組みとして回せる」点にあります。
通話内容や対応履歴が自動で記録されるため、現場の負担を増やさずにナレッジが蓄積されます。「頑張って共有する」のではなく、「業務をしているだけで残る」状態をつくれることがメリットと言えるでしょう。
CTIとCRMを連携するとナレッジフローはどう変わりますか?
CTIとCRMを連携すると、ナレッジフローは「電話対応の記録」から「顧客理解につながる知識の循環」へと進化します。
CTI単体でも通話内容や対応履歴は蓄積されますが、その情報がどの顧客のどんな背景の中で生まれたものか、より深く理解したいシーンは少なくありません。CRMと連携することで、通話の情報が顧客データと結びつき、ナレッジに文脈が生まれます。
さらに、ナレッジが次のアクションにつながることもポイントです。
過去のやり取りを踏まえた提案やフォローが可能になり、対応が場当たり的なものではなく、積み重ねのあるコミュニケーションへと変わっていくでしょう。
まとめ
ナレッジフローとは、個人や現場に属していた知識・経験を組織全体で活用し続けるための「流れ」をつくる考え方です。
特に、電話対応や問い合わせ業務のように属人化しやすい領域では、この流れがあるかどうかで業務品質と効率に大きな差が生まれます。
Comdesk Leadは、ナレッジ活用に役立つCTIシステムです。
社内のノウハウを一元管理したい方や、ナレッジを顧客対応に生かしたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。