テレアポ(インサイドセールス)は多くの企業における新規顧客獲得の重要な手段となっています。しかしながら、テレアポにて思うように成果が上がらないという悩みを抱えている方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では、テレアポのパフォーマンスが上がらない理由として音声品質が挙げられるのではないか?という問題を起点としたコンテンツになっております。
具体的には「音声品質がテレアポで重要な理由」や「テレアポでの音声品質改善の解決策」を解説していきます。
目次
テレアポの重要性が増す中、音声品質が重要な問題となる
近年テレワークの普及などを背景に、テレアポの重要性が増しています。その一方で、営業からの音声品質に対する不満は増加しており、テレアポのパフォーマンスにネガティブな影響を及ぼしている可能性があります。
テレアポの導入数は高まっている
テレアポの導入数は下図によれば、52%と高い水準となっています。また、導入検討中の企業も含めると60%にも上ります。このデータから示唆されることは、テレアポが企業活動において一般化された業務となってきており、その重要性が高まっているということです。
テレアポの重要性が高まっている背景としては主に2つが挙げられます。
THE MODEL(営業の分業体制)が浸透したから
テレアポの重要性が増している背景として、THE MODELが浸透したということが挙げられます。THE MODELとは、これまで1人の営業担当が担っていた業務を、部門として切り分け分業する体制のことです。一般的には、以下の部門に分業することが多いです。
- マーケティング
- インサイドセールス(テレアポ)
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
THE MODELが浸透することによって、架電業務はインサイドセールスという1つの専門的な職種として認識されるようになりました。インサイドセールスは商談へとアポを繋ぐ役割を担うため、インサイドセールスなしに案件の成約は実現できなくなっています。その意味で、インサイドセールスの重要性が高まっていると考えられます。
テレワークが普及したから
テレワークが普及していることもテレアポの重要性が増している背景として挙げられます。テレワークの普及によって、リモートでも業務を行うことのできるテレアポの割合が高まっていると考えられます。実際、テレワークの導入割合は57.8%と高い水準となっています。
テレアポにおいて音声品質は社員の不満に繋がっている
テレアポの重要性が増している一方で、営業からの不満も生じています。例えば、下図によれば、「音声が安定しない」は35.8%となっており、3人に1人の割合で不満を生じさせています。
テレアポ業務への不満は、営業の精神的負荷を増大させ、離職やパフォーマンス低下へと繋がりかねないです。そのためテレアポにおける音声品質等の問題は、発見次第改善していく必要があるといえます。
そもそも音声品質とは?
音声品質とは、音声の伝送や録音・再生における品質のことを指し、聞き手にとってどれだけ自然でクリアに音声が聞こえるかを評価するものです。音声品質は多くの変数によって決定されます。例えば、以下の4つが挙げられます。
- 音質
- ノイズ
- エコー
- 遅延
音質
音質とは音声の明瞭度のことを表します。音質はさらに3つの変数に分解されます。
- 帯域幅:音声の周波数範囲のことです。広い帯域幅は高音から低音までの再現性を向上させます。
- サンプリングレート:1秒間にサンプリングされるデータポイントの数のことです。高いサンプリングレートは音質を改善するが、データ量も増えます。
- ビット深度:各サンプルが持つデータ量のことです。高いビット深度は音の細部をより詳細に再現できます。
ノイズ
ノイズとは雑音を意味する英語であり、音声における不要な音のことを意味します。
- 背景ノイズ:通話や録音の際に入る不要な音のことです。これが多いと音声が聞き取りにくくなってしまいます。
- ホワイトノイズ:機械的なノイズのことです。高品質のマイクやレコーディング機器を使用することで軽減できます。
エコー
エコーは、音声が反響して二重に聞こえる現象のことです。エコーキャンセリング技術を使うことで解消が可能です。
遅延
音声信号が送受信されるまでの時間の遅れのことです。遅延が低いほど会話がスムーズに行えます。
テレアポにおいて音声品質が重要である理由
そもそも、テレアポにおいてなぜ音声品質が重要であるといえるのか?疑問に思っている方もいらっしゃるかと思います。そこで、テレアポにおいて音声品質が重要な理由を2つ解説します。
- アポが取れない原因の1つだから
- 音声品質の高さがテレアポのPDCAの質向上に繋がるから
アポが取れない原因の1つだから
音声品質が低いと、顧客とのコミュニケーションがスムーズに行われず、アポイントメントを取るのが難しくなります。音声品質の低さがアポ獲得の低下に関係する理由は主に以下の2つだと考えられます。
- 必要な情報が伝わらずプロダクトの訴求が不十分になるから
- 何度も聞き返しが発生し顧客のストレスが高まるから
特に、テレアポは非常に短い時間の中で顧客に自社プロダクトの魅力を伝える必要があるため、短い文章の中に重要なワードが詰まっています。そのため、音声品質の高さはアポ獲得において重要な変数であると考えられます。
音声品質の高さがテレアポのPDCAの質向上に繋がるから
音声品質が高いと、テレアポの通話内容を正確に録音し、解析することができます。これによりオペレーターのパフォーマンスを詳細に評価して、改善点を特定することができるようになります。高品質な音声データは、顧客の反応や質問、意見を正確に捉えることができ、PDCAサイクルの質を大幅に向上させます。
一方で、低品質な音声を解析した場合だと、解析によって出力されるアウトプットの質も低下します。低品質なアウトプットを基にした改善アクションももちろん、高い効果を発揮するとはいえません。よって、高い音声品質を確保することがPDCAの質向上において重要なのです。
具体的なPDCAの回し方として、以下の活用方法が考えられます。
- 音声解析を用いて顧客の感情やニーズを把握
- トークスクリプトの最適化
- アポインターの話し方を解析/改善
これにより営業のパフォーマンスが向上し、全体的なアポ獲得率の向上に繋がります。
テレアポの音声品質が低いことによる3つの課題
テレアポにおいて、音声品質が低いことは、どのような課題があるのでしょうか?主に3つの課題があります。
- 顧客のストレス増加
- 顧客からの信頼度低下
- 音声解析の質低下でテレアポのPDCAの質も低下
顧客のストレス増加
音声品質が低い場合、顧客は音声が聞き取りにくくなり、何度も聞き返す必要が生じてしまいます。これによって、顧客はストレスを感じ、会話に対する集中力や興味が減少するという問題が考えられます。
特に初対面の顧客とのコミュニケーションにおいては、第一印象が今後の関りに大きな影響を及ぼすため、音声品質の低さは顧客との信頼関係構築に悪影響を与える可能性があると考えられます。これによって、顧客がサービスや製品に対して不信感を抱くことがあり、最終的にはビジネスチャンスの損失に繋がる可能性もあるでしょう。
顧客からの信頼度低下
音声品質が低いと、顧客は企業やそのサービスに対しての信頼度も低下する可能性があります。特に、金融や医療などのセキュリティに厳しく信頼性が重視される業界では、音声の不明瞭さは重大な問題となり得ます。
顧客は音声がクリアでないことで重要な情報を正確に受け取れないリスクを感じ、企業に対する信頼感が低下します。結果として、他の信頼性の高い競合企業に顧客が流れる可能性があります。
音声解析の質低下でテレアポのPDCAの質も低下
テレアポの音声品質が低いと、録音された通話データの解析精度が低下します。これにより、音声認識ソフトウェアや解析ツールが正確に機能せず、通話内容の正確な解析が困難になります。特に、顧客の声の感情分析やニーズの把握が難しくなるため、テレアポ業務の改善サイクル(PDCAサイクル)の質が低下します。結果として、効果的なアポインターの訓練や戦略の見直しができず、業務全体のパフォーマンス向上が阻害される可能性もあります。
音声品質に伴う課題に対しての5つの解決策
音声品質が低いことに伴って生じる様々な課題に対しての解決策を紹介します。主に5つあります。
- 高品質な通話機器の導入
- CTIシステムの導入
- 音声品質の評価
- IP回線から携帯回線に切り替える
- アポインターのトレーニング
高品質な通話機器の導入
音声品質を向上させるための最も基本的な対策は、高品質な通話機器の導入です。クリアな音声を提供するための機器として以下の物が挙げられます。
- ノイズキャンセリング機能を備えたマイク
- 高解像度のヘッドセット
また、通話機器の定期的なメンテナンスや更新を行い、常に最良の状態で使用することが重要です。これによって、通話中のノイズやエコーを最小限に抑え、顧客との円滑なコミュニケーションが可能となります。
インターネット回線に依存しない環境を構築する
音声品質が悪い原因の1つとして、通信がインターネット回線に依存しているという点が挙げられます。
インターネット回線への依存から脱却する方法は主に2点あります。
- 自社で開発する
- IP回線ではないCTI(Comdesk Lead)に切り替える
自社で開発する
自社で専用の通信インフラやシステムを開発する方法です。これには以下のステップが含まれます。
- 専用ネットワークの構築: データセンターや専用回線を設置し、企業内の通信を独立させる。
- ソフトウェアの開発: 音声通信のための独自ソフトウェアやプロトコルを開発する。
- ハードウェアの導入: 高品質の音声通信用のハードウェア(専用電話機や通信機器)を導入する。
IP回線ではないCTI(Comdesk Lead)に切り替える
既存のインターネットベースのIP回線以外の回線も使用できるCTI(Computer Telephony Integration)システムに切り替えるという方法もあります。具体的には、Comdesk Leadが挙げられます。
Comdesk Leadは携帯回線を活用することのできる唯一のCTIです。各回線ごとの通話品質の高さは下図のように分類できます。ほとんどのCTIはIP回線にあたるため、Comdesk Leadは音声品質という点においてCTIツールの上位だといえます。
携帯回線を使うことによって、以下の3つを実現します。
- 通信環境に依存しない
- クリアな音声
- どこからでも受発信可能
■CTIシステムに関して、さらに詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
【2024年7月最新】CTIとは?|CTIツールとシステムの比較・費用・メリット完全ガイド
音声品質の評価
音声品質を維持・向上させるためには、定期的な評価も必要です。音声品質の評価には以下の方法があります
- 定期的な評価: 専門の音声評価ツールを使用して、定期的に通話品質をチェックします。これにより、問題が早期に発見され、迅速に対応することができます。
- 顧客フィードバック: 通話後に顧客からフィードバックを収集し、音声品質に関する意見を聞くことで、具体的な改善点を把握します。顧客の声を反映させることで、より実践的な改善が可能になります。
定期的かつ客観的な評価によって、常に音声品質が高い状態を保つことができるようになります。
IP回線から携帯回線に切り替える
音声品質の問題がIP回線によるものである場合、携帯回線への切り替えを検討することが有効です。IP回線はインターネットの状況により影響を受けやすいため、安定した通話品質を確保するのが難しいことがあります。
関連記事:【2024年7月最新】IP回線とは?固定電話、IP回線、携帯回線の特徴とメリットを徹底解説
一方、携帯回線は比較的安定しており、音声の遅延や途切れを防ぐことができます。特に、重要な通話やビジネスクリティカルな場面では、携帯回線の利用が推奨されます。
上図は、一般的なCTI(IP回線)とComdesk Lead(携帯回線)を比較したものです。携帯回線では、音声品質が高いこと以外にも、以下のような特徴があります。
- 通信環境に依存しない
- どこからでも受発信可能
営業のトレーニング
エージェントに対する教育方法には、理論的な知識の伝達だけでなく、実際に音声品質を向上させるための技術的なスキルの習得も含まれます。実際アポインター自身の手によって音声品質を変えることは可能です。例えば以下4つが考えられます。
- マイクロホンの位置
- ノイズキャンセリング機能の活用方法
- ゆっくり話す
- 音響の吸収
これらの対策は今すぐにでもコストをかけずに実行できます。これまで意識できていなかった場合、すぐに対策すべきだといえます。
関連記事:【2024年7月最新】電話営業で新規開拓|成功するアポ獲得のテレアポテクニック
音声品質改善によって得られる成果
音声品質改善によって得られる成果について解説します。
- 成約率向上
- 顧客満足度向上
成約率向上
音声品質を改善することで、テレアポの成約率が大幅に向上します。クリアな音声は顧客とのコミュニケーションをスムーズにし、誤解や聞き返しを減少させます。その結果、顧客はオペレーターの話をより理解しやすくなり、提案内容に対する関心や信頼感が増します。
また、高品質な音声はプロフェッショナルな印象を与えるため、顧客は企業に対する信頼性を感じやすくなります。これにより、顧客が提案を受け入れる確率が高まり、成約率の向上に繋がります。
顧客満足度向上
音声品質の改善は、顧客満足度の向上にも直結します。通話中のノイズや途切れが少ないことで、顧客はストレスを感じることなく、快適にコミュニケーションを取ることができます。特に、重要な情報や細かい説明を含む通話では、音声がクリアであることが重要です。顧客が正確な情報を受け取ることで、信頼感が増し、満足度が向上します。また、通話の質が高いと感じた顧客は、企業に対する好意的な印象を持ちやすくなり、リピート利用や紹介の可能性も高まります。
さらに、音声品質の向上により顧客が通話中に正確な情報を受け取りやすくなるため、誤解やミスコミュニケーションが減少し、問い合わせやクレームの数が減ります。これにより、オペレーターの負担も軽減され、業務の効率が向上します。
音声品質改善にはComdesk Leadがおすすめ
音声品質改善におすすめのツールはComdesk Leadです。Comdesk Leadは携帯回線を利用可能であるため、高い音声品質を担保することが可能です。高い音声品質は、顧客満足度を向上させ、結果として成約率の向上にも貢献します。またComdesk Leadの特徴は携帯回線だけに留まりません。主に以下3つの機能を備えています。
- 1. Lead・携帯録音Edition -コールシステム(CTI)
- 2. Meeting
- 3. Offline Meeting
1. Lead・携帯録音Edition -コールシステム(CTI)
弊社のコールシステム(CTI)ソリューションは、電話営業(テレアポ、アウトバウンドコール、インサイドセールス)のオペレーションの最適化を目指して設計されており、営業活動を最大化する環境を提供します。Comdesk LeadのAIによる商談解析機能で上位成績者の架電録音や文字起こしを収集・分析し、成果の出るトークスキル・ノウハウを共有することで、メンバー全体の成果UPに貢献します。
属人営業を解消し後継者育成を容易にすることで、営業プロセスの標準化と一貫性の保持を実現します。以下がそのステップです:
顧客アプローチ&フォロー:効率的なテンプレートを使用して、顧客アプローチとフォローアップのプロセスを標準化し、一貫性とスピードを保ちます。
ヒアリング・顧客理解を深める:全ての営業担当者が顧客から同じレベルの情報を収集・記録できるようにします。これにより、顧客理解が深まり、ニーズに応じたカスタマイズが可能になります。
適切な意思決定を瞬時に:リアルタイムデータと高度な分析ツールを活用して、迅速かつ適切な意思決定を支援します。これにより、チャンスを逃さず、より効果的な営業活動が展開できます。
2. Meeting
こちらのオンラインセールス用のサービスは、対面やオンラインの打ち合わせにて音声の自動録音をし、データ管理することで、ミーティングを戦略的にリードします。透明性あるコミュニケーションが促進されることで、クライアントのとの伴走をよりサポートいたします。
3. Offline Meeting
コミュニケーションをリードするコンサルタント向きのこちらのサービスは、オフラインミーティングにおいて録音と議事録の自動生成が可能で、情報ビジネスに求められる透明性と効率性を担保します。
関連記事:【2024年7月最新】Comdesk CTIツール|口コミ・評判と料金・特徴を解説
関連記事:Comdesk Leadが営業・インサイドセールスに選ばれる理由
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事ではテレアポにおいて音声品質に悩みを抱えている方に向けて、音声品質が重要な理由や改善するための方法を解説しました。
本記事で紹介した解決策は以下の5つになります。
- 高品質な通話機器の導入
- CTIシステムの導入
- 音声品質の評価
- IP回線から携帯回線に切り替える
- アポインターのトレーニング
ぜひ本記事を参考に、テレアポのパフォーマンス向上を目指していただければ幸いです。
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