2024.06.13
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15のKPIを用いたセールスイネーブルメントの成功の測り方/テレアポのKPI例付き

#セールスイネーブルメント #業務改革

目次

はじめに

現代のビジネス環境では、競争力を維持し、持続的な成長を遂げるために、セールスイネーブルメントが不可欠となっています。しかし、セールスイネーブルメントの成功をどのように測るべきかは、多くの企業にとって課題です。ここで重要となるのがKPI(Key Performance Indicators)です。本記事では、セールスイネーブルメントにおいて重要なKPIの選定方法について詳しく解説します。

セールスイネーブルメントとは?

セールスイネーブルメントとは、営業チームが効果的に仕事を遂行するためのプロセスやツール、コンテンツ、トレーニングを提供する取り組みを指します。目標は、営業活動の効率と効果を高め、最終的には売上の向上につなげることです。

KPIの選定基準

KPIは、特定の目標に対する進捗や達成度を測るための指標です。効果的なKPIを選定するためには、以下の軸を考慮することが重要です。

1. ビジネス目標との整合性

KPIは企業の全体目標と一致している必要があります。例えば、売上の成長を目指す場合、リード転換率や売上成長率が適切なKPIとなります。

2. データの信頼性と入手可能性

KPIを追跡するためのデータは信頼性が高く、容易に入手できるものでなければなりません。適切なデータ管理と収集手段を整備することが重要です。

3. 行動の誘発

KPIは具体的な行動を促進するものであるべきです。例えば、トレーニング完了率が低い場合、それを改善するためのトレーニングプログラムの見直しや新しいトレーニングの導入を検討する必要があります。

4. 時間軸の設定

KPIには達成のための具体的な期限が設定されているべきです。短期、中期、長期の目標を明確にし、それぞれの進捗をモニタリングすることで、目標達成に向けた継続的な改善を図ります。

5. SMART基準

KPIはSMART基準(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)を満たす必要があります。具体的で、測定可能で、達成可能で、関連性があり、期限が設定されていることにより、目標達成に向けた明確な道筋を示すことができます。

セールスイネーブルメントにおける主要なKPI

セールスイネーブルメントの効果を測定するために、以下のようなKPIが重要です。

セールストレーニングの効果

トレーニングを完了した営業担当者の割合です。これにより、どれだけの営業チームが提供されたトレーニングを受けているかを測定できます。完了率が高いほど、営業チームが新しい知識やスキルを習得していることを示します。

トレーニング後のパフォーマンス向上率

トレーニングを受けた後の営業担当者のパフォーマンスがどれだけ向上したかを測定します。これは、成約率の向上、営業サイクルの短縮、新規顧客獲得数の増加などで評価されます。具体的な成果を示すために、トレーニング前後のパフォーマンスデータを比較します。

トレーニング満足度

トレーニングを受講した営業担当者の満足度をアンケートで評価します。満足度が高いほど、トレーニング内容が実用的であり、営業チームのニーズに合っていることを示します。満足度のフィードバックを基に、トレーニングプログラムの改善を図ります。

コンテンツ利用率

コンテンツダウンロード数

営業資料やホワイトペーパーなどがどれだけダウンロードされたかを測定します。これにより、営業チームが提供されたコンテンツをどれだけ活用しているかが分かります。ダウンロード数が多いほど、コンテンツの需要が高いことを示します。

コンテンツ使用頻度

営業活動で実際にコンテンツがどれだけ使用されているかを追跡します。これには、営業担当者が顧客とのコミュニケーションで使用した回数や、プレゼンテーションでの利用頻度が含まれます。使用頻度が高いほど、コンテンツが営業活動に役立っていることを示します。

コンテンツ効果

提供されたコンテンツが営業成果にどの程度寄与しているかを評価します。具体的には、コンテンツを使用した商談の成約率や、顧客の反応を測定します。効果が高いコンテンツは、今後の営業活動でも積極的に活用されるべきです。

営業チームのエンゲージメント

営業ツールの利用率

CRMシステムやその他の営業ツールがどれだけ使用されているかを測定します。利用率が高いほど、営業チームが提供されたツールを効果的に活用していることを示します。

営業チームからのフィードバック

営業担当者からのツールやプロセスに関するフィードバックを収集します。フィードバックの質と量を評価し、改善点を特定します。これにより、営業プロセスの改善やツールの最適化が図れます。

エンゲージメントスコア

定期的なアンケートや調査を通じて、営業チームのエンゲージメントを測定します。高いエンゲージメントスコアは、営業チームが仕事に満足し、積極的に取り組んでいることを示します。

セールスプロセスの効率

リード転換率

リードが実際の顧客に転換される割合を測定します。転換率が高いほど、営業チームがリードを効果的にフォローアップし、成約に結びつけていることを示します。

売上成長率

一定期間内の売上の成長率を追跡します。成長率が高いほど、営業活動が成功しており、企業の収益が増加していることを示します。

営業サイクルの短縮率

リードから成約までの時間がどれだけ短縮されたかを測定します。短縮率が高いほど、営業プロセスが効率化され、迅速に成約に至っていることを示します。

顧客満足度

NPS(ネット・プロモーター・スコア)

顧客がどれだけ自社を他人に推薦するかを測る指標です。高いNPSは、顧客が自社の製品やサービスに満足しており、他人に薦める可能性が高いことを示します。

顧客リピート率

既存顧客が再度購入する割合を測定します。リピート率が高いほど、顧客が継続的に自社の製品やサービスを利用していることを示します。

顧客フィードバックの質と量

顧客からのフィードバックの数とその内容を評価します。フィードバックが多く、質が高いほど、顧客が積極的に意見を提供しており、企業がその意見を基に改善を行っていることを示します。

KPI一覧表

No.KPI定義具体例
1トレーニング完了率トレーニングを完了した営業担当者の割合90%の営業担当者が提供されたトレーニングを完了
2トレーニング後のパフォーマンス向上率トレーニング後の営業担当者のパフォーマンスの向上度合いトレーニング後の成約率が20%向上
3トレーニング満足度トレーニングを受講した営業担当者の満足度をアンケートで評価トレーニング受講者の満足度アンケートで平均スコアが4.5/5
4コンテンツダウンロード数営業活動で実際にコンテンツがどれだけ使用されているか新しい営業資料が月に1000回ダウンロードされた
5コンテンツ使用頻度営業活動で実際にコンテンツがどれだけ使用されているか営業チームの80%が毎週の商談で提供されたプレゼンテーション資料を使用
6コンテンツ効果提供されたコンテンツが営業成果にどの程度寄与しているかコンテンツを使用した商談の成約率が15%向上
7営業ツールの利用率CRMシステムやその他の営業ツールの利用頻度営業担当者からのツールやプロセスに関するフィードバックの質と量
8営業チームからのフィードバック営業担当者からのツールやプロセスに関するフィードバックの質と量営業担当者の70%が月次フィードバックセッションに参加し、建設的な意見を提供
9エンゲージメントスコア営業チームのエンゲージメントの測定定期的なアンケートで営業チームのエンゲージメントスコアが8/10
10リード転換率リードが実際の顧客に転換される割合50%のリードが顧客に転換
11売上成長率一定期間内の売上の成長率四半期ごとに売上が10%増加
12営業サイクルの短縮率既存顧客が再度購入する割合営業サイクルが平均45日から30日に短縮
13NPS(ネット・プロモーター・スコア)顧客が自社を他人に推薦する度合いNPSスコアが70
14顧客リピート率既存顧客が再度購入する割合顧客の60%が一年以内に再度購入
15顧客フィードバックの質と量顧客からのフィードバックの数とその内容顧客満足度調査で1000件のフィードバックが集まり、そのうち80%がポジティブな評価を示した

これらのKPIを活用することで、セールスイネーブルメントの効果を正確に測定し、営業活動の改善点を特定することができます。これにより、営業チームのパフォーマンスを最大化し、企業の成長を促進することが可能です。

KPI選定後に実施すること

1. 目標の明確化とKPIの整合性

企業全体の目標に沿ったKPIを設定する。具体的なビジネス目標を明確にし、それに対応するKPIを選定することで、営業チームが目標に向かって一貫して取り組むことができます。

2. データ収集と分析の方法

信頼性の高いデータを収集し、適切な分析を行う。データの一貫性と正確性を保つために標準化されたプロセスを確立し、適切な分析手法を用いてKPIの達成度を評価します。データ分析には、統計的手法やビジュアライゼーションツールを活用します。

3. ツールとソフトウェアの活用

CRM(顧客関係管理)システムやBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを用いることで、データを一元管理し、リアルタイムでの分析が可能となります。例えば、SalesforceやHubSpotなどのCRMツールを利用することで、営業活動の進捗を追跡し、KPIの達成状況を可視化できます。また、TableauやPower BIといったBIツールを活用することで、複雑なデータセットをわかりやすく視覚化し、インサイトを得ることができます。

4. 継続的な改善とフィードバック

KPIの追跡結果を基に、営業プロセスや戦略の継続的な改善を図ります。定期的なフィードバックセッションを開催し、営業チームと経営陣が協力して問題点を特定し、解決策を実施します。このサイクルを繰り返すことで、営業活動の効果を最大化し、企業全体のパフォーマンスを向上させます。

これらのステップを実行することで、KPIを効果的に管理し、セールスイネーブルメントの成功を確実に測定することが可能となります。これにより、営業チームのパフォーマンスを最大化し、企業の成長を促進することができます。

5. 定期的なKPIの見直しと調整

市場やビジネス環境の変化に応じてKPIを見直し、必要に応じて調整する。定期的なレビューを行い、KPIの適切性を評価し、改善点を特定します。これにより、常に現状に即した目標設定が可能となります。

KPIを設けてセールスイネーブルメントを成功させた実例

ある企業では、セールスイネーブルメントの成功を測るために、いくつものKPIを設定していました。
これらのKPIは、各事業部ごとの共通目標に紐付けられており、それをさらに因数分解して詳細に運用しています。具体的には、次のような方法でKPIを活用していました。

1. マーケットシェア

マーケットシェアは、特定の市場における自社のシェアを示す指標です。この企業では、各事業部ごとの市場シェアを定期的に測定し、競合他社との比較を行っています。この情報をもとに、どの事業部が市場シェアの拡大に成功しているかを評価し、戦略の見直しや新しい施策の導入を行っています。

2. 参加率 (Participation Ratio)

参加率は、営業チームがトレーニングやセミナー、ワークショップなどの活動に参加する割合を示す指標です。高い参加率は、営業チームが提供されるリソースやトレーニングを積極的に活用していることを示します。この企業では、参加率を測定し、参加率が低い場合は参加を促進するための施策を講じています。

3. 勝率 (Win/Loss Ratio)

勝率は、商談における勝率を示す指標です。これは営業チームの効果を直接的に示す重要な指標です。企業は、勝率を定期的に評価し、勝率が低い場合はトレーニングや営業戦略の見直しを行います。特に、勝率の高い営業担当者の成功事例を共有し、全体のレベルアップを図るための取り組みが行われています。また、損失率は、商談における失敗の割合を示す指標です。これは、営業チームが直面する課題や問題点を浮き彫りにするために役立ちます。この企業では、損失率を定期的に測定し、損失の原因を特定して改善策を講じることで、営業チームのパフォーマンス向上を図っています。

4. 失注分析

失注分析は、商談が失敗した理由を分析するための指標です。これにより、失注の原因を特定し、それに基づいて改善策を講じることができます。例えば、価格が高すぎる、製品の特徴が顧客のニーズに合っていないなどの要因が明らかになります。この企業では、定期的に失注分析を行い、営業チームにフィードバックを提供し、トレーニングや支援を通じて課題解決を図っています。

KPIを通じた個別支援と底上げ

この企業では、上記のKPIを詳細に分析したことで、目標に達していない店舗や事業部の個別課題を洗い出すことができました。そして、その課題に対して支援を行い、全体のレベルの底上げを実施しています。例えば、特定の店舗で参加率が低い場合、その店舗に対して参加を促進するための具体的なサポートを提供します。

このようにして、セールスイネーブルメントのKPIを活用し、継続的に営業活動の改善を図ることで、企業全体の競争力が高められました。

テレアポにおけるセールスイネーブルメントKPI

架電数

1日あたり、または特定の期間における発信通話数。営業担当者がどれだけ積極的に電話をかけているかを示す基本的な指標です。

接続率(つながり率、通電率)

発信通話数に対する実際に接続した通話数の割合。つながり率や通電率とも呼ばれ、通話の実効性を測るための指標です。

アポイント数

電話営業を通じて設定されたアポイントメントの数。実際に商談の機会をどれだけ生み出しているかを示します。

通話時間

1回の通話に要した時間、または特定期間の通話の総時間。内容・目的によっては、通話時間は長くも短くもなりますので、通話内容の分析が有用です。

音声解析

Comdesk Lead(コムデスク)は同様に音声解析AIや通話録音や文字起こし・要約機能を搭載する他のコールシステム(CTI)やIP電話とは異なり、携帯回線を使用しているため、高い音声品質を誇ります。これにより、AIによって行われる音声認識・音声解析の精度も向上するので、より的確なデータを入手し課題解決のために活用できます

コールシステム(CTI)Comdesk Leadの通話分析ダッシュボード

組織、個人の目標達成に必要な重要行動指標を厳選し、一画面に集約。各組織単位での状況把握ができます。

まとめ

セールスイネーブルメントにおけるKPIの選定と追跡は、営業活動の効果を最大化するために不可欠です。活動における改善点を日々見つけ、KPIを定期的に見直すことで、営業チームのパフォーマンス向上や売上成長に貢献することができます。この記事を通じて、皆様がセールスイネーブルメントを成功させるための具体的な方法やヒントを得られることを願っています。

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この記事を書いた著者 Kaede

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