2024.06.12
VOC(顧客の声)

VOC・データマイニング4つの手法|ポイントや事例も解説

#VOC分析 #エンゲージメント強化 #セールスイネーブルメント #顧客インサイト

近年のネットワーク技術の進歩により、企業は膨大なデータを管理するようになりました。そして、それらのデータをビジネス上の機会や課題解決に効果的に役立てるために、「データマイニング」への注目がますます集まっています。

そこで本記事では、データマイニングとは何か、データマイニングの実施手順や代表的な手法、実施する上で重要なポイント、実際の活用事例についてご紹介するので、興味のある方は是非参考にしてください。

データマイニングとは?

データマイニングは、大規模なデータセットから統計分析、機械学習、パターン認識、人工知能などの手法を組み合わせて収集された情報のなかから傾向や関連性を見出す分析手法です。データマイニングでは、データの規則性や傾向を発見することが出来るため、売上予測や仮設立案・検証など、膨大なデータをビジネスに活かすことが可能となります。

データマイニングで出来ること

データマイニングでできることはいくつかあります。ここでは主に3つを紹介します。

  • データ予測
  • データの分類
  • データ間の関係性の特定

データ予測

データマイニングを行うことで、データと出来事の関係性を発見し、その関連性に基づいて未来の出来事を予測することが可能です。たとえば、「多くの購入が見込まれる商品の予測」などがその一例です。商品データや顧客の個人データなどを分析することで、「購入する確率が高い顧客」「その商品が多く購入されそうな時期」「今後人気が集まりそうな商品」などを予測することができるのです。

データの分類

データマイニングによって、条件を設定して分類を行うことが可能です。たとえば、「商品に興味がある顧客」「興味がない顧客」などのグループに分けることができます。

さらに、興味がある顧客をさらに特定の特徴で分類することもできます。このようなグループ分けは、マーケティング戦略の構築に役立ちます。

データ間の関係性の特定

データマイニングを行うことで、これまで見逃していた「データの関連性」を発見することが可能です。例えば、同じ時期に売れる商品が複数存在する場合、これらの商品のデータを分析することで、「それぞれの商品に共通する要因」「季節的な影響の有無」などを明確にすることができます

このような知見は、マーケティング課題の解決に幅広く活用されています。小売業では、顧客データや購買履歴を分析して効果的なキャンペーンを立案したり、製品やサービスの改善や設備機器の最適化に活かしたりすることがあります。活用範囲は多岐にわたりますが、データマイニングによって得られた情報はビジネス上の意思決定に貢献します。

データマイニングを実施する手順

データマイニングのプロセスは、まず目的を確定し、次にデータを収集し、加工し、最後に分析するという4つのステップで構成されます。

  1. 目的の確定:データマイニングを行う際に追求するテーマや目的を決定します。この段階では、何を調査したいのかを明確にします。
  2. データの収集:目的に合致したデータを大量に集めます。たとえば、コールセンターの場合、顧客との通話履歴やヒアリングを通して判明する顧客の個人情報を収集します。
  3. データの加工:収集したデータを分析しやすい形式に整えるための作業を行います。これには、データのクレンジング(データの整理や欠損値の補完など)が含まれます。
  4. データの分析:さまざまな手法やアルゴリズムを用いてデータを分析し、目的に沿った洞察やパターンを発見します。この段階では、データの探索的な視覚化や統計的手法、機械学習アルゴリズムなどが活用されます。

データマイニングの代表的な手法

データマイニングの代表的な活用方法についていくつか紹介いたします。主な活用方法は4つあります。

  • マーケット・バスケット分析
  • クラスタリング
  • ABC分析
  • ロジスティック回帰分析

マーケット・バスケット分析

マーケット・バスケット分析は、一緒に購入される商品を調査する手法です。この手法を用いると、ある商品を購入した顧客が他にどのような商品を購入しているかを特定することができます。これは、見た目上関連性がなさそうな商品であっても、実際には一緒に購入されることがあるからです。この情報を活用して、クロスセルやアップセルのための商品提案を考えることができます。

クラスタリング

クラスタリングは、類似した特性を持つデータをグループにまとめる手法です。例えば、顧客の年齢やなどの個人情報から、特定の年齢層の顧客が商品を購入する可能性が高いか、または、どの時間帯にコンタクトすると顧客が商品を購入する可能性が高いかを把握するのに役立ちます。そして、クラスタリングの結果をグラフや表で視覚化することで、戦略策定の議論を促進することがあります。

ABC分析

ABC分析は、売れる商品と売れない商品を区別する手法です。過去の売り上げデータを基に、商品をAからCまでのランクに分類します。この手法は、店舗がどの商品を優先的に扱うべきかを決定するのに役立ちます。売り上げの高いAランクの在庫を充実させる一方で、Cランクの商品は売り上げが低いため在庫を減らすといった判断ができます。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、さまざまな要因から、「はい」か「いいえ」のどちらの結果が生じるかを予測する手法です。たとえば、顧客の年齢や過去の購買履歴などの要素から、その顧客が商品を購入するかどうかを予測することができます。具体的には、特定の顧客が商品を購入する確率や問い合わせの解決率を予測することが可能です。

この予測は、コールセンターの効率化や顧客満足度向上に貢献します。つまり、ロジスティック回帰分析は、コールセンターがより良いサービスを提供するための重要なツールとなります。

データマイニングを実施する上で重要なポイント

データマイニングを実施する上で重要なポイントは何でしょうか。データマイニング活用において、重要な点は主に3点あります。

  • データウェアハウス(DWH)の準備
  • ツールの比較検討
  • データクレンジングをする

データウェアハウス(DWH)の準備

データマイニングは、大量のデータから価値のある情報を抽出するプロセスです。そのために役立つのがDWH(Data Warehouse)です。DWHは、大容量のデータをAIが分析しやすい形式で整理し、保管することができます。また、データのセキュリティも確保するための機能が備わっています。データマイニングを開始する際には、DWHの導入を検討することが重要です。

ツールの比較検討

データマイニングには多岐にわたる知識や技術が必要ですが、その複雑さを軽減するためには、専用のデータマイニングツールを利用することが推奨されます。ただし、選択肢は多岐にわたりますので、自社の目的に最適なツールを選定することが肝要です。そのためには、データマイニングの目的や求める情報を明確に把握し、適切なツールを選定する必要があります。使いやすさも重要なポイントであり、試用期間を設けてツールを評価することも有効です。

データクレンジングをする

データマイニングに使用されるデータには、誤りや欠落などの問題が存在することがあります。また、データの形式が統一されていない場合もあります。このような使用できないデータを、整える作業を「データクレンジング」と呼びます。データクレンジングは、手作業が必要になる場合もあります。時間と労力がかかるため、データクレンジングを実行する人を見つけ、作業がスムーズに進むように準備することが重要です。

データマイニングの活用事例

データマイニングを実際に活用した事例について知りたいもいらっしゃるかと思います。そこで、活用事例をいくつか紹介いたします。主に6点あります。

  • 小売業
  • 教育業
  • 通信販売業
  • 顧客ニーズの把握と新サービスの開発
  • プロジェクトマネジメントの最適化
  • 長期的なクライアント関係の構築

小売業

小売業において、ABC分析はよく用いられるデータマイニング手法です。この手法では、売上やコスト、在庫などを多い順にグループ分けし、優先順位を付けます。

小売業でABC分析を活用することで、効率的な管理が可能となり、在庫の発注などの作業をスムーズに行うことができます。さらに、優先順位の高い項目に資金を重点的に投入することで、売上の向上を期待することもできます。

教育業

教育業におけるデータマイニングでは、生徒一人一人のデータを分析し、最適な教育指導を提供します。生徒の得意分野や苦手な分野、成績などのデータを詳細に分析することで、個々に適したカリキュラムを構築することが可能です。

また、生徒の成績を予測することで、苦手意識のある科目への対策も行えます。データマイニングは、通常マーケティングや金融業界などで利用されるイメージがありますが、教育業界でも有効に活用できます。

通信販売業

通信販売企業がコールセンターを利用してお客様と接触する際、電話のかける件数や通話時間、購入商品数などの様々な指標が重要です。通常、コールセンターではこれらの指標を基に、電話をかける順番を決定するため、スタッフが効果的な戦略を検討します。

データマイニングの活用により、過去の対応履歴や繋がりやすい時間帯などを分析し、最適な電話架設順を見つけ出し、オペレーターに割り当てることができます。この分析により、オペレーターがお客様との通話時間を増やし、会話率を向上させる効果が期待されます。

顧客ニーズの把握と新サービスの開発

VOCデータを分析することで、クライアントが求める新しいサービスやソリューションを特定できます。例えば、クライアントが特定の技術や市場トレンドについて関心を示している場合、その分野に特化した新しいコンサルティングサービスを開発することができます。

  • 市場調査を通じて得たクライアントのニーズ
  • クライアントからの提案やリクエスト
  • 業界トレンドに関するフィードバック

プロジェクトマネジメントの最適化

プロジェクトの進行中に定期的にVOCを収集し、リアルタイムでプロジェクトの進行状況やクライアントの満足度を監視します。これにより、プロジェクトの途中で問題点を発見し、迅速に対応することができます。

  • プロジェクト進行中のフィードバック収集
  • プロジェクトステータス報告とクライアントの反応分析
  • 問題発生時の迅速な対応と改善策の実施

長期的なクライアント関係の構築

定期的にVOCデータを収集し、クライアントとの長期的な関係を強化します。クライアントのニーズや期待に応えるために、継続的にサービスを改善し、信頼関係を築くことができます。

  • 定期的なクライアントフィードバックの収集
  • フィードバックに基づくカスタマイズされた提案
  • クライアントとの定期的なミーティングと進捗報告

VOC(Voice of Customer)との関係

VOC(顧客の声)は、顧客のフィードバックを収集し、分析することで顧客のニーズや期待を理解するための手法です。データマイニングを用いることで、VOCデータから有用なインサイトを抽出し、顧客理解を深めることができます。

VOCデータの収集と整理

VOCデータは、コールセンターの通話記録やアンケート結果、ソーシャルメディアのコメントなど、さまざまな形式で存在します。データマイニングを活用することで、これらのデータを統合・整理し、分析しやすい形に整えることができます。

データマイニングによるVOCデータの分析

データマイニング技術を用いてVOCデータを分析することで、顧客のニーズや期待に応えるための戦略を立てることができます。例えば、顧客サポートの通話録音をテキストマイニングして分析することで、顧客の本音や潜在ニーズを把握することができます。

顧客セグメンテーションとパーソナライズドマーケティング

データマイニングを用いてVOCデータから顧客をセグメント(分類)することで、異なる顧客グループのニーズや期待に合わせたカスタマイズされたマーケティング戦略を立てることが可能になります。

感情分析と顧客満足度の向上

VOCデータには、顧客の感情が含まれています。データマイニングの技術を使って感情分析を行うことで、顧客が製品やサービスに対してどのような感情を抱いているかを理解し、ポジティブな体験を提供するための手がかりを得ることができます。

VOCデータからの改善点の抽出

データマイニングにより、VOCデータから特定の改善点を抽出できます。これにより、顧客が直面している問題を早期に発見し、適切な対策を講じることができます。

VOCを活用した顧客の本音を知る

収集したVOCデータを整理し、分析することで顧客の本音を抽出します。以下は、データ整理と分析の主な手法です。

テキストマイニング:テキストデータを分析し、頻出するキーワードやフレーズを特定します。これにより、顧客の関心事や不満点を把握できます。
感情分析:顧客のコメントから感情を分析し、ポジティブな意見とネガティブな意見を分類します。これにより、製品やサービスに対する顧客の感情を理解できます。
クラスタリング:顧客データをグループ分けし、共通の特性を持つ顧客群を特定します。これにより、特定の顧客層に対する適切なマーケティング戦略を立案できます。

携帯での会話の活用

とりわけ社用携帯での会話は、IP回線での通話や対面での会話よりもブラックボックス化しやすく、かつ重要な顧客情報が含まれているケースも多いです。理由は、商談などでの会話は基本的に1対多であり本音が出てきづらいですが、携帯での会話は1対1であり本音が出やすいからです。顧客の本音は、建て前よりもより深層にある潜在的な課題やニーズを含んでいることが多いです。よって、携帯での会話を活用することによって、さらに顧客理解を深化することができるといえます。

携帯でもVOC取得ができるコールシステム(CTI)Comdesk

あらゆるチャネル経由から得られる顧客の声がVOC活用において欠かせません。営業活動のどのシーンにおいても通話データ取得ができるのは携帯回線と連動するComdesk Leadのコールシステム(CTI)のみです。下記にComdesk Seriesの詳細について紹介いたします。

1. Lead・携帯録音Edition -コールシステム(CTI)

弊社のコールシステム(CTI)ソリューションは、電話営業(テレアポ、アウトバウンドコール、インサイドセールス)のオペレーションの最適化を目指して設計されており、営業活動を最大化する環境を提供します。Comdesk LeadのAIによる商談解析機能で上位成績者の架電録音や文字起こしを収集・分析し、成果の出るトークスキル・ノウハウを共有することで、メンバー全体の成果UPに貢献します。

属人営業を解消し後継者育成を容易にすることで、営業プロセスの標準化と一貫性の保持を実現します。以下がそのステップです:

顧客アプローチ&フォロー:効率的なテンプレートを使用して、顧客アプローチとフォローアップのプロセスを標準化し、一貫性とスピードを保ちます。

ヒアリング・顧客理解を深める:全ての営業担当者が顧客から同じレベルの情報を収集・記録できるようにします。これにより、顧客理解が深まり、ニーズに応じたカスタマイズが可能になります。

適切な意思決定を瞬時に:リアルタイムデータと高度な分析ツールを活用して、迅速かつ適切な意思決定を支援します。これにより、チャンスを逃さず、より効果的な営業活動が展開できます。

2. Meeting

こちらのオンラインセールス用のサービスは、対面やオンラインの打ち合わせにて音声の自動録音をし、データ管理することで、ミーティングを戦略的にリードします。透明性あるコミュニケーションが促進されることで、クライアントのとの伴走をよりサポートいたします。

3. Offline Meeting

コミュニケーションをリードするコンサルタント向きのこちらのサービスは、オフラインミーティングにおいて録音と議事録の自動生成が可能で、情報ビジネスに求められる透明性と効率性を担保します。

まとめ

本記事では、データマイニングとは何か、データマイニングの実施手順や代表的な手法、実施する上で重要なポイント、実際の活用事例についてご紹介しました。また、VOC(顧客の声)との関係についても解説しました。データマイニングとVOCの組み合わせは、顧客理解を深め、顧客満足度を向上させるための強力な手法です。データマイニング技術を活用することで、VOCデータから有用なインサイトを抽出し、顧客のニーズや期待に応えるための戦略を立てることが可能になります。

■本記事を読まれた方に人気の記事
AIによる通話の文字起こしで業務効率化!
効率的なアウトバウンド電話営業のためのCTI活用法
成約率がアップする電話営業の「話し方」: AIで自分の話し方を計測して振り返り
電話営業は時代遅れ?最新の電話営業トレンド・成果を出す方法を解説

■コールシステム(CTI)初心者向け完全ガイド
CTIとは?仕組みやメリット、2024年版サービス比較を紹介

この記事を書いた著者 Kaede

Comdesk Leadを
詳しく知る