電話営業における営業リストは、効率的で効果的な営業活動を行うために必要なリストですが、効果的なリストの作成方法やその管理方法が変わってきています。
目次
企業の電話営業の種類
企業の電話営業には、インバウンド(問い合わせ対応)とアウトバウンド(能動的な営業)の2つの主要なアプローチが存在します。ただし、これらの用語は業界によって異なる意味を持つことがあります。アウトバウンドは電話を活用した積極的な営業活動を指し、新規開拓営業と反響営業ではアプローチ方法が異なりますが、コールセンターや営業代行において、どちらも商品の販売を主な目的としています。
アウトバウンドコールの種類
さらに、アウトバウンドコールは大きく分けると、新規顧客開拓を担う営業活動と既存の見込み顧客へのアプローチの2種類に分けられます。新規顧客獲得を担当する営業活動では、通常、未接触のお客様から成る「白地リスト」や電話帳のデータなどを含む架電先リストをベースに、営業電話が行われます。この手法は、テレアポなどで使用されるアプローチに該当します。
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電話営業におけるリストの種類とは?
リストには大きく3つあります。これまで企業との接触がなく、初めてアプローチをかける顧客から成る「白地リスト」。そこへアプローチした結果、レスポンスのあった顧客から成る「ハウスリスト」。「ハウスリスト」の中から成約した「顧客リスト」です。
リストのタイプ | 説明 |
白地リスト | 電話帳、外部データ、求人サイトなど |
ハウスリスト(見込み顧客) | Webサイトから問い合わせや資料請求者など |
顧客リスト | 既存の契約者、購入者など |
それぞれを時系列で表すと、このような関係になります。
電話営業における白地リストの重要性
最終目的は「顧客リスト」を作ることですが、その前段階のプロセスで「白地リスト」から「見込客リスト」を作らねばなりません。ならば、「白地リスト」をどうやって集めればいいのか。重要なのは“見込客になりそうなリストを見つける”ことです。白地の状態からからあなたのアプローチやオファー(提案)に「興味がある」という意思表示をしてもらう。これが質の高い「見込み客リスト」を集めるポイントです。
新しい製品やサービスを市場に認知させる際、それに関連するターゲット市場や顧客セグメントが未知の場合があります。白地の営業リストを作成して、新商品の販売先を特定し、アプローチすることが重要です。
リストの一元管理
白地リストは、営業活動を通じてハウスリストに進化し、その後顧客リストになります。これにより、「どの営業がどの顧客に対してどのようなアプローチを取ったか、また顧客の反応、趣味嗜好はどうだったか」という情報がセグメント別に一元管理されることで、ナーチャリングフェーズから顧客化するまでアプローチのシナリオが描きやすくなります。
また、リストが一元化されることで、進捗状況と各担当者の行動量も可視化され、次に取るべきアクションが迅速に把握でき、チーム全体で連携しやすくなります。
作成時のポイント
白地の営業リスト作成をする際に気をつけたいことには、以下の二点が挙げられます。
- ニーズの高い業界や地域、顧客属性の特定
- 最適な作成・管理方法の選択
ニーズの高い業界や地域、顧客属性の特定
最初に、対象となる顧客のニーズを正確に理解することが不可欠です。商材が求められない層の情報を収集しても成果が上がらず、その後の作業が無駄になる可能性があります。
既存の顧客傾向のデータがあれば、それを分析し抽出することが効果的です。もし営業リスト作成に使用できるデータがない場合は、営業担当者と協力してブレインストーミングを行い、複数の仮説を出し合い、高い可能性を持つ顧客を見つけることが重要です。
最適な作成・管理方法の選択
データの抽出や作成にはさまざまな手段があり、それぞれが特長を持っています。例えば、工数は少なく済むが条件の絞り込みが緩い手法や、詳細に抽出できるがそれなりに工数がかかる手法などがあります。最適な手段を選択することで、作成プロセスをスムーズに進められるため、十分な検討をしましょう。
運用/管理時のポイント
白地の営業リスト運用/管理をする際に気をつけたいことには、以下の三点が挙げられます。
- 判断基準の一元化
- 継続的な追客活動
- 組織全体での情報共有
判断基準の一元化
白地の営業リストを運用しアポイントメントを開始する段階では、受注可能性をレベルごとにランク付けし、各担当者の判断基準を一元化することが重要です。これにより、リストに統一された判断基準を盛り込み、以降の運用においてロスを最小限に抑えることが可能となります。
例えば、Aランクは非常に興味が強い顧客(受注が期待される)、Bランクは顧客の課題や条件に自社がマッチしている場合(受注の可能性あり)、Cランクは見込みが薄い顧客(受注の可能性なし)といったランク付けが考えられます。ただし、これらは一般的な例であり、業界や企業によって最適なランク付けや判断基準は異なります。
継続的な追客活動
営業活動は通常、1回の商談で完結することは稀であり、特にBtoBの場合は長期にわたる営業活動が必要なことがあります。そのため、継続的な追客活動が不可欠です。営業成果を簡単に断じないよう、長期的かつ継続的に追客しましょう。
組織全体での情報共有
継続的な追客活動を実現するためには、情報を追跡しやすく、全体が一目で把握できるようにすることが重要です。情報の見える化と効果的な情報共有を確立しないと、正確な追及が難しくなります。過去の営業活動の情報を共有することで、属人的な取り組みではなく、組織全体で営業活動を展開できます。
白地の営業リスト作成における収集方法
白地の営業リストを獲得するには、多くの方法があります。以下に無料・有料での収集方法をまとめたので、参考にしてみてください。
無料で収集する方法 | 説明 |
SNS | SNSを活用して企業情報を収集することができます。特にBtoBの商材においても、関連性が高く更新頻度が高いアカウントから顧客リストを作成できます。 |
IPアドレス | ホームページにアクセスしたIPアドレスを調査することで、どの企業がアクセスしたかを特定できます。 |
求人サイト | ハローワークインターネットサービスを利用して求人情報から企業情報を収集します。他にも民間の求人サイトも有効です。 |
法人番号公表サイト | 法人番号公表サイトで企業リストをダウンロードできます。法人番号を利用して企業の詳細情報を把握しましょう。 |
Googleアラート | 必要な情報やキーワードを設定することで、最新情報をメールで受け取ることができます。営業リストの管理や情報収集に効果的です。 |
インターネット検索 | 業種名や特定のキーワードを用いて検索を行い、企業のホームページを確認することで、リストを作成できます。業界団体や展示会の参加企業リストも参考になります。 |
有料で収集する方法 | 説明 |
イベントへの参加 | 展示会やセミナーへの参加を通じて、対面で企業担当者と接点を持ち、名刺交換を行うことで営業リストを作成できます。 |
購入 | リスト業者から、企業規模や業種で絞り込んだリストを購入することができます。注意深く条件を精査し、複数業者を比較することが重要です。 |
ソーシング | クラウドソーシングを活用して、企業情報に詳しい人材やキーマンを紹介できます。特定の業界における専門的な知識を持つワーカーと提携し、精密なリストを抽出できます。 |
無料セミナー / 勉強会を開催 | セミナー開催での白地リストは、新たにアプローチする見込み顧客のリストを指し、セミナーに参加する可能性のあるターゲット層や業界関係者など、まだ接点のないリストを指しています。 |
白地の営業リストの作成・管理方法
具体的な白地リストの作成・管理方法には、主に以下の三つの例が挙げられます。
- Excel
- 顧客管理ツール
- 外注業者
Excel
自社内でExcelを使用することで、手軽に顧客リストを作成し、管理するコストを抑えることができます。具体的な作成手法として、Excelの横軸に企業情報や受注確度、受注内容を配置し、縦軸には顧客No.を順に振っていくと良いでしょう。
新しい見込み客が発生した場合は、名刺交換などから得た情報を追加し、アプローチや商談を進める過程で受注確度が変化するたびにデータを更新します。Excelのフィルター機能を利用すれば、顧客の検索が簡単に行えます。
ただし、Excelの利用には入力作業の手間や人件費の負担、誤入力のリスクが伴います。特に、営業リストの行が1行ずれるといったミスがあると、顧客情報に不整合が生じ、営業活動に支障をきたす可能性が高まります。
顧客管理ツール
自社内でExcelを使用して営業リストを管理するよりも、顧客管理ツールの方が効率的で成果を上げやすいです。代表的なツールにはSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)があります。
SFAは、顧客属性や営業活動に関連する情報を記録・管理し、選択リストを設定して営業リストの作成を容易にします。商談履歴や案件進捗、営業活動で得た情報などを更新でき、情報共有を通じて業務の効率化が図れます。
CRMは、顧客の数値情報だけでなく、属性や接触履歴などの定性情報も管理し、これに基づいた営業活動を可能にします。SFAは営業支援、CRMは顧客管理に焦点を当て、組織的な営業活動と長期的な取引関係の構築が可能です。
一般的に、CRM/SFAは営業部門が効果的な営業リストや支援ツールと考えられており、多くの企業がこれを導入し、成功しています。
外注業者
外部の入力業者に業務を外注すると、営業担当者が自身でデータ入力にかかる負担が軽減されます。時折、オンライン上でクラウドソーシングを通じてワーカーに業務を発注することもあります。
外注業者の利用は、機密情報の保持に関する契約を締結したとしても、情報漏洩のリスクは完全にゼロではありません。情報が漏れると、顧客からの信頼が大きく損なわれてしまいます。一度崩れた信頼を回復するのは非常に難しく、これにより大きな営業活動の機会を失う可能性があるため、注意が必要です。
白地からのリスト作成におすすめのCTI
白地からのリスト作成におすすめのCTIをいくつか紹介します。おすすめは7点あります。
- コムデスク(Comdesk Lead)
- List Navigator.
- サスケ
- BlueBean(ブルービーン)
- Pickcpon
- CALL TREE(コールツリー)
- アポ王コネクト
コムデスク(Comdesk Lead)
コムデスク(Comdesk Lead)は、IP回線と携帯回線の両方を併用できる唯一のアウトバウンドCTIツールとして特許を取得しています。携帯回線による高い音声品質の確保に、国産最高峰AIで文字起こしされた内容を自動要約し、会話のニュアンスを損なわずに商談の論点を簡単に理解・情報共有できます。またSalesforceやkintone、HubspotなどのCRM連携も可能です。
こうした機能を持つコムデスク(Comdesk Lead)は、「リストインポートから、新規営業先の選定までたった30秒!」と営業活動が最短で始められます。カスタマイズ性の高いリスト管理機能によるリストのセグメンテーションをはじめ、日々の営業活動を支援するリスト管理機能が搭載されています。
Scene Liveが提供するクラウド型CTIのList Navigatorは、アウトバウンド業務におけるリスト管理、案件管理、オペレーター管理を一元化したなシステムです。
「地域」「時間帯」「有効コール率」などのデータを自動で収集し、テレアポ組織を効率的にマネジメントできるシステムです。利用ユーザーの中には、「入社1ヶ月のテレアポ従業員も問題なく操作できて簡単」という高い評価が寄せられ、その使いやすさも際立っています。
サスケ
サスケは株式会社インターパークが提供するクラウド型テレアポ管理サービスで、CTIとCRMが一体化した、インサイドセールス専用の見込み顧客育成に強みを持つシステムで、Excel以上SFA以下をコンセプトに、誰でも簡単に利用できる仕様となっています。
どちらかといえば、ハウスリストのナーチャリングに適したCRMツールで、SFAとMAの統合とリードデータの一元管理機能が特長です。
営業とマーケティングの連携が強化されており、利用料金は手頃で、クラウド型なので初期費用や工事が不要です。1,000社以上の導入実績があり、信頼性も高いサービスです。
BlueBean(ブルービーン)
BlueBeanはPBX、CTI、CRMの機能をワンパッケージで提供しています。1ライセンスは月額5000円で、Web上で契約や変更の申し込みが可能です。費用は日割り計算され、他社システムとの連携も無料で提供されているため、既存の顧客管理システムを変更することなくコールセンターシステムを導入できます。
Pickcpon
pickupon(ピクポン)が2023年10月にリリースした新機能は、架電時のウィンドウからボタンひとつでスプレッドシートやExcelに架電情報をコピーできる機能です。これにより、従来手動で行われていた架電結果の手入力時間が省かれ、終話後に即座に情報を保存できるようになりました。スプレッドシートやExcelを架電リストとして利用するユーザーは、毎回の架電結果をリストに簡単に蓄積できます。
CALL TREE(コールツリー)
CALLTREEはWebブラウザから利用可能で、アプリやソフトのインストールが不要です。1席から利用可能で、テレワークにも対応しています。料金や契約内容については問い合わせが必要ですが、CALLTREEは発信業務から顧客管理、稼働マネジメントまでを網羅し、多岐にわたるコスト削減が期待できます。クラウド型のシステムなので導入費用もリーズナブルで、ユーザーごとではなく回線ライセンスとして課金されるため、コールセンター業務におけるトータルコストを削減できます。
アポ王コネクト
10年以上の運営実績を持ちテレアポ業務を 最大限に効率化し「最速の架電効率×最安の通話料」を実現するコールシステムです。
アポ王コネクトのプランには、電話をかけていない番号をプレビューコールで伝えるプランと、システムが自動で電話をかけてつながったコールをプレディクティブコールで接続するプランがあります。導入までの日数は最短で2日で、テレアポ担当者の負担を軽減しながら架電数を増やす効果的なシステムです。
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まとめ
本記事では、電話営業におけるリストの種類、白地リストの重要性、リストの作成・管理方法、おすすめのCTIなどについてご紹介しました。
白地の営業リストを作成・管理することは、電話営業における成果を最大化させる上で重要な役割を果たすためきちんと取り組むことをおすすめします。
白地リストの作成が複雑化し作業工数も多くお困りの方には、CTIシステムを導入し作業効率化を図ることも良いでしょう。
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