株式会社ドアーズ 統括本部長 関口隆太 様
導入事例記事 デジタル化で生産性1.5倍以上、管理業務 約8割削減を達成。
データ分析と活用でサービス向上も実現。
PROFILE会社概要
会社名 | 株式会社ドアーズ |
所在地 | 東京都港区三田1-2-18 TTDビル 4F |
URL | 株式会社ドアーズ http://doors.holdings/ |
事業内容 | 外壁塗装の窓口の運営 |
OUTLINEインタビュー概要
株式会社ドアーズ様は、外壁塗装を専門に扱う一括見積もりサイト「外壁塗装の窓口」のサービス運営を行っています。サービス開始から6年が経過し、利用者が月に30万人以上となる、国内最大級のサービスに成長させました。その成功の一翼の担うお客様と、全国3,700社以上の加盟店様をつなぐコールセンター向けに、2年前からComdeskを導入し、コールセンター業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。今回は、コールセンター全体の運営管理を行っている統括本部長 関口隆太様に導入の効果について伺いました。
- コールセンターの管理業務の効率化と、オペレーターのムダな作業の廃止は急務。
- 生産性1.5倍、管理業務の約8割削減を達成。さらに、デジタル化によって得られたものは大きい。
- データ分析でサービスが向上。定性的ではない、データに基づく判断に変えたことで、大きな成果が得られた。
オペレーターのムダな作業の廃止は急務。
QUESTION導入前の課題や導入経緯について教えてください。
関口様:2年前は携帯電話、いわゆるガラケーで営業やお客様の対応を行っていました。コールセンターの規模は約40人でしたが、固定電話と比べ、設置や通話料などの費用が抑えられることが導入の理由です。しかし、管理面の課題が数多くありました。例えば、架電数を確認するために、導入前は発信履歴を確認しながら「正」の字を書いて毎日カウントしていました。また、通話による接客の課題については、録音して確認する手段が無く、管理者が聞き耳を立てて問題に対応する場当たり的な仕事のやり方と、ガラケーのイヤホンマイクが業務の利用には不十分で使えず、オペレーターがパソコンを操作する度に携帯電話を机に置く、厶ダな作業も改善したいと考えていました。
QUESTIONComdeskを選んだ理由を教えてください。
関口様:課題の対策として、CTI(Computer Telephony Integration)の導入検討をしました。複数社を比較し検討していましたが、顧客管理システムと固定電話を接続するサービスは、システム費用の他に固定電話の増設工事も含めて、導入のコストが高いこともあり困っていました。ある時、当時の役員からComdeskの紹介があり、実際に利用しているコールセンターを見学させて頂きました。携帯電話を使ったクラウド型CTIでコールセンター業務ができることと、トータルコストも抑えられることもわかり、見学直後に試験導入をお願いしました。一週間程度の試験導入で社内からも高評価の結果が得られたため、直ぐに約3割のスタッフ分を契約し本格的な試運転を行い、その後既存の回線解約に合わせて段階的に導入し、スムーズにComdeskへの切り替えが完了しました。
さらに、デジタル化によって得られたものは大きい。
QUESTIONComdeskを導入した効果について教えてください。
関口様:導入後の架電数は1.5倍以上となり、大幅に生産性の向上効果が得られました。これは、ホームページからの問い合わせに対し、お客様への内容確認の電話を手書きでメモを残し、電話の後に書いたメモをパソコンに入力していたやり方を改善できたこと。また、パソコンの片手操作を無くし、どの辺りの地域に住んでいるお客様かを調べたい場合や、取引会社様にご紹介する場合に、地図で場所を調べることなどの頻繁に行う作業が改善され、情報共有もシステムで瞬時にできるようになったことによる効率化の結果です。ITシステムに詳しくありませんでしたが、Widsleyさんの支援で最先端のコールセンターとなり、業務全体の改善ができました。
他にも、管理者の業務も非常に楽になりました。生産性を計る指標として、架電数、通話時間などいくつかの数値を入れて集計していましたが、全て手作業で実施していました。そのため、管理者は毎日1時間程度を使い入力と確認作業を行っていました。今では、Comdeskによって自動集計されるため、管理者は確認作業だけの約10分に短縮され、作業時間を約8割削減することができました。今考えると、以前のような、手書きでのカウント集計は、相当非効率であったと感じています。
QUESTIONComdeskに自社システムを連携し、どのようなデータ活用を推進されているのでしょうか。
関口様:今まで感覚的であった作業から、さまざまなデータが取れることがわかり、これらのデータを積極的に社内で活用できないか考えるようになりました。過去の実績から、施工会社さんは、現場までの距離から半径数十kmまでが、営業エリアになっていることが多いと感じていました。そこで、顧客管理システムの地図に独自のエリアを設けて、エリアごとに架電数をComDeskと連携し、グラフ表示する機能を追加しました。ComDeskにはさまざまなシステムに連携するAPI(Application Programming Interface)が準備されており、弊社のシステムとの接続も容易に対応できました。これによって、担当者が感覚的に営業を行っていたことが、データによって見える化され、成約数、契約率などの情報を、エリアごとに数値化し、戦略的な営業を実現できたことは大きな変化です。導入前では考えられませんが、今ではこのデータに基づき、現場のオペレーターから管理職も含め、全員で改善を考えています。
例えば、塗装会社様に紹介する電話を、ある地域では現場と同じ都道府県内の特定10社、他の地域では40社に対して行っていることがわかりました。分析してみると、特定の塗装会社だけでなく、現場からの距離が営業エリア内にある、他の複数の塗装会社に紹介することで、契約率が上がることが分かりました。また、お客様からの依頼に対して、必ず1社以上を紹介できるように、エリア別で直近の稼働状況を確認しながら積極的に加盟店様にコンタクトし、繁忙期や台風直後の依頼増加にも対応できるようなりました。
定性的からデータに基づく判断に変えたことで、大きな成果が得られた。
QUESTION在宅勤務への取り組みは新型コロナウィルス感染症の対応にも役立ちましたか。
関口様:全通話の録音再生ができるようになったことで、サービスの向上につながりました。弊社の業務フローは、お客様からの依頼内容を確認することと、塗装会社様に依頼を紹介することの、2つに分かれています。お客様と塗装会社様の双方に対して、正確な情報を伝えることが求められるのですが、問題になった通話録音を確認すると、会話の内容に食い違いが起こっていることが分かりました。同様のいくつかの通話録音を分析した結果、特定の単語が、双方で全く違う意味で捉えられていることが原因だと判明しました。塗装会社様としては、オペレーターとの会話内容の捉え方次第でその後の対応が異なり、現場に行く必要があるケースも発生するため、オペレーターが使う単語を統一することや、会話内容を確認するルールづくりなどの対策を講じることができ、結果的に接客の質も改善することができました。
もう一つ導入して良かったことは、トーク内容もブラックボックスで見える化ができておらず、オペレーターの能力を、雰囲気や声の張りなどの定性的な能力で判断していましたが、導入後には、ヒアリング能力を正しく評価できるようになったことです。接客内容の見える化を試み、案件数だけでなく、契約率が低い案件を10件と、契約率が高い案件を5件上げる場合ではどちらが良いかや、接客品質を維持するなら、オペレーター1人あたり何件が適正な案件数になるかを算出しました。Comdeskにより見える化された、このような情報を組み合わせることで、オペレーターの能力を生産性として定義し、定量的に正しく評価することができるようになったのは大きな成果です。
このように、Comdeskの導入をきっかけに、今まで見えていなかったことを数値化できたり、音声ログを分析するなどのDX施策を推進したおかげで、営業戦略の改善や人材評価基準を設定できたことに感謝しております。