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2024.04.05
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IP電話は通話品質が悪い?原因や携帯回線との比較

#CTI活用 #IP電話 #ツール比較 #通話品質 #通話録音

はじめに

企業において最適な通信インフラ選びは大切です。IP電話の導入を検討してみたけれど、「IP電話は、通話品質が悪い為、携帯回線と連動する弊社のCTI(電話システム)サービスに乗り換えたい。」というお客様の声を頂くことが多いと実感しています。

そこで、本記事では、IP電話の通話品質が悪いと言われる原因や、当社が提供している携帯回線と比較した際のポイントについてご紹介します。現在IP電話を利用していて課題を感じている方や導入するべき電話システムを比較検討中の方は是非参考にしてください。

IP電話の仕組み

まず知っておきたいのはIP電話の仕組みです。簡単にいうとIP電話は、インターネットを使って電話ができるサービスです。これがどうやって動くかを押さえておきましょう。

  1. 声をデジタルに変える: 最初に、話す声を電気のシグナルに変えます。それから、その電気のシグナルをデジタルの情報に変えます。これをやってくれるのがVoIPゲートウェイという機械です。VoIPゲートウェイは、異なる通信プロトコルやネットワーク間で音声通信を仲介する装置です。従来の電話回線とIPネットワークを接続し、アナログ電話信号をデジタル信号に変換して送信したり、逆にデジタル音声をアナログ電話信号に変換して公衆交換電話網に接続します。VoIPゲートウェイは、VoIP通信を可能にする上で重要な役割を果たしています。
  2. ネットワークを使って声を送る: そのデジタルの声の情報は、インターネットのネットワークを通って相手のところに届けられます。つまり、ネットワークが電話をつなぐのに役立ちます。
  3. 相手が聞けるようにする: 相手のところに届いたデジタルの声の情報を、また元の電気のシグナルに変換します。これを相手のVoIPゲートウェイがやってくれます。
  4. 受話器から声が聞こえるようにする: 最後に、その電気のシグナルを受話器やスマートフォンで聞こえる声に変換します。これで電話ができるようになります。
  5. 通信を制御する: 通話を始めたり、終わったりするためには、SIPという技術を使います。これは通話の流れを管理するためのものです。データをパケット化して送信する際に必要な制御を行うためのプロトコルであり、相手のIPアドレスやポート番号・セッションを確保し、発着信や切断などの操作を可能にします。

つまり、IP電話では声をデジタルに変えて、インターネットを通して相手に送り、相手のところで元に戻して受話器から聞こえるようにします。これによって、インターネットの普及によってどこでも電話ができるようになったということです。

IP電話の通話品質が悪くなる原因

IP電話の通話品質が悪いと、お客様との大事なオンライン商談中や電話営業の際に音声が途切れ途切れになり相手が言っている事が掴めず、スムーズな会話が出来ないなどの問題が生じてしまいます。では、なぜIP電話の通話品質は悪くなる時があるのでしょうか。以下にその原因を説明します。

  • 無線LAN(Wi-Fi)や環境に障害がある
  • 社内や大型マンションでの大容量のデータ通信
  • インターネットの通信渋滞/速度

無線LAN(Wi-Fi)や環境に障害がある

無線LAN(Wi-Fi)を使用したIP電話では、障害物による電波の妨害や複数のアクセスポイントの影響により、通話品質が低下します。特に、ルーターやアクセスポイントとの距離が遠い場所や遮蔽物がある場所では、通話品質の低下が顕著となります。このような問題を解決するためには、より強力な無線LAN機器を導入したり、アクセスポイントの配置を最適化したりする必要があります。また、可能であれば有線接続を検討することも通話品質向上に役立ちます。

社内や大型マンションでの大容量のデータ通信

オフィスや大型マンションでは、インターネット回線が複数の通信を同時に処理した場合、通話品質に影響が出ることがあります。大容量のデータ通信が重なると、音声が途切れたり音質が悪化したりする可能性が高くなります。特に、オフィスでは大容量ファイルの送受信に加え、Web会議などがネットワークへの負荷を大きくする要因になります。このような場合、ネットワークの帯域幅を拡張することや、品質の優先度を設定することで通話品質の向上が期待できます。また、QoS(Quality of Service)技術を使用して、音声通話に優先的に帯域幅を割り当てることも効果的です。Web会議中のカメラオフなども即効性のある対策です。

インターネットの通信渋滞/速度

IP電話では、音声情報をパケットデータに変換し、相手先へ送信する前に再構築しますが、この変換と再構築のプロセスは、インターネットの速度に大きく依存しています。高速回線ではデータ処理が迅速に行われるため、音声の分割や再構築がスムーズに行われますが、低速回線では処理に時間がかかり、音声の遅延や途切れ、音質の劣化が発生する可能性があります。と同時に、インターネット回線の混雑状況も音声品質に影響を与えます。

多くの人が同時にインターネットに接続している時間帯は、問題が生じやすくなります。重要な電話を行う際には、始業の直後などの時間帯を避けるなどの工夫が必要になってきます。

関連記事:音声品質が悪いとテレアポの成約率が落ちる理由|解決策についても解説

IP電話の通話品質クラス

IP電話には通話品質に応じて以下の3つのクラスが存在します:

  1. Aクラス:
    • Aクラスは、通話品質が固定電話と同等であるとされる。
    • つまり、非常に高い音声品質が期待されます。音声はクリアで、ノイズやエコーがほとんどない状態。
    • このクラスのIP電話は、重要なビジネス通話やプレゼンテーションなどの高品質なコミュニケーションに適している。
  2. Bクラス:
    • Bクラスは、一般的な携帯電話と同等またはそれに近い音声品質を持ちます。
    • 通話中には少量のノイズやエコーが発生することがありますが、一般的な通話に支障がない程度。
    • このクラスのIP電話は、一般的なビジネス通話や一般的な個人の使用に適している。
  3. Cクラス:
    • Cクラスは、AクラスとBクラスよりも低い音声品質を持ちます。
    • 通話中にはかなりのノイズやエコーが発生し、音声の聞き取りが困難になる場合あり。
    • このクラスのIP電話は、音声品質が重要でない非常に一般的な使用に適している。

これらのクラス分けは、通話品質に関する基準を理解し、使用状況に応じて適切なIP電話サービスの選択するのに役立ちます。

参考:また、総務省では、各クラスを以下のように定義しているようです。

品質基準ABC
R値(ノイズ・エコー・遅延)>80>70>50
MOS値(評価者による音質評価)>4.0>3.1>2.6
遅延値<100ms<150ms<400ms

R値(総合音声伝送品質)はノイズ、エコー、遅延などを客観的に計測した数値で、最高値は100で、>80でAクラス、>70でBクラス、>50でCクラスとされる。一方、MOS値は複数の評価者が音声品質を5段階で評価した数値で、最高値は平均5で、>4.0でAクラス、>3.1でBクラス、>2.6でCクラスとされる。

IP電話サービスの比較ポイント

IP電話サービスを比較検討するポイントを解説します。主なポイントは7点あります。

  • 通話品質
  • 料金体系
  • 利用環境・外部システム連係
  • 付与される電話番号
  • 発信制限
  • サポート体制
  • IP電話とクラウドPBXの違い

通話品質

詳細は、前述の通りですが、以前はB~Cクラスに該当するサービスが多く「IP電話は音声品質が悪い」と言われた時代があったものの、現在は改善が進みAクラスに該当するサービスも増えています。導入時は念のため通話品質クラスを確認し、業務に耐えうるかどうかチェックしましょう。

料金体系

低コストが売りのIP電話サービスですが、どのように運用しても安価とは限りません。また、表面上は安価に見えても、通信量に応じて割高となるケースもあります。サービス提供会社に、日当たりの利用時間や人数などをベースにコスト試算を行ってもらい、実際にどれだけの初期費用や月額料金が発生するか試算してもらいましょう。

利用環境・外部システム連係

すでに複数のITサービスやツールを利用している場合は、既存のシステムと連係可能かどうかも重要です。カスタマイズ性やAPIなどの装備生に優れたサービスの方が業務をより効率化しやすいため、連係可能な外部システムを事前に確認しましょう。

付与される電話番号

050番号を使ったIP電話は、IP電話同士であれば通話料が24時間無料など通信コストの削減のメリットがあり、個人事業主や法人で利用されています。一方で、IP電話は一般的な電話と違い発信できない番号があるなど、デメリットもあります。

通信機能に特化したIP電話の多くは050番号しか利用できません。050番号は安価なものの、03などの地域番号に比較すれば信頼性が弱い電話番号で、ビジネスを展開するうえで不利となる可能性があります。会社の電話番号として050を利用している企業は少なく、あまり認知されていません。そのため、特にBtoCにおいては050番号から着信があると不信に思う方も少なくないでしょう。

高額な重要取引などの場合は携帯番号の方が認識がされやく信頼されやすいことも事実で、Comdesk Leadの携帯回線をご利用のお客様はつながり率(通電率)・折り返し率が平均20%UP向上しています。

発信制限

IP電話を除くひかり電話は、発信に制限があります。アプリ内でのIP電話も同じアプリ外とは通話できません。また、050番号を使うIP電話には、110番(警察への緊急通報)や119番(消防・救急への緊急通報)など、特定の番号への発信ができません。利用できない緊急ダイヤルの一覧は以下の通りです。

  • 110:警察への緊急通報
  • 119:消防・救急への緊急通報
  • 118:海上事件・事故の緊急通報
  • 177:天気予報
  • 117:時報
  • 115:電報の申し込み
  • 113:設定・トラブルサポート
  • 144:迷惑電話お断り
  • 0570:ナビダイヤル

サポート体制

インターネット回線を用いるIP電話サービスは、通信障害が発生すれば利用不可能となるため、サポート体制が重要です。サポートの対応時間、電話やメールなどの問い合わせ方法、疑問点や要望を相談できる窓口体制などをチェックしましょう。

IP電話とクラウドPBXの違い

混同して語られることも多いIP電話とクラウドPBXは、仕組み、電話番号、通話品質がそれぞれ違います。

仕組み

IP電話は「インターネット回線を通じて通話を行う電話サービス」なのに対し、クラウドPBXは「電話機同士の内線・外線を制御するPBXをクラウド化したサービス」で、クラウドPBXサービスの多くがIP電話機能も提供しています。

IP電話だけでは単純な1対1の通話しかできませんが、クラウドPBXが加わると電話交換システムの役割を担うので、物理的なハードウェアやインフラへの設備投資と保守・メンテナンスの必要性がなくなります。

通話品質

050番号によるIP電話サービスは、コストを重視して通話品質を下げているケースが多く、業務利用の際にトラブルや生産性低下を引き起こしかねません。クラウドPBXは品質基準が厳しい固定電話番号に適用しているため、通話品質が向上しています。このように、音声品質や利用できる番号など、複数の点でクラウドPBXが勝っており、1ユーザーからでも利用できるため、ビジネス利用を目的とした通信手段をお求めであれば、クラウドPBXを検討される企業様が増えています。

携帯回線との比較

携帯回線は、携帯電話の通信システムにおいて、電話やデータ通信を行うための基盤となる回線です。携帯電話の基地局からの電波を利用して通信を行います。この回線を利用することで、携帯電話端末は音声通話やデータ通信を行うことができます。

携帯回線は、通信事業者が提供する携帯電話サービスの中核を成す要素の一つです。携帯電話端末が基地局との間で通信を行う際に利用され、基地局間の通信や通信媒体としての役割を果たし、移動中や屋外での通信も比較的快適です。

関連記事:【2024年7月最新】IP回線とは?固定電話、IP回線、携帯回線の特徴とメリットを徹底解説

Comdesk Leadと一般的なコールシステム(CTI)

Comdesk Leadは国内で唯一携帯回線と連動((株)Widsley 特許取得済 )できるサービスを提供しています。架電効率アップの期待ができるUX/UIを提供しており、業務時間と携帯回線を利用した「かけ放題」プランで通話コストを大幅に削減できるCTIです:
●発信番号の自由切り替え
 携帯電番号、0ABJ、フリーダイヤルでの発信をボタン一つで切り替え可能です。
●全通話録音
 携帯電話、IP電話双方の通話を全て録音可能です。
 携帯電話で出先やご自宅から発信、着信した場合も録音がされます。

●070/080/090番号が利用でき、受電者にとって0120/050/03番号よりもなじみ深い為、電話営業の際などにも、繋がり率・相手からの電話折り返し率がアップするメリットもあります。

www.comdesk.com

Comdesk LeadはPBXを内包したコールシステム(CTI)

CTIはComputer Telephony Integration(コンピューター テレフォニー インテグレーション)の略で、コンピューターと電話を統合する技術またはそのシステムを指していますが、Comdesk Lead(コムデスク)は、電話(PBX)と顧客管理(CRM)ソフトや営業支援ツール(SFA)などを統合し、着信時に情報を表示したり、顧客管理ソフトや営業支援ツールから直接発信したりすることができます。

声や音を認識する音声認識AIへの影響

音声認識のAIは、まず音声をデータ化し、ノイズなどを取り除く信号処理を行います。その後、音素の特定、単語への変換、文章化といった処理を行いますが、これらの処理は従来の統計モデルからAIモデルに移行し、大規模なデータ学習により高い精度が実現されています。近年では、これらの処理を1つのAIモデルで完結させる試みも行われています。この技術の向上により、音声認識はますます一般的になり、機械と人の共存が進むことが期待されます。

人は騒音がある環境下でも、相手の声を集中すればなんとか聞き取ることができますし、対面であれば相手の身振り素ぶりからある程度相手の言いたかったことなどを予測することが可能です。しかし、音声認識AIは波形データを分析して単語を抽出するため、音声が途切れてしまったり、雑音等で波形が乱れると正確な結果が得られません。ノイズキャンセリングや音声前処理技術などの活用により、ノイズ対策の強化が進められていますがノイズ完璧にを取り除いたり、そもそも収集できなかった音声データを予測して生成したりすることは不可能ですが、良質な音源の確保は正しい出力に欠かせないのが現状です。よって、クリアな音声の確保は音声認識AIにとって重要なポイントになります。

関連記事:【通話の音声解析】電話営業における活用法やメリットを解説

コールシステム(CTI)Comdesk Leadの特徴

コールシステム(CTI)Comdesk Leadの特徴を紹介します。主な特徴は4つです。

携帯回線連動で特許を取得
行動量の最大化
行録音・文字起こし・音声解析でトークスキルの向上
レポート機能で定量評価/分析が可能

携帯回線連動で特許を取得

 国内通話かけ放題でお使いいただけるため、通話料も大幅に圧縮できます。
 他コールシステムではあり得ない「携帯番号発信」も選択可能です。​​​

行動量の最大化

 1クリックで電話発信が可能。
 オートコール機能も搭載しており、架電数が2倍以上に向上します。

録音・文字起こし・音声解析でトークスキルの向上

全通話自動録音で会話内容の振り返りができ、メンバーのスキルアップが可能です。
新人メンバーが入ってきた際の研修にも活用できます。

レポート機能で定量評価/分析が可能

誰がどれくらい成果を出しているのか、を定量的に分析可能です。
アポイント数だけでなく、担当接続率や受付ブロック率なども細かく確認できます。

関連記事:【2024年7月最新】Comdesk CTIツール|口コミ・評判と料金・特徴を解説


まとめ

本記事では、IP電話の通話品質が悪くなる原因や、携帯回線と比較した際の違いについてご紹介しました。もちろん、IP電話には多くのメリットも存在しますが、電話システムである以上、通話品質が悪いと導入後も業務中に様々な障害が出てしまいます。そして何より、本来人間が伝えたかったことがなるべく残るようにしたいというのが当社の思いです。AIは便利ですが生身の人と人コミュニケーションには敵いません。なるべくその誤差をなくしたいというのが当社の思いです。

コールシステム(CTI )Comdesk Lead(コムデスク)の紹介動画

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この記事を書いた著者 林楽騏

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