2024.04.16
人材紹介業

【後編】人材紹介業の「内定承諾率」を上げるポイントについて解説

Comdesk Lead(コムデスク)のコールシステム(CTI)をご利用のお客様の中には、人材紹介、人材派遣、求人広告などの人材ビジネスの企業様が多数いらっしゃいます。その中でも、「内定承諾率の向上」にご活用いただくケースも多くあります。

弊社では、Comdesk Lead(コムデスク)を使った指標改善のご提案をしています。

人材紹介事業の売上の方程式

人材紹介事業の売上は「求職者の数」×「内定承諾率」で決まります。

他の指標も存在しますが、本質的に売り上げに貢献しているのはこの二つの指標です。よって、これらの指標のどちらかが悪い状態が続く限り、人材紹介事業で売上を伸ばすことは不可能です。

内定承諾率の重要性

現在は、スカウト媒体やIndeedといった比較的簡単に集客ができる仕組みが出てきましたが、それでもなお求職者の集客は難しいという現状があり中小規模の人材紹介会社ほど「求職者の数」ではなく「内定承諾率」を改善してください。

日本の労働人口は毎年減り続けており、ここ数年で有効求人倍率は2倍以上、求職者は複数の人材紹介会社の中から自分にあった人材紹介会社だけを選ぶ時代になりました。

人材紹介業界の国内市場規模は2029年に7,866億円に達する見込みで、求職者を取り扱う人材紹介会社は毎月新たに300社以上も増え続けており市場の競争は激化しています。限られた求職者を多くの人材紹介会社が取り合っている状態です。

ランキング企業名国内マーケットシェア
1位リクルート12.98%
2位日研トータルソーシング8.79%
3位パーソルキャリア6.67%
4位マイナビ5.35%
5位トライト4.54%
6位ランスタッド3.99%
7位ジェイ エイ シー リクルートメント3.95%
8位スタッフサービス3.66%
その他50.08%
合計100%
人材紹介業界のAIによる推定マーケットシェアランキング

上記、ランキング表が示す通り上位は大手が独占しています。加えて、人手不足が深刻になる業界・業種むけの求人ブランドを立ち上げ、ますます競争が激化する見込みです。

求人応募数と内定承諾率の関係

それでは内定承諾率を向上させるにはどうすれば良いのでしょうか。

結論からお伝えすると、承諾率を向上させる一番簡単な方法は求人応募数を増やすことです。

クラウド求人データベースAgent Bankの調査によると、求職者一人あたりの求人応募数が1つの場合、承諾率は7%と低い水準にあります。しかし、求職者一人あたりの求人応募数が7つ以上ある場合は30%に上昇します。つまり、応募数が増えれば増えるほど、内定承諾率が高まる傾向にあります。このことは売上にも直結しており、承諾率が3倍以上になれば、売上も3倍以上になる可能性があります。

しかしながら、求職者の数を増やすことはアンコントローラブルかつ複雑な変数がつきまとい、容易ではありませんし、実際、中小人材紹介会社の実質的な承諾率は2%〜5%だと言われています。それではどうすれば良いのでしょうか?

中小人材会社が大手と戦うための差別化ポイント【求人応募数を増やすには?】

求職者への価値提供で差別化を図る

中小の人材紹介会社が大手と差別化するための一つの手段は、「顧客への価値提供」です。大手企業では、1日の新規面談数がKPIとして設定され、求職者への面談時間が限られています。このため、求職者への提案は決まった質問を行い、効率的に求人を提案することが主流です。

よって、中小エージェントでは例えば、求職者と複数回にわたる面談を実施し、個々の求職者を徹底的にサポートすることも戦略の一つになり得ます。なぜなら、このようなアプローチは大手企業では難しく、求職者にとって大きな差別化ポイントとなるからです。求職者は、自身のニーズに合わせたキャリアアドバイスを受け、その価値に感動し、口コミで新たな転職希望者を紹介するようになります。このように、中小の人材紹介会社は口コミによる集客を活用し、顧客への価値提供を通じて差別化を図ることが出来るのです。

専門型エージェントを目指す

専門型エージェントとして運営することは、中小規模の事業者にとって重要なメリットを提供します。なぜなら、大手企業との違いの一つにノウハウの量における差が挙げられますが、中小エージェントでも取り扱う分野を限定することで、その分野におけるノウハウのキャッチアップが早くなります。

さらに、自社の事業領域を専門化することで、情報発信の際もターゲットやメッセージなどの方向性を絞り込むことができます。例えば、バイリンガル人材などに特化すると、一般的な人材事業よりも、企業と求職者のマッチング効率も高まりやすくなります。このように、中小規模のエージェントでも、専門性に特化したブランディングを展開することで、競争力を獲得することができます。

リソースを集中すべき業務を明確化させる

近年、人材業界には数多くのソリューションサービスが存在し、企業はそれらを駆使しながらどこにリソースを集中させるかを慎重に選定しています。前述した「求職者への価値提供」を重視する場合は、求職者のニーズや適性に合った求人を的確にマッチングすることが出来る、求人データベースサービスを活用すると良いでしょう。また、スカウトメールの効率化など求職者接点の最大化を図るために、集客代行サービスを利用する企業も増えています。これらのサービスを活用することで、中小エージェントは限られたリソースを効果的に活用し、顧客満足度を向上させることができます。

さらに、リソースを集中すべき業務を明確化させることで、業務効率の向上を図ることができます。例えば、特定の業務を外部にアウトソーシングすることで、自社の専門性を高めつつ、コストを削減することが可能です。また、自社の強みや戦略に応じてリソースを適切に配分することで、競争力を維持しながら成長を遂げることができます。

キャリアコンサルタントができること

キャリアカウンセリング

キャリアカウンセリングは、転職や就職を検討する際に、個人の「職業的適性」と「スキル適正」を明らかにし、自己理解を深めるプロセスです。候補者がこれまでの経験・スキルを整理し、自分自身を客観的に見つめ直す機会となります。

候補者やクライアントとのコミュニケーションが不十分だと、お互いの期待やニーズが明確になりにくく、結果として入社決定が難しくなる可能性があります。早い段階でギャップを埋めることができれば、後々の問題を最小限に抑えることができ、内定承諾率も高まります。

リレーションシップ構築

キャリアコンサルタントにとって、リレーションシップ構築は重要なスキルです。優れたアドバイザーは、単なるアドバイス提供者ではなく、クライアントや求職者との信頼関係を築きながら、彼らのニーズや目標に合った解決策を共に探求します。

この関係構築には、求職者の気持ちや要望に真摯に耳を傾けることが不可欠で、適切なコミュニケーション頻度が必要になってきます。

コミュニケーション

就職や転職は人生の重要な局面であり、その過程での不安や疑問は避けられません。特に内定後の心理的なプレッシャーは、候補者が辞退する可能性を生じさせることがあります。したがって、キャリアコンサルタントは内定者に対し。フェーズごとに適切なフォローアップとカウンセリングを提供することが必要です。

上図)乱高下する求職者の心理状態。選考が進むにつれ心理状態がネガティブになることも


キャリアカウンセリングにおける求職者の志望動機の重要性

キャリアコンサルタントが行うキャリアカウンセリングにおいて、求職者の志望動機を聞き出すことは、非常に重要です。以下で、その理由を解説します。

ミスマッチの防止

求職者の本当の志望動機を理解することで、応募先企業とのミスマッチを防ぎます。求職者が自らの志望動機に合った職場環境や仕事内容を求めることで、長期的な雇用関係の構築が可能となります。

適切なキャリアアドバイスの提供

求職者の志望動機を把握することで、キャリアコンサルタントはより適切なキャリアアドバイスを提供することができます。求職者が自身の目標に向かって適切なキャリアパスを選択できるよう支援します。

効果的な就職支援

求職者の志望動機を明確に把握することで、適切な求人案件や企業を紹介することが可能となります。これにより、求職者が自らのキャリア目標に合った職場を見つける手助けを行います。

面接での振る舞いや答え方、自己PRの方法などについて指導を行い、求職者が面接で自己を効果的にアピールできるようサポートします。

信頼関係の構築

求職者が自身の志望動機を正直に伝えることで、キャリアコンサルタントとの信頼関係が築かれます。これにより、求職者はよりオープンに自身のキャリアに関する悩みや目標を相談しやすくなります。

職場満足度の向上

求職者が自らの志望動機に合った職場環境や仕事内容を見つけることで、職場満足度が向上します。これは、労働生産性や組織の持続可能性にも影響を与えます。

求職者の志望動機を正確に把握することは、キャリアコンサルタントの業務において不可欠な要素であり、より良いキャリア支援を行うための基盤となります。

求職者の志望動機を引き出し、内定承諾率を上げるキャリアコンサルタントの面談方法

上記では、求職者の志望動機を聞きだすことの重要性を紹介しました。では、実際にどのようにして求職者の志望動機を聞き出すことが出来るでしょうか?それには、いくつかの面談方法があります。

最適な求人の提案

求職者に最適な求人を提案することは、信頼を築く上で不可欠です。キャリアコンサルタントの役割は、求職者や企業との信頼関係を築くことにあります。信頼関係がなければ、求職者は本当の志望動機を語ることをためらい、企業側も紹介された人材に信頼を置かないでしょう。

求職者は転職支援を通じて自分のキャリアを進めたいと考えており、その過程で求人を適切に提示されることを期待しています。求職者の要望を無視した求人提案は、求職者にとって大きな失望となります。求職者が興味を持つ求人を提案することで、応募意欲が高まり、志望動機などに関わる本音を話しやすくなります。

将来のキャリアパスについてヒアリングする

キャリアコンサルタントは、求職者が目指すキャリアパスを確認することが重要です。

多くの場合、求職者は中長期的なキャリアイメージを持っていないことがあります。そのため、キャリアパスに関する質問をする際には、短期的な目標から始めて徐々に展望を広げることが効果的です。

例えば、「次の職場でどんなことがしたいですか?」「将来的に習得したいスキルはありますか?」など、具体的な質問を通じて求職者の志向を探ります。ただし、求職者が不快に感じないように、質問のリズムやテンポに配慮し、答えられない場合はフォローアップすることも大切です。

積極的な傾聴

面談の際、求職者は緊張や過去の経験から、本音を打ち明けるのに時間がかかることがあります。そのため、コンサルタントの問いかけに対して沈黙が続くこともあるでしょう。

しかし、そうした場面で急かしたり催促したりするのではなく、求職者に十分な時間と空間を与え、自分の思いや感情を話すための余裕を持たせることが重要です。積極的な傾聴を通じて、求職者の声に耳を傾け、彼らが自分自身を表現できるようサポートすることが大切です。

共感と注意深い傾聴を重視することで、求職者が自分の気持ちを打ち明けやすい環境を作り出し、より意味のある生産的な対話を促すことができます。

フェーズ別キャリアカウンセリングにおける具体的なコミュニケーションポイントは、下記の通りです。

  1. 初回面談時:
    • 無理に情報を引き出そうとせず、求職者が自然に話せる環境を提供する。
    • 求職者の興味や価値観を理解するために、オープンな質問を用いて対話を促す。
    • 求職者の経歴やスキル、キャリアの目標などを明確に把握するために、積極的にリスニングし、適切なフィードバックを提供する。
  2. 求人提案時:
    • 求職者のニーズや希望に合った求人を提案するために、前回の面談での情報を活用する。
    • 提案された求人に関する詳細な情報を提供し、求職者の疑問や不安を解消する。
    • 求職者のフィードバックを受け入れ、提案を調整する柔軟性を持つ。
  3. 推薦完了時:
    • 推薦された求人について、求職者とのコミュニケーションを通じて確認し、了解を得る。
    • 推薦プロセスの進捗状況や必要な手続きについて、求職者を適切に案内する。
    • 求職者の心理的なサポートを提供し、不安や疑問を解消する。
  4. 面接対策時:
    • 面接の予想される内容や質問形式について、求職者を準備させる。
    • 求職者の強みや成功体験を強調し、自信を持って面接に臨むようにサポートする。
    • フィードバックを通じて、面接の改善点や課題を共有し、効果的な対策を提案する。

各フェーズでのコミュニケーションは、求職者との信頼関係を構築し、彼らのニーズや目標に合ったサポートを提供することが重要です。

内定承諾率の向上をアシストできるComdesk Leadの機能

相手がが心を開き営業か聞きたいことを語ってくれるように準備することはとても大事です。トップカウンセラーほど、アプローチ、ヒヤリング、プレゼン、反論処理、クロージングなど、カウンセリングプロセスの各段階で役立つ、効果的なトークを数パターン持っています。

顔の見えない相手との会話は声のトーンや話す速度など様々な特徴に注意を払う必要があります。

携帯回線による音質・国産最高峰AIを標準搭載したComdesk Lead携帯録音エディションは、話者の声から音響的特徴(音声の周波数、声量、声質、発話速度、など、に関する特徴量)を抽出し、トーク分析に役立つ数値を出力します。 

「トップカウンセラーはなぜ内定承諾率が高いのか?」を見える化し、学びを深める機能が搭載されています。

人材紹介企業のカウンセリング業務を助ける「通話内容の文字起こし・要約」機能

録音された通話を分析することで、求職者のニーズや要望をより正確に把握し、より適切な提案やアドバイスを提供することができます。

人材紹介企業の「話し方」を助ける「AI解析」機能

改善点や評価ポイントが曖昧だとトークはうまくなりません。

TOPキャリアコンサルタントの話し方の様々な要素を数値化して参考にしたり、データに基づいた改善を可能にします。

TOPキャリアコンサルタントの話し方を学びそれぞれのフェーズで意識していることを型化することでトークが格段に向上します。

■本記事の前編
【前編】人材紹介業の「面談実施率」が低い理由

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この記事を書いた著者 Kaede

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