2024.10.18

新規開拓営業とは?成約率アップの方法や15の効果的な手法を徹底解説

#AI議事録 #DX #新規開拓

新規開拓営業とは?

新規開拓営業とは、既存顧客ではなく、過去に取引実績のない新しい顧客にアプローチする営業活動のことを指します。見込み顧客と初めて接触し、自社の商品やサービスの価値を伝え、購入や契約などに結びつけなければならないため

  • 短時間で信頼を築くスキル
  • 相手のニーズを引き出すスキル

が求められます。こうした特性があるため既存顧客を対象とする営業とは異なるアプローチやスキルが必要とされているのです。

新規開拓営業が必要な3つの理由

新規獲得営業が必要な理由には下記3つが挙げられます。

  • 売り上げを拡大するため
  • 顧客数を増加するため
  • 事例数を増加するため

上記のように、新規開拓営業は企業の事業規模を拡大していく上で不可欠となります。また、既存顧客の解約が起きた場合にその分の売上を補完するリスクヘッジになります。BtoB事業の場合、どのような企業と取引していて、取引企業件数が何件以上あるのかといった点も新規顧客からの信頼をを勝ち取る上で重要な要素になるといるでしょう。

既存営業(ルート営業)と何が違うのか?

新規開拓営業は、既存営業(ルート営業)とは異なります。新規開拓営業では、まだ自社を認知していない顧客に対してアプローチし、商品の価値や必要性を訴え、取引に結びつけることが目的です。そのため、新規開拓営業では以下のスキルが重視されます。

  • 短時間で信頼を獲得するスキル
  • 潜在的ニーズを引き出す力
  • 提案力

一方、既存営業は、既に取引のある顧客との関係を維持・発展させることを目的としています。解約防止や顧客満足度の向上を図りながら、アップセル・クロスセルを通じてさらなる売上拡大を目指します。つまり、既存営業には以下のスキルが求められます。

  • コミュニケーションスキル
  • 顧客理解力
  • 問題解決能力

アウトバウンド営業(プッシュ型)とインバウンド営業(プル型)の違い

新規開拓営業には、大きく分けてアウトバウンド営業とインバウンド営業の2種類があります。

インバウンド営業は、顧客が自発的に自社に興味を持ち、問い合わせなどを通じて接点を持ってくれることを目指す営業手法です。以下のような手法を通じて顧客に有益な情報を発信し、顧客の関心を引き、プル型で接触を図ります。

  • ウェブサイト
  • SNS
  • 広告

アウトバウンド営業は、企業側から積極的に顧客にアプローチをかける営業手法です。見込み顧客に直接接触し、取引を促すスタイルで、プッシュ型と呼ばれます。以下のような手法が用いられます。

  • テレアポ
  • 訪問営業
  • ダイレクトメール

どちらかの手法に絞るのではなく、自社の製品やサービス、ターゲット層、ビジネス状況に応じて最適な手法を選び、必要に応じて併用することが効果的です。

また、インバウンド・アウトバウンド営業のいずれの施策も、営業部門だけでなく、マーケティングやバックオフィス部門との連携が欠かせません。各部門との協業が取れているかどうかが、成約率を左右する重要なポイントとなります。 

新規開拓営業の手法(プッシュ型)

新規開拓営業の手法を解説します。ここではプッシュ型に焦点を当てて解説していきます。主な手法は5つあります。

  • 飛び込み営業(訪問営業)
  • テレアポ(電話営業)
  • メール(DM)営業
  • ポスティング
  • ビジネスアプリ

飛び込み営業(訪問営業)

事前のアポイントを取らず、直接顧客を訪問する営業手法です。商材によっては、訪問先で商品を実際に体験してもらうことで、即座に価値を伝えられるのが強みです。しかし、移動にコストがかかる点や、訪問を拒否されるケースも多いため、事前調査と訪問先選定が重要となります。

テレアポ(電話営業)

あらかじめ作成した見込み顧客リストを元に、電話をかけて商談のアポイントや資料の送付を行う手法です。ターゲットを絞り込んでアプローチできる反面、購買の決裁権を持つキーマンに繋がらない、そもそも電話自体を拒否されるなどの課題があります。

■テレアポの成果を上げる方法についてきょうみのある方は下記記事を参考にしてください。
テレアポを効率化する4つのコツ!メリットやCTIシステム導入事例をご紹介

メール(DM)営業

見込み顧客のメールリストに対して、営業メールを配信する手法です。内容は商品・サービス紹介や、無料セミナーの案内など多岐にわたり、ターゲットのニーズに応じてカスタマイズすることが成功の鍵となります。低コストで一斉配信できる反面、開封率や返信率の低さが課題です。

ポスティング

商品やサービス情報をまとめたチラシを、顧客の住所へ直接送付する手法です。特定エリアの顧客に定期的にアプローチできるのが利点ですが、印刷や配送コストがかかる点、また送付したチラシが見られずに廃棄されるリスクもあります。

ビジネスアプリ

近年では、ビジネス特化型のアプリを活用した営業も一般的になってきています。代表例として以下の2つが挙げられます。

  • LinkedIn
  • Eight

LinkedInは、世界最大規模のビジネスSNSとして、業種や業界を超えたビジネスマッチングを実現できます。Eightは名刺管理ツールで、共通の知人を介して新たな人脈を築いたり、名刺データを活用して効率的に営業活動を進めたりすることができます。

新規開拓営業の手法(プル型)

新規開拓営業の手法に関して今度はプル型に焦点を当てて解説します。プル型の手法は主に7つあります。

  • ウェブサイト
  • SNS運用
  • インターネット広告
  • 展示会
  • セミナーを主催/共催
  • オフライン広告
  • 広報・PR

ウェブサイト

自社のウェブサイトに商品やサービスに関する詳細な情報を掲載し、見込み顧客の関心を引きつけることが重要です。ウェブサイト経由で資料のダウンロードやお問い合わせがあった顧客に対して営業活動を行うことで、購買意欲の高いリードを確保できます。知名度が低い場合はアクセスを集めにくいため、SNS運用や広告と併用するのが効果的です。

オウンドメディア

オウンドメディアは、企業が自ら運営する1つのテーマに特化したメディアチャネルのこと指す場合が多いです。

オウンドメディアを活用することによって以下のような利益を得られます。

  • 独自の価値観や情報をサイト内で発信することによってブランド認知や売上向上を狙える
  • 定期的にコンテンツ更新を実施することで検索エンジンでの様々なキーワードを経由してウェブサイトへの訪問者増加が見込むことができる

コンテンツは見込み顧客の興味・関心の高いトピックを扱い、顧客が抱えている悩みに対する打ち手を提示することによって、これらの効果をさらに高めることが出来るでしょう。

SNS運用

SNSは、ターゲットユーザーと直接コミュニケーションをとれる場です。日々の情報発信を通じて顧客との距離を縮め、企業に対する好感度や信頼感を高められます。ユーザーが求める情報を意識しながら戦略的に発信していくことが成功の鍵です。また、SNSは双方向のやり取りができるため、顧客のフィードバックを得て改善点を見つけやすくなるという点もメリットです。

インターネット広告

検索エンジン広告やSNS広告を活用し、ターゲットユーザーとの接点を効率よく作り出せる手法です。株式会社電通が2021年に発表した調査レポートによれば、2021年にはインターネット広告がマス広告を上回ることが示されており、市場の成長が見受けられます。インターネット広告を有意義に活用することによって、いかにユーザーとのタッチポイントを築くことができるかが企業の成長を左右するといえます。インターネット広告の代表例としては以下が挙げられます。

  • Google/Yahooなどの検索エンジンに表示させるリスティング広告
  • YouTubeやInstagramなどのSNSに掲載するSNS広告

展示会

展示会は、業界関係者や多くの見込み顧客が集まる場です。商品やサービスを対面で説明し、実際に体験してもらうことで、購買につながるアプローチができます。出展コストは高めですが、業種やターゲット層に合った展示会を選べば大きな成果を見込めるでしょう。多くの企業が一堂に会するため、自社商品を差別化する工夫が求められます。

セミナーを主催/共催

セミナーやウェビナーを開催し、自社商品やサービスに関する深い知識や情報を提供することで、見込み顧客の信頼を獲得できます。セミナーのテーマは、顧客が抱える課題に即したものを選び、解決策を提示する内容にすることが重要です。提携企業と共催することで、より広範囲なターゲット層にアプローチできる利点もあります。

オフライン広告

新聞・雑誌・屋外看板・交通広告といったオフライン広告を活用し、企業認知を高めます。オンライン広告のようにターゲットを絞り込むことは難しいものの、特定地域や業界全体への認知度を向上させることができます。また、オンライン広告と組み合わせて利用することで、相乗効果を生みやすいです。

広報・PR

自社に関する情報をさまざまなメディアに掲載してもらうことにより、ブランドの認知度を高めます。新聞や業界誌、テレビ・ラジオなど、メディアの種類によってリーチできるユーザー層が異なるため、ターゲットに応じた選定が重要です。広報活動を通じて企業イメージを強化し、潜在顧客に対する信頼感を醸成できます。

間接的な新規開拓営業の手法3つ

新規開拓営業には直接的なものだけでなく間接的な営業もあります。主な間接的な新規開拓営業を3つ紹介します。

  • 口コミや紹介
  • アライアンス営業
  • 代理店の活用

口コミや紹介

既存顧客が自発的に紹介してくれることで新規顧客を獲得する手法です。既存顧客の満足度が高ければ、商品やサービスを関連企業や知人に勧めてくれることがあり、成約確度が高まります。特にBtoBビジネスでは、口コミは高い信頼性を持つため、営業活動の一環として捉えると良いでしょう。

アライアンス営業

複数の企業が連携して、新規顧客を開拓する手法です。リソースを共有することにより、コストを抑えつつ新たな市場への進出が可能です。また、異業種連携により、顧客に対して新たな価値を提供することもできます。

代理店の活用

自社のリソースだけでは開拓できない顧客層や地域に対して代理店を活用するのも効果的です。代理店を介することで、自社では接点を持てなかった顧客にリーチでき、事業拡大を目指せます。

新規開拓営業の成約率を高める5つのコツ

新規開拓営業の成約率を高めるためにはいくつかのポイントを押さえておくべきです。主なコツは5つあります。

  • 顧客分析思考を養う
  • 優先順位を考慮してリストアップする
  • 顧客の悩みを引き出す
  • 顧客の悩みや課題を起点に提案する
  • フォローアップを継続し、信頼関係を構築する

顧客分析思考を養う

成約に至った理由を顧客視点で分析することが、営業活動を成功へと導く第一歩です。商品やサービスのどこに魅力を感じたのかを明確にすることで、営業担当者は自社の強みや勝ち筋を把握できます。営業担当者にとってのアピールポイントが顧客にとって必ずしも魅力的であるとは限りません。例えば、自分が思わぬポイントに顧客が惹かれて契約に至るケースもあるため、顧客視点で分析を行うことが重要です。これにより、提案内容を工夫し、成約率を高められるでしょう。顧客分析思考は、営業の基礎となる必須スキルと言えます。

優先順位を考慮してリストアップする

新規開拓営業の成果を最大化するためには、見込み顧客へのアプローチに優先順位をつけることが必要です。成約可能性の高い顧客に的を絞るために、リスト作成時には、過去の顧客データを活用しましょう。CRMやSFAといったツールを用いると、成約に至った顧客の傾向や共通点を分析し、成約確度の高い顧客を選別しやすくなります。効率的な営業活動を行うには、リストアップの段階でしっかりとした優先順位付けを行うことが成功のカギです。

■リスト管理を効率化するためのツールを下記の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
テレアポリストの管理ツールとは?活用法や選び方を徹底解説

顧客の悩みを引き出す

顧客の悩みやニーズを徹底的にヒアリングすることは、適切な提案を行うための基盤となります。顧客がどのような未来を望み、何を本当に解決したいのかを理解することで、信頼を築くことができます。初回の接触時には、信頼関係の構築と顧客の課題把握を目的とし、商品・サービスの紹介は簡潔に留めるのがおすすめです。顧客のライフスタイルや考え方など、多角的な視点で情報を収集し、その上で適切な提案を行いましょう。

■顧客の悩みを誰でも正確に引き出すためにはトークスクリプトの質を上げることが重要です。下記の記事でトークスクリプトの作り方を解説しているためぜひ参考にしてください。
トークスクリプトの作り方を徹底解説!営業効率が上がるコツは?

顧客の悩みや課題を起点に提案する

ヒアリングで得た情報をもとに、顧客の悩みや課題に合った提案を行います。自社の製品・サービスを強調しすぎず、顧客のニーズを最優先に考えましょう。顧客は、商品やサービスを選ぶ際に、メリットとデメリットの両方を理解したいと考えることが多いため、疑問や不安にすべて答える姿勢が求められます。正確で迅速な情報提供を行うことで、信頼関係を築き、契約への可能性を高められます。顧客が求める情報をしっかりと伝えることで、成約に近づけるでしょう。

■顧客の悩みを起点として営業スタイルのことをシナリオ営業と呼ぶことがあります。シナリオ営業に関して詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
シナリオ営業とは?必要な3つのスキルや行うべきアクションを解説

フォローアップを継続し、信頼関係を構築する

新規開拓営業では、一度の接触で受注を取ることは困難です。継続的なフォローアップを行い、顧客との信頼関係を深めることが大切です。定期的に連絡を取り、顧客の状況に合わせた情報提供を行うことで、顧客のニーズに寄り添うことができます。また、今すぐ受注に至らなくても、信頼を築くことで将来的なビジネスチャンスにつながる可能性があります。たとえば、競合商品との比較を行う際に、信頼できる営業担当者から購入したいと顧客に思わせることができれば、最終的な決め手となるでしょう。信頼関係は小さな積み重ねで生まれるものです。レスポンスの速さや丁寧な対応を心がけ、良好なコミュニケーションを維持しましょう。

新規開拓営業を行う際の注意点

新規開拓営業を成功させるためには、いくつかの注意点を押さえておくことも重要です。主に3つあります。

  • 社内への情報共有を徹底する
  • 押し売りはしない
  • 顧客体験(CX)の満足度を向上させる

社内での情報共有を徹底して行う

社内での情報共有を徹底することは、新規開拓営業を成功に導くための基盤となります。情報が蓄積されることで、成功・失敗のパターンが組織全体に共有され、部門全体の営業力が向上します。また、属人化のリスクを軽減し、誰でも一定水準以上の成果を出せる体制を構築できます。情報共有を効率化するために、CRMやSFAなどの情報管理ツールの活用を検討しましょう。

■営業活動の属人化に関しては下記の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
営業の属人化とは?原因や解決方法7選を紹介!

押し売りはしない

売上目標ばかりを意識してしまうと、顧客視点を見失う恐れがあります。「営業担当者は顧客の課題解決のパートナーである」という意識を持ち、顧客が抱える課題に寄り添いながら最適な提案を行うことが大切です。そうすることで、顧客との信頼関係を構築でき、長期的な取引につなげやすくなります。

顧客体験(CX)の満足度を向上させる

新規開拓営業を行う際には、顧客体験(カスタマーエクスペリエンス:CX)を高めることを意識しましょう。顧客体験とは、顧客が商品やサービスを認知し、購入し、使用していくプロセス全体における企業に対する評価のことです。営業担当者がCXを重視し、顧客にとって最も価値ある提案を行うことで、顧客満足度を向上させ、結果として成約率を高めることが期待できます。

新規開拓営業で成果を出すなら「Comdesk Lead携帯録音エディション」の導入がおすすめ

当社は外回り・訪問営業向けにCRM・SFAの価値最大化をサポートする営業DXツール「Comdesk Lead携帯録音エディション」の提供および開発を行っています。「Comdesk Lead携帯録音エディション」を活用することで、スマホ一つで簡単に出先や移動中のお客様と通話を顧客データに紐付けて自動的に記録・報告・連絡ができます。これまでブラックボックス化されがちだった社用携帯を通じたリグが可視化されることで、提案だけでなくフォーキャストの精度向上、マネジメントの最適化も実現可能になります。

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まとめ

新規開拓営業を成功させるためには、全ての顧客接点を記録・可視化して、正しく理解する必要があります。ヒアリングせずに営業しても、取引間で発生するさまざまな顧客の意向や悩みに沿った提案ができず、成約に至りません。慣れるまでは、すぐに契約をもらえないことにもどかしさを感じるかもしれませんが、本記事で紹介した方法やコツを意識しながら根気良くPDCAを回して成約率の高い新規開拓営業を実現しましょう。

この記事を書いた著者 髙橋 弘考

同志社大学在学中に豪州にて起業。卒業後Webマーケ企業の社長室に配属、経営企画に携わる。翌年タイ法人の立ち上げ、現地CEOに就任し、コールセンターやオフショア開発拠点の立ち上げ。2013年より当社設立。初期プロダクト開発責任者。

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