2024.10.15
営業代行・コールセンター

CX向上と売上アップを実現するコンタクトセンター設計:AIと人間オペレーターの最適な融合とは?

#エンゲージメント強化

コンタクトセンターは、顧客が製品やサービスを選ぶ過程で、電話での直接的な対応を通じて、顧客の疑問に答え、比較検討のサポートを行い、最終的な購入決定に大きな影響を与えています。本記事では、コンタクトセンターの役割や設計のポイント、そしてAIオペレーターと人間オペレーターの効果的な連携について詳しく解説します。コンタクトセンター運営の改善を図り、顧客体験を向上させるとともに、売り上げのアップに繋げたいと考えている方々は、ぜひご一読ください。

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コンタクトセンターは購買の意思決定に関与している

コンタクトセンターは、顧客がサービスを導入した後のアフターサポートやクレーム処理を担当する部門として一般的に見られがちですが、実際には購買の意思決定にも重要な影響を与えています。

というのも、カスタマージャーニーの各段階—検索、比較、検討—において、コンタクトセンターは電話でのサポートを通して、「機能や他社サービスとの具体的な違いを知りたい」といったニーズに応え、購買意思決定に大きく関与しているのです。

実際に、モビルス株式会社が実施した「カスタマーサポートにおけるCX調査2022」によると、回答者の25.5%が購入前の情報収集時に電話サポートを参考にすると回答しており、「やや参考にする(35.2%)」を合わせると、実に60.7%が電話サポートを購買の参考にしています。このデータは、コンタクトセンターが顧客の購買意思決定に大きな影響を与えていることを示しています。

同様に、購入後の行動にも顧客サポートの質が影響を与えることが調査結果から明らかになっています。以上のことから、コンタクトセンターによる顧客サポートが顧客ロイヤリティに与える影響の大きさがうかがえます。

コンタクトセンター運営ではNPSの向上が重要

コンタクトセンターのKPIとして、従来は「応答率」が重視されてきましたが、最近ではNPS(ネットプロモータースコア)が注目されています。NPSは「商品・サービスを友人や同僚にすすめる可能性」を測定し、推奨者と批判者の差で算出されます。

コンタクトセンターにおいてNPSは、現状の把握と今後のサービス改善の指針を提供する重要な指標です。NPSを活用して、サービスの向上に努めることで、商品の認知度を高め、リピーターを増やし、企業の成長を促進することができます。

NPS調査には、ブランド全体の推奨意向を測定する「リレーショナル調査」と、特定の接触点での満足度を測る「タッチポイント調査」の2種類があります。タッチポイント調査は、どの顧客体験がロイヤリティに影響を与えているかを明らかにし、改善策を導き出すために重要です。このように、コンタクトセンターでは、データの収集から改善ポイントの特定、施策の実施に至るまで、顧客体験の全体的な向上が求められます。

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コンタクトセンター設計のポイント

コンタクトセンターの業務設計を効果的に行うには、「目的を明確にする」ことが非常に重要です。目的を明確にする際には、現在のコンタクトセンター運営における状況を整理し、課題を深掘りして理解することが大切です。

例えば、問い合わせが多いからといって単にチャットボットを導入したり、接続率が低いからといって人員を増やしたりする方法では、根本的な解決にはなりません。ここでは、全体のプロセスを見渡し、最適なソリューションを見つけ出すことが必要です。

また、最近のコンタクトセンターでは、人材の採用や育成が難しくなっているため、ITソリューションによる業務効率化が進んでいます。その中で、特にAIオペレーターの導入が注目されています。AIオペレーターは業務の効率化を進めつつ、顧客満足度の向上にも貢献できるため、これからのコンタクトセンターで重要な役割を果たすことが期待されています。

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AIオペレーターがもたらすCXへの影響

AI技術の進化によって、コンタクトセンターの電話対応が劇的に変化しています。AIオペレーターは、迅速な対応が可能で、ルーチン的な問い合わせや基本的な情報提供を効率的に処理することができます。これにより、人間オペレーターの負担が軽減され、コスト削減や業務の効率化が実現しています。結果として、顧客満足度の向上にも寄与しています。

さらに、現代の顧客は問題解決のためにスマートフォンで自分で調べる傾向が強まっており、AIオペレーターはそのサポート役として重要な役割を果たしています。AIオペレーターは、顧客が必要な情報を得る手助けをし、スムーズな問題解決を支援することで、顧客の期待に応えることができます。

しかし、AIオペレーターだけでは十分なサポートを提供できない場合もあり、適切なバランスを取ることが求められます。

AI・人間オペレーターの融合で効果的なコンタクトセンターを実現

AI技術は高頻度の問い合わせやシンプルな問題の処理において非常に有効で、AIオペレーターによる電話サポートには、以下のような多くの利点があります。

  • コスト削減:AIの導入により、運営コストを大幅に削減できます。
  • 迅速な対応:AIは即時対応が可能で、顧客の待ち時間を大幅に短縮します。
  • 応対品質のムラ防止:AIは一定の品質で対応できるため、オペレータ―間での応対のばらつきを防げます。
  • 24時間体制のサポート:AIは24時間365日、休むことなくサポートを提供できます。

しかしながら、AIには対応が難しい複雑な問題や感情的なサポートの不足といった課題も残っています。これに対処するためには、AIオペレーターと人間オペレーターの適切な役割分担が重要です。

人間オペレーターは、AIが処理しきれない複雑な問題や感情に関わるサポートに焦点を当てることで、より効果的な業務運営が可能になります。AIと人間のハイブリッドアプローチを採用することで、顧客の多様なニーズに合わせた、より柔軟で高品質な対応が実現できます。このように人間オペレーターが専門的な知識や強みを活かして対応することで、顧客満足度をさらに向上させることができるのです。

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まとめ

AI技術の進化により、コンタクトセンターの運営は大きく変化しています。AIオペレーターの導入により、迅速で効率的な対応が可能になり、業務のコスト削減や効率化が実現されています。一方で、AIには複雑な問題の解決や感情的なサポートに限界があるため、人間オペレーターの役割も依然として重要です。AIと人間オペレーターの適切な役割分担を行い、AIと人間の強みを活かすことで、コンタクトセンターの効果を最大限に引き出し、CX向上と売り上げアップに繋げましょう。

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この記事を書いた著者 髙橋 弘考

同志社大学在学中に豪州にて起業。卒業後Webマーケ企業の社長室に配属、経営企画に携わる。翌年タイ法人の立ち上げ、現地CEOに就任し、コールセンターやオフショア開発拠点の立ち上げ。2013年より当社設立。初期プロダクト開発責任者。

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