電話営業では、トークスクリプトを参考にしながら、顧客対応をすることが多いです。
トークスクリプトの内容次第で、営業活動がスムーズにできたり、効率化できたりするため、十分な内容で作成することが重要です。
今回は、電話業務を効率化するためのトークスクリプトの作り方を紹介します。
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トークスクリプトの主な作り方
トークスクリプトを十分な内容で作る場合、手順に沿って作りましょう。
作成時に意識したいことは、以下のとおりです。
【トークスクリプトの主な作り方】
- ゴールを明確にする
- ニーズやターゲットを明確にする
- ペルソナを考える
- フローチャートを作成する
- ヒアリングする内容を決める
- トークスクリプトの作成
- ロープレをしてトークスクリプトの検証
台本に含めることは、顧客に対する基本的な対応や、商品やサービスの内容についてです。
それらをフローチャートに沿ってまとめることで、内容が充実したトークスクリプトを作成できるようになり、電話営業も効率化します。
ゴールを明確にする
台本を作成する前に、ゴールを明確に決めておきましょう。
事前にゴールを決めておくと、達成するための導線が設定しやすくなります。
この場合、取り扱っている商品やサービス、フェーズによって設定方法が異なります。
具体例を挙げると、以下のとおりです。
【ゴールの種類】
- 無料セミナーやウェビナーへの誘導
- 資料請求
- 訪問営業のアポ獲得
- 商品の受注
- サービスの登録
このように、資料請求やセミナー誘導など、ワンクッション挟んで商談に結び付けることもあれば、電話営業で直接売り込む方法もあります。
これらの目的を明確に決めたうえで、トークスクリプトの作成に移ると、提案内容が不足したり、不十分なヒアリングになったりすることを避けやすいです。
したがって、電話営業を効率化する意味でも、作成する前の段階で明確なゴールを決めておきましょう。
ニーズやターゲットを明確にする
ゴールを決めたら、ニーズやターゲットを設定することも重要です。
それぞれ設定することで、自社の商品やサービスがどのような人に需要があるのかが明確になり、提案や案内に誘導しやすくなります。
ニーズやターゲットを明確にし、設定する場合は以下のことを意識しましょう。
【トークスクリプトのニーズやターゲットの設定方法】
- 顧客リストから設定する
→普段対応することが多い顧客からターゲットを分析 - 競合を調査したうえで設定する
→競合が出している同一のサービスや商品から分析する - 口コミや評判を参考にして設定する
→SNSや口コミサイトから顧客が求めていることを分析する
既に顧客リストがある場合は、年齢や性別などを分析したうえで、明確にしましょう。
この場合、大まかなターゲットの設定は避け、後述するペルソナを考慮したうえで、より明確なターゲット設定をすることが重要です。
ピンポイントでターゲットを設定すると、特定のユーザーに向けた訴求や営業ができるようになり、台本を作成する際の導線作成がしやすくなります。
したがって、充実したトークスクリプトを作成する意味でも、ゴールの設定同様に、ニーズやターゲットの選定には時間をかけましょう。
ペルソナを考える
ニーズとターゲットを決めたら、より顧客の情報を細分化したペルソナを作成しましょう。
ペルソナは、ターゲットを深く分析して設定することで、対象となる顧客像をより具体的にします。
例えば、電話営業システムをBtoBで営業することを想定した場合、以下のようなペルソナが設定できます。
【ペルソナの例(電話営業システムをBtoBで営業する場合)】
- 年齢:35歳
- 性別:男性
- 居住区域:東京都渋谷区
- 最終学歴:早稲田大学経済学部卒
- 職業:営業部部長(担当者)
- 趣味:映画鑑賞・キャンプなどと多角的
なぜペルソナを設定するかというと、より明確に人物像を決めるためです。
営業活動に必要な顧客リストを作成する際、ランダムにリストを作るのではなく、ターゲットを明確にして作成すると、ニーズや需要に合った顧客にアプローチがしやすくなります。
そのペルソナをもとにトークスクリプトを作成することで、顧客に沿った提案内容やフローチャートが作成できます。
ある程度台本が完成したら、実際に設定したペルソナと、実際のニーズやターゲットが合うまで、すり合わせをおこないましょう。
ペルソナを設定するとユーザーがより限定されてしまうため、場合によっては提案内容が顧客に刺さらないことがあります。
このようなことを避ける意味でも、ペルソナの設定は慎重におこなうことが重要です。
フローチャートを作成する
営業の肝となるペルソナとターゲットを明確にしたら、いよいよトークスクリプトの作成に移ります。
最初にすることは、フローチャートの作成です。
トークスクリプトでいうフローチャートとは、電話をかけてからクロージングまでの流れのことを指します。
電話営業の具体例を挙げると、以下のとおりです。
【電話営業で作成するフローチャートの例】
- 挨拶をする
- 架電に好意的かどうか
→YES or NO - 悩みを抱えているかどうか
→YES or NO - 商品やサービスの提案
- 提案に興味があるかどうか
→YES or NO - クロージング
まずは、電話営業の基本の挨拶をします。
挨拶の段階で好意的ではない場合、成約率を上げるという意味では、粘らずに電話を切ったほうが、効率化につながります。
(商品やサービスに興味がある顧客を探したほうが効率的です)
それに、しつこい対応は会社の悪評にもつながる可能性もあるため、あまり推奨しません。
挨拶をして好意的な態度だった場合は、顧客が抱えている悩みや不安をヒアリングします。
ヒアリングをする際は、顧客の悩みを聞き出せるように、台本にいくつか質問パターンを用意しておくとよいでしょう。
そして、顧客が抱えている悩みに応じて商品やサービスの提案をし、提案に興味があるかどうかを判断します。
興味がなければクロージング、深く興味を示した場合は、商品やサービスの詳しい案内をしてクロージングという流れです。
また、電話上で契約する意思を示してきた場合は、契約の案内を送ったり、時間を調整して訪問営業をしたりするなどの対応をし、クロージングします。
このように、フローチャートを決めておくと、顧客に対して適切な案内ができるようになるため、作成するとよいでしょう。
ヒアリングする内容を決める
テレアポでは、一方的に営業をかけるのではなく、顧客の悩みや不安をヒアリングすることが大切です。
商品に興味がある前提で話を進めると、営業にとって有利なヒアリングをすると成約につながりやすくなります。
たとえば、営業電話に関するシステムの営業をかけるとします。
その際、「何か不安や悩みはございませんか?」という漠然としたヒアリングでは、顧客も悩みや不安を打ち明けられません。
そのため、できる限り以下のような具体的なヒアリングをしましょう。
【ヒアリングの内容について(営業電話に関するシステムの営業の場合)】
- 「電話営業でのお悩みはありませんか?」
- 「社員教育の不安などはございませんか?」
このように、商品の説明に直結できるようなヒアリングだと、相手も話しやすいです。
これらの内容を、トークスクリプトにまとめておくことで、効率よく営業ができるようになります。
トークスクリプトの作成
前述した重要なステップを適切に組み合わせてトークスクリプトを作成することで、営業活動がより効果的に行えます。
トークスクリプトには、挨拶・電話の要件、導入トーク、サービスの概要・導入メリット、詳細なヒアリング、日程のアポ取り、などに沿った内容を盛り込みましょう。
また、「受付突破・ヒアリング時・商品説明」などの個別の要素に焦点を当て、それぞれのパートに分けてシナリオを構築することも求められます。
同時に、トークスクリプトはあくまでガイドであるため、基本の流れに沿いながらも、顧客によってパーソナライズされた柔軟なコミュニケーションを図りましょう。
ロープレをしてトークスクリプトの検証
ロープレとは、チーム内で営業者と顧客役に分かれ会話のシュミレーションを行うことで、トークスクリプトの有効性を検証することです。
これにより、新人の営業担当者が自然なトークスキルを磨けるだけでなく、顧客側の目線からトークスクリプトの課題を見つけ事前に改善することが出来ます。
作成されたトークスクリプトを実際に使用する前には、積極的にロープレを行いましょう。
トークスクリプトを作成する際の注意点
成約率が高い社員が作成する
トークスクリプトの作成は、営業における成約率が高い社員に依頼すると良いでしょう。
なぜなら、こうした営業経験が豊富な担当者は、営業トークの展開方法だけでなく、失敗パターン、さらには顧客そのものを熟知しています。
そのため、お客様の動向・発言や現場で必要とされる会話アプローチを思い起こし、現実的で効果的なトークスクリプトを作成することができます。
こうした社員の持つ知識を活用し、実践的で効果的なトークスクリプトを作成することをおすすめします。
ゴールや目的を明確に描く
目的ごとにトークスクリプトを作成することで、顧客との対話における明確なゴールに向かって効率的に対話を進めることが出来ます。
例えば、受付突破の場合では、顧客の興味や関心を引き出すことが最優先に掲げられます。
アポ取りの目的があれば、顧客のニーズや課題を詳細にヒアリングし、サービスの概要を紹介するだけでなく、面談やデモンストレーションの日程取り決めを目指したアプローチが必要です。
このように、各目的に則したトークスクリプトを作成することで、対話の進行や質問の最適化が可能となります。
トーク分岐を明確に描く
トーク分岐とは、特定の質問に対する顧客の応答に基づき、次のステップや内容を柔軟に調整するアプローチです。
トーク分岐ではよりパーソナライズされた対話を図ることが出来ますが、質問に基づく分岐点の数を出来るだけ絞り、明確化することが重要です。
なぜなら、顧客の回答に対する分岐が増えすぎると、最適な対応を迅速に判断することが難しくなるからです。
会話フローがスムーズで分かりやすいトークスクリプトを目指すために、顧客がどのような回答を返しても適切な対話を継続できるものにしましょう。
録音内容やモニタリングをもとにブラッシュアップする
録音内容やモニタリングをもとに、トークスクリプトをブラッシュアップすることは、営業プロセスの向上に繋がります。
録音内容の振り返りでは、営業担当者の対話スキルの把握だけでなく、顧客の反応が良かった・悪かった点を具体的に特定し、トークスクリプトの強化ポイントを見つけることができます。
また、リアルタイムなモニタリングを通じてトークスクリプトの実際の運用状況を把握し、どの部分が効果的か、改善の余地があるかを検証しましょう。
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まとめ
本記事では、電話営業に欠かせないトークスクリプトの作り方に加え、実際に作成する際の注意点についてご紹介しました。
明確化された会話のゴール・ターゲット・ヒアリング内容に基づき、事前に練られたトークスクリプトは、営業活動の成果と効率を上げる上で大きな役割を果たします。
一方で、顧客とのその場でのコミュニケーションでは想定外な応答や質問が投げかけられることもあるので、トークスクリプトに頼り切るのではなく、柔軟に対応できるよう自身のトークスキルを磨くことも大切です。
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