2024.08.08

提案営業とは?手順や導入方法、メリットを解説!

提案営業とは

そもそも提案営業とは何か?曖昧であるという方は多くいらっしゃるかと思います。そこで、以下2つの切り口から提案営業の基本を解説していきます。

  • 提案営業の定義
  • 提案営業とプロダクト営業の違い

提案営業の定義

提案営業とは、顧客課題に対して自社のプロダクトを解決策として提案する営業プロセスのことです。顧客課題を起点として提案を行っていくため、提案営業では以下2つの論点が主な検討内容になるという特徴があります。

  • 顧客が抱えている真の課題は何か?
  • その課題に対していかに自社のプロダクトが役に立つのか?

提案営業は、顧客の課題を発端として提案を行っていくため「顧客の課題起点の営業」と言い換えることもできるかと思います。

提案営業と従来営業の違い

抽象論が続いたため、イメージが湧きづらいかと思いますので、従来までの営業プロセス(プロダクト営業)との対比によって提案営業の解像度を高めていきましょう。

提案営業とプロダクト営業の1番の相違点は、プロダクトの「売り方」にあります。

具体的には、

  • プロダクト営業:プロダクト起点での提案(プロダクトアウト)
  • 提案営業:顧客の課題起点での提案(マーケットイン)

従来までのプロダクト営業では、「商品の説明をするだけ」という売り方でした。一言でいえばプロダクト起点(プロダクトアウト)での売り方だといえます。一方、提案営業ではニーズや課題を引き出し提案を行います。一言でいうと、顧客の課題起点での売り方だといえます。両者の大きな違いは、ソリューションを提案する際の、起点となるところが異なっている点だといえるでしょう。

提案営業の進め方

ここまで、提案営業は顧客の課題起点でプロダクトを提案する営業スタイルであると解説してきましたが、具体的に提案営業はどのようなフローで進めていくのかイメージが湧かない方もいらっしゃるかと思います。そこで提案営業の進め方について以下3stepに分けて解説していきます。

  • 顧客との信頼関係構築
  • 課題ヒアリング
  • 解決策提案/クロージング

顧客との信頼関係構築

step1は顧客との信頼関係構築です。顧客と提案者の間に信頼関係がなければ、顧客は自分の課題や悩みを正直に話すことをためらう可能性があります。いうまでもなく顧客課題とはセンシティブな話題であり信頼のおけない他人に対してオープンに話すような事柄ではないからです。

そのため、信頼関係を構築するために、以下のポイントに注意して提案営業を行っていく必要があります。

  • 顧客のビジネスモデルや市場環境等を理解し、顧客に寄り添う意思を見せる
  • プロアクティブなアプローチで顧客の信頼を得る
  • 誠実さと一貫した行動を取る

提案営業では、顧客課題が軸となって提案を行っていきます。そのため、課題のヒアリングをするための前提となる信頼関係の構築は重要な業務フローであるといえます。

課題ヒアリング

step2は課題ヒアリングです。課題ヒアリングでは、顧客が抱える具体的な問題点やニーズを深掘りし、適切な解決策を提案するための情報収集を行います。注意すべき点は、「顧客の課題を単純に深堀すれば良いわけではない」ということです。顧客の課題とはいくつかの階層に分けられ、深層にいけばいくほど質の良い課題へと進化してきます。

しかし、一般的に顧客は顧客自身でも「潜在からインサイトに至るまでの課題」を認識できていません。そのため、課題ヒアリングではこれらの深層にある顧客課題を掘り起こすことがポイントとなります。

解決策提案/クロージング

step3はいよいよ解決策提案/クロージングです。顧客課題をヒアリングすることができたら、ヒアリングした情報を基に、顧客の課題を解決するための具体的な提案を行います。

  • 具体的な解決策の提示: 顧客の課題に対する具体的な解決策を明示します。ソリューションのメリットや効果を具体的に説明し、顧客に納得してもらうことが重要です。
  • ROIの提示: 提案した解決策がどのように顧客のビジネスに利益をもたらすか、具体的な数値や事例を用いて説明します。ROI(投資対効果)を明確にすることで、顧客にとっての価値を伝えます。
  • クロージングの技術: 提案が顧客にとって最適なものであることを確認したら、契約の締結に向けてクロージングを行います。顧客の不安や疑問に対して適切に対応し、前向きな決断を促します。

解決策提案の際にも、以下のポイントを押さえ、顧客の信頼を勝ち取りましょう。

  • あくまで、自社プロダクトは顧客の課題起点で提案する
  • 課題と自社プロダクトがマッチしない場合、無理に押し売りしない
  • 提案する顧客と同様の課題を持つ企業事例を紹介し、共感度を高める
  • 提案中も顧客に話を振り、営業が一方的に話すのは控える

提案営業のメリット

提案営業を行うことが営業組織としてのパフォーマンス向上に直結するのか?疑問に思っている方のために、提案営業を行うメリットをいくつか紹介いたします。主なメリットは3つです。

  • 成約率向上
  • 長期的な信頼関係の構築
  • 差別化の実現

成約率向上

提案営業では、顧客の課題を深く理解し、それに対する具体的な解決策を提示するため、成約率が高まります。顧客は自社のニーズに合った提案を受け取ることになるため、購入意欲が高まりやすくなります。また、提案内容が具体的であるため、顧客の意思決定が迅速になることも期待できます。このような背景から、提案営業では成約率の向上を見込むことができます。

長期的な信頼関係の構築

提案営業では、単に商品やサービスを売り込むのではなく、顧客のパートナーとして信頼関係を築くことを重視しています。この信頼関係は、顧客が将来的に再度ビジネスを行う際や他のプロジェクトの実施サポートを求める際にも大きな資産となります。長期的な信頼関係は、安定した収益源となり、企業の競争優位性を高めることとなるでしょう。

差別化の実現

提案営業は顧客の課題に特化したソリューションを提供するため、プロダクトによる差別化ではなく、売り方による他社との差別化が可能となります。多くの企業では価格や機能で競争していますが、一方で商材のコモディティ化も加速しているという状況にあります。これに対し提案営業では、顧客のニーズに最適化された提案を行うことで、独自のポジションを築くことができます。

提案営業に求められるスキル

提案営業を導入する際には、提案営業に求められるスキルと現状営業マンが持っているスキルのギャップを特定し、その穴埋めを行う必要があります。そこで、提案営業に求められるスキルを紹介します。

  • ヒアリング力
  • 問題解決力
  • 人当たりの良さ
  • 顧客を理解する力

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力とは、以下の要素を含む対人能力のことです。

  • 論理的思考力
  • ヒアリング力

口頭および書面での優れたコミュニケーション能力は、提案営業の大前提です。顧客の課題やニーズを正確に聞き取り、自社のプロダクトがどのように解決策となるかを顧客との認識の齟齬なしに伝える必要があるからです。相手の話をしっかりと傾聴し、適切な質問を投げかけることで、顧客との信頼関係も築くことができます。

問題解決力

問題解決力とは「目標」と「現状」とのギャップである「問題」の原因を分析し、妥当な解決策を立案する力のことです。提案営業では、顧客課題を発見し、それに対しての解決策を提案します。そのため、課題起点で解決策を模索していくという点が問題解決力と結びついているといえます。

問題解決において意識すべきポイントは以下3つです。

  • MECE(モレなく、ダブりなく)を意識すること
  • 徹底的に問題の原因を深堀すること
  • リソースは有限であるため、課題の優先順位を決めること

人当たりの良さ

人当たりの良さとは、非言語的な特性に基づく対人スキルだといえます。例えば以下の要素が考えられます。

  • 表情
  • 声のトーン
  • 会話の早さ
  • 身振り手振り

人当たりの良さが提案営業において重要な理由は、顧客との信頼関係の構築において人当たりの良さが寄与するからです。人当たりの良さは、初対面でも迅速に信頼関係を築く助けとなります。感じの良い営業担当者は、顧客が心を開きやすくなり、より率直な意見や悩みを共有しやすくなるといえます。これは、顧客の真の課題を理解するための第一歩となります。

顧客を理解する力

顧客を理解する力とは、文字通り顧客自身のことや顧客を取り巻く環境へどれだけ理解を深められるか?を示します。例えば、顧客理解とは以下の項目が当てはまります。

  • 顧客の業界に関する理解
  • 顧客のビジネスモデルへの理解
  • 顧客課題への理解

顧客を理解する力は提案営業において、顧客との信頼関係の構築で役立ちます。顧客は自身についてより理解してくれている人に対して心を開き、本音を打ち明けてくれます。

提案営業のスキルを定着させるために行うべきアクション

  • 営業活動の仕組化
  • Voc分析を活用した顧客理解の深化
  • コア業務に注力するためにノンコア業務を削減

営業活動の仕組化

1点目は、営業活動の仕組化です。営業活動を「仕組み化」することで、属人的な営業がなくなり、全ての営業担当者が一貫して高いパフォーマンスを発揮できるようになります。営業活動を仕組化する際は、「セールスイネーブルメントの実現サイクル」という概念を意識しましょう。

この実現サイクルに基づいた組織作りを行うことで、提案営業のノウハウ共有から教育、成果を出すところまで一貫させることが可能となります。

また営業組織の仕組化(セールスイネーブルメント)を実現させる上では、膨大なデータ活用が必要であるため、ツール導入も不可欠です。セールスイネーブルメントに必要なツールは以下3つが挙げられます。

  • CRM(顧客関係管理)システム
  • CTI(電話営業などのコールシステム)
  • webmeeting(オンライン商談)

■CTIについてさらに詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。

「CTI選定ガイド!選び方~仕組み・9つの選定ポイントを解説 | 比較31選チャート付き」

■CTIとCRMの違いについて詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてください。

「CTIとCRMの違いを解説!導入するメリットとおすすめシステムの紹介」

Voc分析を活用した顧客理解の深化

音声を録音可能な会話は主に以下の3つが考えられます。

  • テレアポやカスタマーサポートなどの会話
  • オンラインmeeting
  • 社用携帯での会話(comdeskのみが可能)
  • テレアポやカスタマーサポートなどでのIP回線での会話

コールシステム(CTI)ツールを導入すると、音声認識システムが会話内容を自動でユーザストーリとしてテキスト化・要約することができます。

さらにcomdeskの場合は、IP回線やmeetingだけでなく、社用携帯での会話も管理し、VOC分析までサポートすることができます。とりわけ社用携帯での会話は、IP回線での通話よりもブラックボックス化しやすく、かつ重要な顧客情報が含まれているケースも多いです。理由は商談などでの会話は基本的に1対多であり本音が出てきづらいですが、携帯での会話は1対1であり本音が出やすいからです。顧客の本音は、建て前よりもより深層にある潜在的な課題やニーズを含んでいることが多いです。

そのため、この領域を管理しストックすることができれば、さらに顧客理解を深化させることが可能となります。

顧客理解の深化は、提案営業において顧客の信頼関係構築に不可欠です。ぜひcomdeskをご検討下さい。

■以下の記事は、通話録音が可能なサービスの紹介記事です。VOC分析に興味のある方はぜひご覧ください。

通話録音はなぜ重要?おすすめサービス15選【通話録音搭載CTI・携帯キャリア提供・スマホアプリ・Web録】

コア業務に注力するためにノンコア業務を削減

3点目は「コア業務に注力するためにノンコア業務を削減」です。ここでのコア業務とは以下を想定しています。

  • 提案営業の準備
  • 顧客課題の深堀
  • 営業組織の仕組化
  • 提案営業の教育

これらのコア業務は提案営業を成功させるために必須の業務ですが、現状としてノンコア業務にかなりの割合を圧迫されてしまっています。(*1)

*1:PR TIMES「「営業 辞めたい、つらい。」6割弱の営業が現在、退職を検討しているという結果に。会社を支える営業職の退職動機に関するアンケート結果発表

そのため、ノンコア業務の削減は重要です。ノンコア業務の中でもとりわけ、議事録作成等のレポート業務は、割合が特に高い業務(*2)であるため、削減によるインパクトが大きいと考えられます。

*2:CANVAS「ビジネスパーソン悩ます”サブ・ノンコア業務”、半数近くが「やりたくない」」

これらの議事録作成の業務負荷を軽減する手段として、音声録音と自動文字起こしが可能なツールの導入が最適であると考えられます。これまで手作業で行っていた議事録作成業務を全て削減できるため、非常に多くの工数を削減することができます。

営業組織の成果を最大化するComdesk Series

Comdesk Series では、営業活動のどのシーンでも”自動で”正確な履歴が残る「ワンストップ管理」のサービスの提供を目標にしております。高品質の音声データを国産最高峰AIで解析することで、透明性と効率性が最大化されます。

1. Lead・携帯録音Edition -コールシステム(CTI)

弊社のコールシステム(CTI)ソリューションは、電話営業(テレアポ、アウトバウンドコール、インサイドセールス)のオペレーションの最適化を目指して設計されており、営業活動を最大化する環境を提供します。Comdesk LeadのAIによる商談解析機能で上位成績者の架電録音や文字起こしを収集・分析し、成果の出るトークスキル・ノウハウを共有することで、メンバー全体の成果UPに貢献します。

属人営業を解消し後継者育成を容易にすることで、営業プロセスの標準化と一貫性の保持を実現します。以下がそのステップです:

顧客アプローチ&フォロー:効率的なテンプレートを使用して、顧客アプローチとフォローアップのプロセスを標準化し、一貫性とスピードを保ちます。

ヒアリング・顧客理解を深める:全ての営業担当者が顧客から同じレベルの情報を収集・記録できるようにします。これにより、顧客理解が深まり、ニーズに応じたカスタマイズが可能になります。

適切な意思決定を瞬時に:リアルタイムデータと高度な分析ツールを活用して、迅速かつ適切な意思決定を支援します。これにより、チャンスを逃さず、より効果的な営業活動が展開できます。

2. Meeting

こちらのオンラインセールス用のサービスは、対面やオンラインの打ち合わせにて音声の自動録音をし、データ管理することで、ミーティングを戦略的にリードします。透明性あるコミュニケーションが促進されることで、クライアントのとの伴走をよりサポートいたします。

3. Offline Meeting

コミュニケーションをリードするコンサルタント向きのこちらのサービスは、オフラインミーティングにおいて録音と議事録の自動生成が可能で、情報ビジネスに求められる透明性と効率性を担保します。

関連記事:【2024年7月最新】Comdesk CTIツール|口コミ・評判と料金・特徴を解説

まとめ

いかがでしたでしょうか。

本記事では、提案営業について解説してきました。提案営業とは、顧客課題に対して自社のプロダクトを解決策として提案する営業プロセスのことです。顧客課題を起点として提案を行っていくため、提案営業では以下2つの論点が主な検討内容になるという特徴があります。

  • 顧客が抱えている真の課題は何か?
  • その課題に対していかに自社のプロダクトが役に立つのか?

また、提案営業へと移行していくに辺り営業組織として行うべきアクションは以下4つです。

  • 営業活動の仕組化
  • 音声解析による人当たりの良さ改善
  • Voc分析を活用した顧客理解の深化
  • コア業務に注力するためにノンコア業務を削減

この記事を書いた著者 林楽騏

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