
顧客対応の質が企業の信頼を左右する今、電話対応業務の重要性は高まっています。 しかし、現場では「対応履歴が共有されていない」「担当者によって対応にバラつきがある」「電話と顧客管理が別システムで非効率」など、さまざまな課題に直面することも。
電話対応業務の課題を解決する手段として、AI連携やクラウド化といった最新トレンドを取り込み、その価値を改めて見直されているのが CTI(Computer Telephony Integration)です。
CTIとは「電話とコンピューターシステムを連携させる技術」のことで、顧客対応の効率化や情報の一元管理を実現します。
本記事では、2025年の最新トレンドや進化したCTIの機能をふまえ、基本的な仕組みから導入メリット、おすすめのCTIシステムまでわかりやすく解説します。
「CTIって聞いたことはあるけど、実際どう役立つの?」
「どのシステムを選べばいいかわからない」
という方も、本記事を読めば、自社に最適なCTIを見極めるための視点が得られるはずです。
目次
- 1 CTIとは?基礎知識をわかりやすく解説
- 2 近年CTIが注目されている背景
- 3 CTIの種類
- 4 CTIの種類|用途別
- 5 CTIの主要な機能
- 6 【目的別】CTIシステムの選び方
- 7 【最新トレンド】CTIの活用事例5選
- 8 【2025年最新】おすすめCTIシステム比較
- 9 CTI導入に関する「よくある質問」(FAQ)
- 10 まとめ
CTIとは?基礎知識をわかりやすく解説
CTI(シーティーアイ)とは、Computer Telephony Integrationの略で、電話とパソコン(コンピューター)を連携させる技術のことを指します。
簡単にいえば、「電話業務をもっと便利に・効率よくするための仕組み」です。

CTIとPBXの違い
項目 | PBX | CTI |
---|---|---|
役割 | 電話の回線や通話を制御する | 電話とパソコンを連携して業務を効率化する |
主な機能 | 内線管理、外線接続、転送、保留など | 顧客情報の表示、通話履歴の管理、CRM連携など |
必要性 | 電話業務に必須の基盤 | より高度な業務効率化・顧客対応の質向上に役立つ |
導入例 | すべての企業(基本機能) | コールセンター、営業部門、サポート対応が多い業種 |
CTIとPBXはどちらも電話に関連するシステムですが、目的や機能が大きく異なります。
PBXは、「構内交換機」とも呼ばれ、社内の電話回線を管理・制御する装置です。
内線同士の通話や外線への発着信を管理するのが主な役割で、オフィスにある複数の電話を1つの代表番号で運用できます。
従来は物理的な装置が必要でしたが、現在はクラウドPBXなどインターネットを使ったものも主流になりました。
PBXで実現する内容
- 社内の内線通話を無料で接続する
- 1つの番号で複数回線を管理する
- 外線と内線の切り替えや転送を制御する
一方、CTIはPBXで行われる「通話」にコンピューターを連携させ、業務効率化を図る仕組みです。
例えば、着信時に顧客情報をパソコン画面に自動表示したりCRMと連携して通話履歴を保存したり、電話業務をデジタル化して顧客対応をスムーズにするのがCTIの目的です。
CTIで実現する内容
- 着信時に顧客の情報をポップアップ表示
- 通話内容の録音・履歴の自動保存
- 顧客管理システムとの連携
多くの企業では、PBXを基盤としてCTIを組み合わせて使っています。つまり、PBXが「電話の土台」で、CTIが「電話業務の頭脳」のような役割を果たしていると考えるとイメージしやすいでしょう。
CTIとIVRの違い
項目 | CTI | IVR |
---|---|---|
略語 | Computer Telephony Integration | Interactive Voice Response |
主な役割 | 電話とコンピューターの連携 | 自動音声による案内・入力受付 |
機能例 | 着信時に顧客情報を画面表示、通話録音、CRM連携など | 「1を押すと○○部門へ接続」などの音声ガイダンス |
対応の流れ | 担当者が通話しながら情報を活用 | お客様がガイダンスに従って番号入力(人が出る前段階) |
使用場面 | コールセンター、営業、サポートなどでの実際の顧客対応 | 自動振り分け、受付、混雑時の対応などに便利 |
連携性 | IVRと連携可能(IVRで振り分け→CTIで情報表示) | CTIと連携して情報取得や担当割り当てに活用 |
CTIとPBXはどちらも電話業務を効率化するシステムですが、大きな違いがあるので注意しましょう。
IVRは「自動音声応答システム」のことで、電話をかけてきた顧客に対して「〇〇の方は1番を、△△の方は2番を押してください」といったガイダンスを流し、顧客の番号入力によって適切な部署や担当者に自動振り分けする仕組みです。
一方、CTIは電話とコンピューターシステムを連携させて、実際の通話業務を効率化・高度化する技術です。IVRで振り分けられた後、オペレーターが対応する段階でCTIが活躍します。
例えば、着信と同時に顧客情報をPC画面に自動表示したり、CRMと連携して通話履歴を保存したりするなど、オペレーターの対応品質や業務効率を向上させる役割を担います。
実際の業務では、IVRで電話を自動的に最適な担当に振り分けたあと、CTIで担当者が顧客情報を活用して対応するという流れが一般的です。
つまり、IVRは“電話の入口を整える、CTIは中身(応対)を最適化するという関係にあります。
近年CTIが注目されている背景

近年、CTI(Computer Telephony Integration)への関心が高まっている背景には、働き方や顧客対応に関する環境の変化が大きく影響しています。
以下、主な要因や背景を整理して解説します。
顧客対応の高度化と「質」の重視
現代の企業は、顧客からの問い合わせに対して迅速かつ丁寧で一貫した対応が求められています。顧客は電話だけでなくメールやチャット、SNSなど複数のチャネルを使い分けるため、どの方法でも同じ質の高い対応が重要です。
また、SNSの普及により対応の良し悪しがすぐに拡散され、企業の信頼やブランドイメージに大きく影響します。加えて、顧客は過去のやり取りを踏まえたパーソナライズされた対応を期待しており、担当者が変わってもスムーズに対応できる環境が必要です。
顧客対応の高度化と「質」の重視により、対応品質を安定させ顧客満足度を高めるための仕組みとしてCTIが注目されるようになりました。
電話業務の属人化
電話業務の属人化とは、特定の担当者だけが顧客情報や対応方法を把握し、担当者にしか対応できない状態を指します。
属人化状態になると、担当者が不在や退職した場合に対応が遅れたり顧客に同じ説明を繰り返させてしまったり、業務全体の効率やサービス品質が低下します。
また、属人化により対応の質がバラバラになり、顧客満足度の低下や企業イメージの悪化につながるリスクも高まります。だからこそ、誰でも一定の質で対応できるCTIの仕組みが求められるようになりました。
リモートワーク・ハイブリッド勤務の定着
リモートワークやハイブリッド勤務の普及により、場所を問わずスムーズで質の高い電話対応が求められています。
従来の電話システムはオフィスに固定されているためリモート対応が難しく、情報共有不足や対応遅延の原因となっていました。
CTIを導入すれば、インターネット経由でどこからでも顧客情報を確認しながら電話対応できます。リモート環境でも高品質な対応と業務効率化が実現しやすいからこそ、リモートワークの導入が進んでいる企業におけるニーズが高まることになりました。
デジタルツールとの連携ニーズの高まり
企業では顧客対応の効率化と質の向上を目指し、CTIとCRMやチャットツールなどのデジタルツールとの連携ニーズが高まっています。
特にAIを活用した音声解析やAIによる自動応答といった「AIコール」関連の機能との連携は、より高度な顧客体験と業務効率を実現するため、企業から大きな注目を集めています。
近年では、このAIがアウトバウンドコールを自動化し、初期のリード選定からヒアリング、さらにはアポイントの自動取得まで行うツールも登場しており、人件費削減や営業機会の最大化に貢献しています。
単独の電話システムだけでなく顧客情報や対応履歴を一元管理し、複数チャネルの問い合わせを統合することでより迅速で的確な対応が可能になります。
デジタルツールとの連携により、担当者は必要な情報をリアルタイムで把握でき、顧客対応の質が安定します。各種デジタルツールと連携しやすいCTIは、情報の一元管理を実現するツールとしても注目されるようになりました。
CTIの種類

CTIには、主に以下の種類があります。
CTIの種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
オンプレミス型 | ・セキュリティ管理がしやすい ・カスタマイズが自由にできる | ・初期導入コストが高い・運用・保守に専門知識が必要 |
クラウド型 | ・初期費用が抑えられる・導入がスピーディ・メンテナンスはサービス提供者が担当 | ・インターネット環境に依存する ・カスタマイズ性はやや限定的 |
ハイブリッド型 | ・オンプレミスとクラウドの良いとこ取り | ・構築 ・運用がやや複雑になる場合がある |
以下では、それぞれの特徴を解説します。
オンプレミス型CTI
オンプレミス型CTIは、企業が自社内にサーバーやシステムを設置し、自分たちで運用・管理するタイプのCTIです。
メリット
- データを自社内で管理できるためセキュリティが高い
- 業務に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
- ネットワーク環境に依存しない安定した運用ができる
デメリット
- 初期導入コストが高い
- システム構築や保守に専門知識が必要
- 運用・管理の負担が大きい
社内でシステムを管理するため、セキュリティ面で安心感があり、業務に合わせた細かいカスタマイズが可能です。大規模な企業やセキュリティが厳しい業界でよく採用されています。
クラウド型CTI
クラウド型CTIは、インターネット経由で提供されるサービスを利用するタイプのCTIです。
サーバーの設置や管理はサービス提供会社がするため、企業側は初期導入の負担が軽く、短期間で利用を開始できます。リモートワーク環境でも場所を問わず利用しやすいのが特徴です。
メリット
- 初期費用が抑えられる
- 導入がスピーディで簡単
- メンテナンスやアップデートはサービス提供者が担当
- リモート環境でも利用しやすい
デメリット
- インターネット環境に依存するため通信状況に左右される
- オンプレミス型に比べてカスタマイズ性がやや限定的
- セキュリティ面で自社管理より不安を感じる場合がある
サーバーの設置や管理はサービス提供会社がするため、企業側は初期導入の負担が軽く、短期間で利用を開始できます。リモートワーク環境でも場所を問わず利用しやすいのが特徴です。
ハイブリッド型CTI
ハイブリッド型CTIは、オンプレミス型とクラウド型の両方の特徴を取り入れたシステムです。
メリット
- オンプレミス型とクラウド型の良い点を組み合わせられる
- セキュリティを確保しながらクラウドの利便性も享受できる
- 業務に応じてシステムを柔軟に使い分けられる
デメリット
- システム構成が複雑になりやすい
- 導入や運用の管理が難しくなる場合がある
- 専門知識がより求められることがある
企業のニーズに応じて重要なデータやシステムは社内で管理しつつ、一部の機能やサービスはクラウドで利用することで柔軟な運用が可能になります。
CTIの種類|用途別

CTIシステムは、その主な目的や業務内容によって「インバウンド型」と「アウトバウンド型」に大きく分けられます。
項目 | インバウンド型CTI | アウトバウンド型CTI |
---|---|---|
主な目的 | 顧客からの着信対応(受電業務) | 顧客への発信業務(営業・フォローコール) |
利用シーン | カスタマーサポート、問い合わせ対応、予約受付など | テレアポ、営業架電、アンケート調査、督促業務など |
特徴的な機能 | 着信時に顧客情報をPCに自動表示(ポップアップ機能) | 発信リストの自動管理、自動発信(プレディクティブ発信など) |
効果・メリット | 顧客対応の迅速化、対応履歴の可視化、CX向上 | 架電効率の向上、営業の属人化防止、コンバージョン率改善 |
必要な要素 | PBX、CTIサーバー、CRM連携、着信ポップアップ | リスト管理機能、自動発信機能、通話録音、通話ステータス管理 |
運用の主導者 | 顧客(着信が起点) | 企業側(発信が起点) |
適している業種・業務 | サポートセンター、医療・美容・飲食予約窓口、自治体等 | 営業会社、調査会社、督促業務のある金融・不動産など |
インバウンド型CTI
顧客からの電話応対(着信)を主目的とするCTIシステムです。コールセンターやカスタマーサポート部門で主に利用されます。
メリット
- 顧客からの問い合わせに特化しており、着信と同時に顧客情報がPC画面にポップアップ表示されるため、顧客を待たせることなくスムーズな応対が可能です。
- IVR(自動音声応答)やACD(着信呼自動分配)機能により、顧客の用件やスキルレベルに応じた最適なオペレーターへ効率的に振り分け、顧客満足度を向上させます。
- 通話録音機能は、応対品質の管理やオペレーターの教育、トラブル発生時の事実確認に役立ち、サービス品質の継続的な改善に貢献します。
デメリット
- 着信が集中するピーク時には、回線数やオペレーターの人数が不足し、顧客の待ち時間が増加したり、放棄呼(応答できなかった電話)が発生したりするリスクがあります。
- システムの安定稼働が顧客対応に直結するため、システム障害が発生した際の影響が非常に大きいです。
- 顧客の多様な問い合わせに対応するためには、オペレーターの幅広い知識と高い応対スキルが求められ、育成コストがかかる場合があります。
アウトバウンド型CTI
企業から顧客への電話発信を主目的とするCTIシステムです。営業、テレアポ、督促、アンケート調査などで利用されます。
メリット
- クリックトゥコールやプレディクティブダイヤル(予測発信)機能により、大量の電話番号への発信業務を効率化・自動化できます。オペレーターはダイヤル操作の手間から解放され、通話そのものに集中できるため、生産性が大幅に向上します。
- 発信リストの管理や通話履歴の自動記録により、営業活動の進捗状況をリアルタイムで可視化し、データに基づいた効果的な営業戦略の立案や、新規顧客開拓、既存顧客へのフォローアップを強化できます。
デメリット
- システムが自動で発信を行うため、顧客にとっては予期せぬ電話となり、迷惑電話と感じられるリスクがあります。これにより、企業イメージの低下や、特定商取引法などの法規制に抵触しないよう、厳格な運用ルールと顧客リストの管理が不可欠です。
- オペレーターのトークスクリプトや応対品質が、顧客の印象や成果に直接影響するため、質の高いトレーニングが重要になります。
- 誤発信や無駄な発信を防ぐためには、発信先のリストの正確性や鮮度が成果に大きく影響します。
CTIの主要な機能

CTIの主要な機能は、以下の通りです。
機能名 | 内容・効果 |
---|---|
着信ポップアップ | 電話で顧客情報をすぐ表示する機能 |
クリックトゥコール | ボタン1つで電話をかけられる機能 |
自動架電 (オートコール・プレディクティブダイヤリング) | 自動で電話を発信・補助する機能 |
自動音声応答(IVR) | 自動で案内し担当者に振り分ける機能 |
通話録音 | 電話内容を録音し後で確認できる機能 |
オペレーター情報表示・ステータス管理 | オペレーターの状況が リアルタイムでわかる機能 |
CTIとCRM連携 | 顧客情報と電話履歴をまとめて管理する機能 |
通話内容のテキスト化・感情分析 | 通話を文字化し感情を分析する機能 |
レポーティング・分析機能 | 電話のデータを見て業務を改善する機能 |
それぞれの特徴や活用法を解説します。
着信ポップアップ
着信ポップアップとは、電話がかかってきた瞬間にパソコンの画面に顧客の名前や電話番号、過去の対応履歴などの情報を自動で表示する機能です。
着信ポップアップ機能があると、オペレーターは電話を取る前に相手の情報をすぐに把握できるようになります。例えば、名前をすぐ呼べたり過去の問い合わせ内容を確認したりしながら話せるので、顧客満足度が向上します。
また、対応の効率化だけでなく、ミスや無駄なやり取りを減らす効果があることもポイントです。お客さまを待たせる時間が短くなり、電話業務全体の質が高まります。
クリックトゥコール
クリックトゥコールは、画面上の顧客情報や電話番号をクリックするだけですぐに電話をかけられる機能です。電話番号を手入力する手間や間違いを防げるので、発信業務がスピードアップします。営業やカスタマーサポートの業務効率化に大きく役立ちます。
また、操作が簡単なため、誰でもすぐに使いこなせるのもメリットです。電話業務の負担を減らし、スムーズな顧客対応を実現できます。
自動架電(オートコール・プレディクティブダイヤリング)
自動架電機能は、事前に設定した顧客リストに対して、システムが自動で電話を発信する機能です。これにより、オペレーターが手動でダイヤルする手間が省け、架電効率が飛躍的に向上します。
主な方式として、「オートコール」と「プレディクティブダイヤリング」があります。
- オートコール: リストの電話番号に順番に発信し、事前に録音した音声メッセージを流したり、プッシュ応答で情報を収集したりします。キャンペーン告知やアンケート、督促など、定型的な情報伝達や初期接触に適しています。
- プレディクティブダイヤリング: オペレーターの空き状況や接続率を予測し、複数の電話に同時に発信。顧客が応答したタイミングで、待機中のオペレーターに自動で接続します。これにより、オペレーターの無駄な待機時間を最小限に抑え、通話時間を最大化し、テレアポやインサイドセールスでの商談化・アポイント獲得効率を劇的に高めます。
近年では、この自動架電機能にAI(人工知能)が搭載されることで、さらなる進化を遂げています。 AIが自動で顧客と対話し、初期のヒアリングやスクリーニング、さらにはアポイントの自動取得までを行う「AIコール(AI音声ボット)」が登場しており、人手不足の解消や24時間稼働、人件費の大幅削減といった効果が期待されています。
自動音声応答(IVR)
自動音声応答(IVR)は、電話に出る前に自動で案内を流し、お客さまの要件に合わせて適切な担当者や部署に振り分ける機能です。
オペレーターの負担を減らし、対応までの時間を短縮できるのがポイントです。例えば、「1番は注文、2番は問い合わせ」といったメニューを案内し、お客さま自身が選択できる仕組みとして活用されています。
また、IVRは24時間対応も可能なので、営業時間外でも基本的な問い合わせに対応できるのが大きなメリットです。
電話の無駄な待ち時間や間違った担当への転送を減らし、顧客満足度を高めます。
通話録音
通話録音は、電話の会話内容を録音し、後から聞き返せるように保存する機能です。
録音機能を使うと、対応内容の確認やトラブルの原因調査、スタッフの教育に役立ちます。例えば、顧客からのクレーム対応の内容を正確に記録しておけば、今後の問題解決にも役立ちます。
また、品質管理にも活用でき、対応の良し悪しを評価してサービス向上につなげられます。通話内容を確実に残すことで、安心して業務を進められるのが大きなメリットです。
オペレーター情報表示・ステータス管理
オペレーター情報表示・ステータス管理は、コールセンターのオペレーター1人ひとりの現在の状態(応答中、待機中、休憩中など)をリアルタイムで画面に表示する機能です。
管理者はオペレーターの状況をすぐに把握でき、適切な人員配置や対応割り振りが可能になります。例えば、忙しいオペレーターには新しい電話を割り振らず、待機中の人に優先的に電話を渡せます。
また、オペレーター自身も自分のステータスを簡単に管理でき、業務の効率アップや負担軽減につながります。 全体の業務管理がスムーズになり、顧客対応の質向上に役立つ重要な機能です。
CTIとCRM連携
CTIとCRM連携とは、電話システム(CTI)と顧客管理システム(CRM)をつなげて情報を共有する機能です。
電話がかかってきた時に顧客の詳細情報や過去の対応履歴がすぐ画面に表示され、より的確でスムーズな対応ができるようになります。 例えば、顧客の購入履歴や問い合わせ内容をすぐ確認できるため、無駄な説明や聞き返しが減ります。
営業活動や顧客サポートの効率化にもつながり、顧客満足度の向上や売上アップに貢献します。情報の一元管理で、社内の連携を強化したいときにもおすすめです。
通話内容のテキスト化・感情分析
通話内容のテキスト化とは、電話の会話を自動で文字に変換する機能です。録音を聞き返す手間が減り、内容の確認や検索が簡単になります。
感情分析は、文字データから話し手の感情やトーンをAIが読み取る機能です。顧客の満足度や不満の兆候を把握でき、怒りや不安を感じているお客さまを早期に検知できるのがポイントです。CTIにおける最新技術でもあり、顧客対応の質を向上させ、トラブルの予防やスタッフ教育にも役立ちます。
レポーティング・分析機能
レポーティング・分析機能は、電話対応のデータを集めてグラフや表で見やすくまとめる機能です。
通話件数や応答時間、オペレーターの対応状況などを数字で把握でき、業務の改善点がすぐわかります。 例えば、対応が遅れている時間帯や混雑している曜日を特定し、適切な人員配置を検討できます。
また、顧客満足度や問題点の傾向も分析できるため、サービスの質を高めるための重要なツールとして活用されているのもポイントです。数字を元にしたデータドリブンな評価で、効率的な業務運営が実現します。
CTI導入のメリット
CTI導入のメリットは、主に以下の通りです。
メリット | 内容 |
---|---|
業務効率化 | 電話対応や入力作業が速くなる |
顧客満足度向上 | スムーズで個別対応ができる |
売上向上・機会損失防止 | 効率よく営業しチャンスを逃さない |
コスト削減 | 人件費や通信費を抑えられる |
データ活用・経営戦略 | 顧客の声を集めて改善や育成に活かせる |
以下で、それぞれのメリットや具体的な効果について解説します。
業務効率化
CTI導入により電話対応の時間が短縮され、作業の手間が減ることが大きなメリットです。
業務効率化の事例
- 着信ポップアップにより注文履歴の確認時間が30%短縮
- クリックトゥコールでの発信ミスが大幅減少
- CRM連携により手入力作業が70%削減
- 通話録音の活用でクレーム対応時間が短縮
- オペレーターのステータス管理で適切な人員配置が可能に
着信ポップアップやクリックトゥコール、CRM連携などの機能でオペレーターは顧客対応に集中でき、1日の対応件数が増加します。
結果として、業務全体のスピードと質が向上します。
顧客満足度向上
CTIを使うことで、お客さま1人ひとりに合ったスムーズで丁寧な対応ができることもメリットです。
着信ポップアップで過去の対応履歴や購入情報がすぐにわかるため、オペレーターは顧客の状況に合わせた最適な対応が可能になります。顧客が待たされる時間も減り、話の繰り返しも少なくなってストレスが軽減されます。
顧客満足度向上の事例
- 着信ポップアップにより顧客の購入履歴を踏まえた提案が可能に
- IVRによる的確な担当者振り分けで問い合わせ解決率が向上
- 通話録音を使った教育により対応品質が改善
- 通話内容の感情分析を導入し、不満の早期発見に成功
- CRM連携によりお客さま1人ひとりにパーソナルな対応を実現
さらに、自動音声応答(IVR)で適切な担当者に案内されるので、問題解決までの時間が短縮するのがポイントです。通話録音や通話内容のテキスト化を活用して対応の質を振り返り、継続的にサービス改善を進めることもできます。
CTIは単に電話業務を効率化するだけでなく、お客さまの満足度を高め、信頼関係の構築にも大きく貢献します。
売上向上・機会損失防止
CTIの着信ポップアップやCRM連携で顧客情報が即座にわかるため、営業担当者はニーズに合った提案がスムーズにできることがメリットです。
さらに、通話録音や分析機能を使い、営業トークの改善や見込み顧客の管理を行えるのもポイントです。結果として、売上の拡大と機会損失の削減につながります。
売上向上・機会損失防止の事例
- クリックトゥコールにより架電数が20%増加
- CRM連携をして見込み顧客を効率的に管理し成約率が向上
- 通話録音を活用しトークスクリプトを改善
- 通話分析により顧客ニーズを的確に把握し提案成功率アップ
- 着信ポップアップにより優先顧客への迅速対応を実現
クリックトゥコール機能で迅速に発信できるため、多くの顧客に効率的にコンタクトできるなど、売上アップにつながる働き方が可能です。
コスト削減
CTIの自動化機能やデジタルツール連携により、オペレーターの作業負担が軽減し、少ない人数でも多くの電話対応が可能になります。
コスト削減の事例
- クラウド型CTI導入により設備費用が40%削減
- 自動音声応答によりオペレーター数を削減し人件費ダウン
- 通話分析により無駄な通話時間を20%削減
- クリックトゥコール導入で発信ミスによる再架電を減少
- CRM連携により事務作業が効率化し残業時間が短縮
また、クラウド型CTIの活用で初期投資や設備管理コストを抑えられ、通信費の見直しも容易になります。通話録音や分析機能を使い無駄な通話や長時間通話を削減できるため、通信費の節約も可能です。
データ活用・経営戦略
CTIは通話記録や応対履歴を自動で保存するため、顧客の声(VOC)を効率よく集められます。収集したデータには顧客のニーズや不満点が明確に表れるため、商品開発やマーケティング戦略の改善に役立ちます。
データ活用・経営戦略の事例
- VOC分析から新サービス開発に成功
- 顧客満足度調査に基づく販売戦略を改善
- オペレーター評価システムを導入し教育効果アップ
- 通話内容の感情分析を活用し苦情対応を強化
- データ分析により営業戦略の精度を向上
また、オペレーターの対応状況や成績を分析することで、育成ポイントを特定し教育効果を高めることも可能です。データ活用は、業務効率化だけでなく組織全体の戦略強化にもつながります。
社内教育の効率化
CTIは通話内容や応対履歴を記録・分析できるため、社内教育の効率化にも大きな効果があります。通話内容を可視化することで、オペレーターごとの強み・弱みを明確に把握でき、的確なフィードバックや指導が可能になります。
教育効率化の事例
- 通話ログを教材にして新人研修の質を向上
- 成績データから個別の育成計画を策定
- 応対スキルのチェックリストを自動化
- 成功事例を横展開しチーム全体の底上げ
- 苦情対応の会話例を共有しクレーム対応力を強化
CTIの活用は、教育時間の短縮だけでなく、指導の質やモチベーションの向上にもつながります。教育体制の強化は、最終的に顧客満足度の向上にも直結します。
【目的別】CTIシステムの選び方

CTIシステムを選ぶときは、まず自社の課題や目的をはっきりさせることが大切です。以下のポイントを参考に、自社に最適なシステムを選びましょう。
利用シーン | 特に重視すべきポイント |
---|---|
小規模企業向け | 低コスト、簡単操作 |
コールセンター向け | 大量対応、分析機能 |
インサイドセールス向け | CRM連携、ワンクリック発信 |
営業部門向け | 顧客管理、通話履歴活用 |
カスタマーサポート向け | 迅速対応、品質管理 |
EC・通販事業者向け | 注文履歴連携、リピーター対応 |
金融業向け | 高セキュリティ、通話録音 |
医療・福祉業向け | 個人情報保護、予約管理 |
ここでは、CTIを比較するときのポイントを解説します。それぞれのポイントでCTIを比較し、目的に合った活用ができるよう検討してみましょう。
自社の課題・ニーズに合うか
CTIシステムを選ぶ際は、まず自社の抱える課題や必要としている機能を明確にすることが重要です。
考えておきたいポイント
- どんな問題を解決したいか?
例:電話対応が遅い、顧客情報の管理が煩雑、対応品質のばらつきがあるなど - どの業務を効率化したいか?
例:架電作業、受電対応、データ入力、通話記録の管理など - 利用人数や通話量はどのくらいか?
規模に合わないシステムは使いにくくなりがち。スモールスタートや拡張性も考慮 - 既存のツールやシステムとの連携は必要か?
CRMや営業支援ツールなど、既に使っているシステムと連携できるかも重要
自社の課題とニーズに合ったCTIを選べば、業務がスムーズになり、顧客対応の質も向上します。反対に、課題に合うCTIでないと導入後に十分な効果が得られず、無駄なコストや手間がかかるので注意しましょう。
必要な機能が網羅されているか
CTIシステムを選ぶときは、自社の業務や課題に合った必要な機能をしっかり見極めることが大切です。前項でリストアップした目的・課題と見比べながら選ぶと、わかりやすくなります。
機能 | 必要なシーン |
---|---|
着信ポップアップ | 顧客情報をすぐ知りたい時 |
クリックトゥコール | すぐ電話をかけたい時 |
自動音声応答(IVR) | 問い合わせを自動で振り分けたい時 |
通話録音 | 会話を記録したい時 |
オペレーター管理 | 対応状況を管理したい時 |
CRM連携 | 顧客情報をまとめたい時 |
通話内容のテキスト化・感情分析 | 会話内容を分析したい時 |
レポーティング・分析機能 | 数字で成果を確認したい時 |
自社の業務に必要な機能をリストアップし、優先順位をつけて選ぶことが成功のポイントです。反対に、機能が不足すると業務効率が上がらず、逆に不要な機能が多いとコストや操作負担が増えるので注意しましょう。
予算内で使えるか
CTIシステムを選ぶ際は、自社の予算に合っているかを確認することが大切です。予算を超えてしまうと、導入後の継続利用が難しくなったり、他の重要な投資がおろそかになったりする可能性があります。
見積り取得時のポイント
- 初期費用
システムの導入費用や機器購入費がどのくらいかかるか - 月額費用・利用料
ユーザー数や通話量に応じてどの程度料金が変動するか - 追加費用の有無
保守費用やサポート費用、機能追加の費用が発生するか - コストパフォーマンス
予算内でどれだけの機能やサポートが受けられるか
予算に合ったシステムを選ぶことで、無理なく長く使い続けられます。また、必要な機能に絞って無駄なコストを省くことも大切です。
導入形態が自社の希望と合うか
CTIシステムには主にクラウド型とオンプレミス型の2つの導入形態があります。自社の働き方や運用環境に合った形態を選ぶことが重要です。
自社の希望に合わせて選ぶポイント
- セキュリティやデータ管理に厳しい要件があるか
- 社内IT環境や運用体制の状況が整備されているか
- リモートワークや多拠点利用を進めているか
- 初期費用や運用コストの予算感似合うか
- システムの拡張性や将来的なニーズ変化に対応できるか
導入形態が自社の希望と合っていると、運用がスムーズでトラブルも少なくなります。事前に要件を整理し、最適な形態を選びましょう。
既存システムと連携しやすいか
CTIシステムを導入する際は、すでに使っている他のシステムとスムーズに連携できるかを確認することが重要です。連携がうまくいくと業務効率がアップし、情報の一元管理も可能になります。
システム名 | 役割・用途 |
---|---|
CRM(顧客管理システム) | 顧客情報の一元管理、営業やサポートの履歴管理 |
営業支援ツール(SFA) | 営業プロセスの管理、案件進捗の可視化 |
顧客データベース | 顧客の基本情報や購買履歴などの保存と検索 |
チャットツール | 顧客や社内とのリアルタイムコミュニケーション |
メール配信システム | 顧客への一斉メール送信やマーケティング施策の実施 |
業務管理システム | 業務フローやタスクの管理 |
予約管理システム | 顧客の予約受付やスケジュール管理 |
連携しやすさのチェックポイント
- API連携の有無
外部システムと自動で情報をやり取りできるか - 対応システムの種類
自社で使っているシステムに対応しているか - 連携の難易度
専門知識なしで簡単に連携できるか、もしくは技術支援があるか - リアルタイム連携の可否
情報がタイムリーに反映されるか
既存システムと連携できれば二重入力の手間が減り、データの誤りも防げます。導入前に連携の可否と方法をしっかり確認しましょう。
セキュリティレベルが高いか
CTIシステムには、顧客情報や通話内容などの機密データが多く扱われるため、セキュリティの高さは重要です。特に個人情報や金融・医療関連の情報を扱う企業は、厳しい管理体制が求められます。
チェック項目 | 内容例 |
---|---|
通信の暗号化 | 通話やデータがSSL/TLSなどで暗号化されているか |
アクセス制限・権限設定 | ユーザーごとに操作範囲を制限できるか |
ログ管理・履歴確認 | 通話や操作履歴を記録・確認できるか |
データ保存の安全性 | データセンターの安全性(国内外・ISO認証など) |
二要素認証などの強固な認証 | ID/パスワードだけでなく、追加の認証方法があるか |
セキュリティ対策の体制 | サポート体制・情報漏えい対策・インシデント対応が整っているか |
セキュリティ対策が甘いと、顧客の信頼を失うリスクが高まります。CTI選定時には、提供会社のセキュリティポリシーや実績も確認しておくと安心です。
CTI導入を成功させるポイント
CTI導入を成功させるには、以下のポイントを意識しましょう。
ポイント | 内容(簡潔) |
---|---|
KPI(効果測定指標)を設定する | 成果を可視化し、改善に活かせる基準を明確にする |
現場の意見を取り入れる | 実際に使う担当者の声を反映し、導入後の定着を促す |
段階的に導入する | 一部からテスト導入し、無理なく全社展開する |
教育・トレーニングを丁寧にする | 操作ミスや混乱を防ぎ、スムーズな立ち上がりを支援 |
ベンダーのサポート体制を チェックする | 導入前後の支援や対応力を確認し、 安心して導入できるようにする |
まずは、無理なく自社にフィットしたCTI導入にすることを考えましょう。失敗しないためには、「機能」だけでなく「運用・定着」も見据えた選定が重要です。
KPI(効果測定指標)を設定する
CTI導入の成果を把握するために、数値で効果を可視化する指標(KPI)を事前に設定することが重要です。
主なKPI例
- 平均通話時間
- 初回対応率
- 顧客満足度(CSAT)
- 応答までの時間
- オペレーターごとの対応件数
感覚的な評価ではなく、数値で効果を「見える化」することで、改善点や成功要因を明確にできます。導入前後のデータを比較することで、CTIがどの程度効果を発揮しているかを客観的に判断できます。また、KPIの結果は社内教育や業務改善のヒントとしても活用できるのがポイントです。
現場の意見を取り入れる
CTIは、管理者だけでなく実際に利用するオペレーターや営業担当が毎日使うツールです。現場の意見を導入前にしっかり聞いておくと実際の業務フローに合った形で運用でき、定着もしやすくなります。
現場の意見を取り入れる具体的なアクション例
- オペレーター・営業担当へのヒアリング
- 社内アンケートでニーズ収集
- 試験導入(PoC)実施
- フィードバック会議の開催
- 導入後の継続的な意見収集体制構築
導入後に「使いにくい」「業務と合っていない」といったミスマッチが起こるのを防ぐ意味でも、現場の声は欠かせません。また、現場が導入に「参加している」という意識があると、定着率や活用意欲も高まります。
段階的に導入する
CTIシステムを一度に全社導入すると、操作ミスやトラブルが発生しやすく、業務に大きな影響を与えるリスクがあります。そこで、まずは一部の部署やチームでテスト導入を行い、問題点を洗い出しましょう。
また、段階的にCTIを導入することで、現場のフィードバックを基に設定や運用ルールを改善し、徐々に範囲を広げる意味もあります。少しずつ導入すれば現場ともミスマッチも少なく抑えられ、スムーズな全社展開ができるのがポイントです。
さらに、導入途中で得られた知見を共有することで、他部署も安心して使い始められるのもメリットです。定着率向上のためにも、スモールステップで進めましょう。
教育・トレーニングを丁寧にする
CTIシステムは新しい操作方法や業務フローの変更を伴うため、十分な教育とトレーニングが欠かせません。使い方がわからないと現場で混乱やミスが増え、導入効果が半減してしまいます。
CTI教育・トレーニングの代表例
- マニュアル・操作ガイドの作成
- ハンズオン(実践)研修の実施
- Q&Aセッションの開催
- オンライン動画やeラーニングの活用
- 定期的なフォローアップ研修
- FAQやサポート窓口の整備
- 操作テストや評価の実施
丁寧なトレーニングは、操作スキルの向上だけでなくシステムの活用方法やメリットの理解も促進します。オペレーターの不安を軽減し、積極的な利用を促せます。
ベンダーのサポート体制をチェックする
CTIシステムは、導入後の運用がスムーズに進むかどうかが重要です。信頼できるベンダーのサポート体制を事前にしっかり確認することが欠かせません。
ベンダーが提供しているサポート内容
- 導入支援・コンサルティング
- 操作研修・トレーニング
- 24時間365日の技術サポート
- 障害対応・トラブルシューティング
- システムアップデート・バージョン管理
- FAQ・オンラインヘルプの提供
- 専任担当者によるフォローアップ
- カスタマイズ対応
- 定期メンテナンス
- 利用状況のレポート提供
サポートが手厚いベンダーを選べば、問題解決が早く、業務の停止リスクを抑えられます。
また、システムのアップデートや改善提案を積極的にするベンダーなら、最新技術を活用し続けられます。CTIは年々最新版が出るシステムであり、技術革新やトレンドの変遷も激しいのが特徴です。長期的な運用にするためにも、サポート体制はCTI導入成功のカギとなります。
【最新トレンド】CTIの活用事例5選

ここでは、CTIの活用事例を紹介します。実際にどんな業種でどうCTIを活用しているのか、チェックしてみましょう。
もし自社と似たような事例があれば、導入を前向きに検討してみることをおすすめします。
コールセンター:素早く丁寧な応答が実現
以前は、お客様からの電話がかかってきても顧客情報を手作業で検索しなければならず、応対に時間がかかっていました。CTIシステムを導入してからは着信と同時にお客様の情報が画面に自動表示されるようになり、すぐに状況を把握してスムーズに対応できるようになりました。
また、通話録音機能のおかげで、自分の応対を後で振り返ったり先輩と共有して改善点を見つけられたりできるようになりました。感情分析の機能も使い始め、電話での微妙なトーンの変化からお客様の不満を早めに察知できるようになったのも大きな助けです。
CTIのおかげで業務が効率化されただけでなく、顧客満足度も確実に上がっていると実感しています。
CTIシステムの導入により、コールセンター業務の効率化と顧客対応の質向上が両立でいたという事例があります。
着信ポップアップで即座に顧客情報を把握でき、通話録音や感情分析を活用してオペレーターのスキルアップや顧客の本音の把握が可能になったことがポイント。スムーズで的確な応対が実現し、顧客満足度の向上につながります。
CTIは単なる電話システム以上の価値をもたらすシステムであり、コールセンターの成長に欠かせない存在になりつつあります。
小売業・通販業:大量の電話を捌きやすくなった
「通販業を営む当社では、毎日大量の注文や問い合わせの電話がかかってきます。以前はオペレーターが1件ずつ顧客情報を手動で探し、架電も手作業だったため、どうしても対応が遅れがちでした。
CTIシステムを導入してからは、着信ポップアップで顧客の注文履歴や問い合わせ内容がすぐに表示されるようになっています。電話に出るだけで状況が把握できるし、ワンクリックでお客様に電話をかけられるため、営業やフォローアップの効率もアップしました。
また、通話内容がテキスト化されるので、よくある質問や要望を分析して商品説明やFAQの改善に活かせています。CTIのおかげで顧客対応が早くなり、満足度も上がっていると実感しています。」
特に電話での対応が多い小売業・通販業において、CTIの導入はほぼ不可欠な取り組みとなりつつあります。インターネット注文の割合が低い、中高年向けの商材などを扱う場合、特にCTIによる効率化が重要です。
顧客満足度を高めてリピーター増加や売上向上につながるため、現代の小売業・通販業ではCTIが不可欠なツールとなっているのです。
テクニカルサポート:専門的な問い合わせにも回答しやすい
「当社のテクニカルサポートでは、お客様からの問い合わせ内容が多岐にわたり、状況把握に時間がかかっていました。CTIシステムを導入してからは、着信ポップアップで顧客の製品情報や過去の問い合わせ履歴がすぐに確認できるようになり、すぐに適切な対応が可能になりました。
また、通話録音を活用してトラブル対応の成功例や改善点をスタッフ間で共有し、技術力の底上げに役立てています。CTIのおかげで対応時間が短縮されるだけでなく、サポート品質も向上し、顧客満足度が高まったと感じています。」
CTIシステムの導入によって。テクニカルサポート業務を改善することも可能です。
テクニカルサポート業務では、専門用語を扱うことが多く、新入社員のオンボーディングがしづらいことも課題となっています。CTIがあれば過去の履歴や顧客情報なども一目でわかるので、引継ぎやトレーニングにも役立ちます。また、通話録音を活用すればスタッフ間でナレッジ共有が進み、技術力の向上にも便利です。
不動産業界:顧客の希望をメモできる機能を有効活用
「当社は不動産の仲介業を営んでいますが、お客様からの問い合わせや内見予約の電話が日々多く、対応に時間がかかっていました。CTIシステムを導入してからは、着信ポップアップでお客様の希望条件や過去のやり取りが瞬時に表示されるため、スムーズな応対が可能になりました。
また、クリックトゥコール機能で物件オーナーや関連業者への連絡も手早く行えるようになり、業務効率が上がりました。通話録音を活用して接客の振り返りやスタッフ教育にも役立てています。CTIのおかげで顧客対応の質が向上し、契約率も上がったと実感しています。」
不動産業界でのCTI導入においては、顧客の希望条件をすぐにメモ・確認できる機能が大いに役立っています。顧客の細かなニーズも見逃さず、スムーズで的確な対応が実現するのがポイントです。
さらに、クリックトゥコールや通話録音を活用することで業務効率とスタッフ教育も向上しました。顧客満足度と契約率のアップにつながったという点が、大きなメリットとなっています。
医療・介護業界:問い合わせ品質の向上が医療の安心感にも直結
「当施設では患者さんやご家族からの問い合わせが多く、電話対応に時間と労力がかかっていました。CTIシステムを導入してからは、着信ポップアップで患者さんの基本情報や過去の診療履歴がすぐに表示されるので、電話に出た瞬間から的確な対応が可能になりました。
さらに、通話録音や通話内容のテキスト化を活用してスタッフ間で情報共有がスムーズになり、ミスや伝達漏れも減りました。医師・看護師だけでなく、受付や総務などとも共有することで、忙しい中でも迅速に対応できるようになっています。誰に相談しても情報が引き継がれているという安心感は、病院の運営にも良い効果を与えていると感じます。
CTIのおかげで電話業務が効率化され、スタッフの負担軽減にもつながったので、本当に導入して良かったです。」
医療・介護業界でのCTI導入は、患者情報を即座に確認できることにつながります。迅速かつ正確な対応が実現することで、患者やご家族からの信頼度が大きく向上するのがポイントです。
医療全体への安心感も上がるなど、業務効率化以外のメリットも大きく表れました。
また、通話録音や情報共有の強化でミスが減り、スタッフの負担も軽減しています。
【2025年最新】おすすめCTIシステム比較

CTIシステムは多くの製品が存在しており、機能や費用、連携のしやすさなどに大きな違いがあります。
ここでは、2025年時点で特に注目されている主要なCTIシステムを厳選して比較しました。
自社の課題や導入目的に合ったシステム選びの参考にしてください。
製品名 | 費用帯 | 主要機能 | 連携CRM/SFA | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Comdesk | 月額 6,000円〜 | – 自動文字起こし – 通話録音 – 携帯回線発信 – オートコール | Salesforce、kintone、HubSpot など | 高通電率&ChatGPT要約対応 |
Comdesk for CRM | 月額 6,000円〜 | – 発信履歴自動記録 – CRM上で直接発信 – 録音・自動文字起こし | Salesforce、kintone、HubSpot など | CRM画面内で完結する営業活動 |
Lisnavi | 月額 5,000円〜 | – プレディクティブ発信 – 再コール通知 – 録音- 感情分析 | Salesforce など | 架電効率重視、再アプローチ漏れを防止 |
Miitel | 月額 5,980円〜 | – 音声解析 – 自動文字起こし – 録音 – 通話スコア化 | Salesforce、HubSpot、kintone など | 通話の質をAIで可視化、教育にも活用可能 |
アポ王Connect | 月額 4,000円〜 | – 架電管理 – スクリプト表示 – 顧客データ連携 | Salesforce など | 架電管理に特化、営業リスト活用を支援 |
なお、以下の記事ではおすすめのCTIを35種類徹底比較しています。
CTI導入に関する「よくある質問」(FAQ)

最後に、CTI導入に関する「よくある質問」を紹介します。気になる項目がある方は、事前にチェックしてみましょう。
CTIの導入費用はどのくらいかかりますか?
CTIの導入費用は、以下を目安にしてみましょう。
費用項目 | クラウド型の目安 | オンプレミス型の目安 |
---|---|---|
初期費用 | 0円~数万円程度 | 数十万~数百万円 |
月額費用 | 1ユーザーあたり 3,000〜10,000円程度 | 保守・回線費用などを別途継続的に負担 |
機器購入・工事費 | 原則不要(PC・ネット環境でOK) | 専用サーバ・電話機等が必要なことも |
クラウド型は低コスト・短納期で始めやすいのが特長です。オンプレミス型は初期費用が高めですが、カスタマイズ性に優れています。
実際には導入形態(クラウド型 or オンプレミス型)や機能数、ユーザー数によって大きく異なるため、見積りを取得しながら比較しましょう。
CTIの導入に必要な期間はどの程度ですか?
CTIの導入に必要な期間は、大まかに以下の通りです。
導入形態 | 導入期間の目安 | 特徴 |
---|---|---|
クラウド型 | 数日〜1週間程度 | 環境構築が不要。すぐに利用開始可能 |
オンプレミス型 | 1〜2か月以上 | サーバ設置・機器準備・回線工事などが必要 |
「すぐに使いたい」「リモート環境で使いたい」場合は、クラウド型がスムーズでおすすめです。サポートが手厚い会社では、導入計画の立て方もサポートしてくれるので相談してみましょう。
CTIの導入をサポートしてもらうことは可能ですか?
CTIの提供会社によっては、CTIの導入をサポートしてもらえます。
主なサポート内容
- 導入前相談・要件整理の支援
業務内容や課題に応じて、最適な機能や構成を提案してもらえます。 - 初期設定・操作説明
システムの初期設定、アカウント発行、基本操作のレクチャーを実施。 - CRMや外部システムとの連携支援
Salesforceやkintoneなどとの接続方法を技術的にサポートしてもらえます。 - 導入後のサポート(Q&A対応・トラブル対応)
メール・電話・チャットなどでの継続サポートも可能です。
Comdeskにはサポートチームが在籍しており、導入のオンボーディングから運用のサポートまで幅広く手がけています。お気軽にご相談ください。
CTIのセキュリティは大丈夫でしょうか?
CTIシステムは顧客情報や通話内容を扱うため、セキュリティ対策が重要です。セキュリティ要件を厳しくしたいときは、以下のようなセキュリティ対策を講じているCTIを導入しましょう。
CTI導入時に確認すべきセキュリティのポイント
- 通信の暗号化
通信経路(通話データや顧客情報)がSSL/TLSなどで暗号化されているか - アクセス権限の管理
管理者やオペレーターごとに操作できる範囲を細かく設定できるか - データ保存・バックアップ
通話録音や顧客データの保存場所は安全か。 - ログ管理と監査機能
誰がいつどんな操作をしたか記録が残り、不正アクセスの検知ができるか - 認証・多要素認証の対応
ログイン時にID・パスワード以外の認証が利用できるか。 - セキュリティ認証の取得状況
ISO27001やプライバシーマークなど信頼できる認証を持っているか。 - 社内のセキュリティポリシーとの整合性
自社の情報管理規定や個人情報保護方針と合致しているか。
導入前にセキュリティポリシーや対応状況を確認し、自社の規定や法令に合致しているか確認するのがおすすめです。
CTIで既存の電話番号は使えますか?
基本的に、既存の電話番号をそのままCTIで利用できるCTIが多いです。ただし、利用するCTIの種類や導入形態によって異なるため、事前の確認が必要です。
クラウド型CTIでは、電話番号の「番号ポータビリティ(MNP)」を利用して既存番号を移行できるケースが多いです。オンプレミス型CTIでは、現在の電話回線をそのまま使い、CTIシステムと連携させる形が一般的です。
既存番号の引き継ぎには手続きや期間がかかることもあるため、ベンダーと相談しながら計画を立てるのがおすすめです。
まとめ
CTIは、電話業務の効率化や顧客対応の質向上に欠かせない重要なツールです。近年もCTIの注目度が上がり、実際に導入を決める企業が増えました。
特に、以下のような企業課題がある場合、CTIの導入が解決につながります。
CTIが解決する課題
- 電話業務の非効率
- 顧客対応の属人化
- 顧客情報のバラバラ管理
- 機会損失の防止
- リモートワーク時の電話管理
まずは、自社の課題やニーズに合ったCTIシステムをじっくり検討し、最適な導入を進めていきましょう。導入にあたっては、機能、予算、連携、セキュリティなどのポイントを押さえることが成功のカギとなります。
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